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ポラリス・ホールディングスのニュース
■要約
ポラリス・ホールディングス<3010>は、世界ブランド「Best Wester(R) Hotels & Resorts」の国内展開権利を持ち、「バリュー・ザ・ホテル」「KOKO HOTELS(ココホテルズ)」を含め31棟、5,682室(2022年10月末現在)のホテルを運営するホテルオペレーター(運営委託会社)である。創業は1912年と古く、製糸業で業界大手の一角を占めていたが、繊維不況を契機に不動産業に参入、2008年に(株)フィーノホテルズを子会社化したことで「ベストウェスタンホテル」のエリア開発会社となり、ホテル事業の足掛かりを築いた。リーマンショックで不動産市況が悪化してからは事業主体をホテル事業にシフトし、2011年3月期にはホテル事業が不動産事業の売上高を逆転、2023年3月期第2四半期のホテル運営事業の売上高構成比は94.6%を占める。2018年10月以降、独立系の投資運用グループであるスターアジアグループと資本業務提携し、新たなマネジメント体制の下、成長を加速している。なお、2021年5月に価値開発株式会社からポラリス・ホールディングス株式会社へ社名変更した。
1. 2023年3月期第2四半期の業績概要
2023年3月期第2四半期の売上高は3,114百万円(前年同期比77.6%増)、営業利益31百万円(前年同期は728百万円の損失)となり、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を大きく受けた前年同期から大幅に回復し、営業黒字を達成した。売上高については、国内宿泊需要が改善するなか、既存ホテルの稼働率改善や運営ホテル数及び客室数の増加、新規開業ホテルの開業準備金収入計上などにより、大幅な増収となった。また、2023年3月期第2四半期会計期間(以下、当四半期)は既存ホテルの業績改善に加え、新規ホテルの開業及び開業準備金収入の計上が寄与し、コロナ禍直前の2020年3月期の第3四半期実績を上回る水準となった。営業損益については、フィー収入型の運営委託契約による運営ホテルの拡大とともに、ローコストオペレーションを徹底したことにより、黒字転換を達成した。第2四半期単独では各利益で黒字化となり、業績回復が鮮明になってきた。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期については、コロナ禍が同社の事業活動に与える影響について、現時点で合理的に予測することが困難な状況にあるため、業績予想の開示を見送った。既述のとおり第2四半期単独では、売上高はコロナ禍前の水準、各利益は黒字化し、業績の回復は顕著となっている。足元の第3四半期は国内旅行需要が高まっており、既存ホテルの稼働率の向上とともに客単価も改善傾向にある。訪日外国人客については、円安進行を背景にアジアや欧米からの顧客が増え、訪日外国人客比率は15%前後まで上昇している。費用面では、ITを活用したオペレーションの効率化が進んでいる。2023年3月期に受託した「KOKO HOTELS」の客室の多くは200室以上と大きく、稼働率が上がればスケールメリットも享受できる。弊社では、下期はさらに業績が回復し、通期での黒字化の可能性が高いと見ている。
3. 成長戦略
同社は、2020年8月に「成長戦略プラン」、2021年1月に「ホテル運営方針」を発表し、「ROE(自己資本利益率)15%」や客室数6,396室(2024年3月期末)を主な目標に掲げている。中核事業であるホテルオペレーションについては、「競争力ならびに利益率の高いホテル運営プラットフォームの構築」をテーマに、コスト削減や賃料支払い負担比率の引き下げによる損益分岐点の引き下げ、スポンサーとのリレーションの強化などを実践に移してきた。その成果は既に顕在化しつつある。「運営委託/変動賃料型」の客室数は、2020年3月末の292室から2022年10月末に2,880室まで増加し、損益分岐売上を下げることに貢献している。また、「KOKO HOTELS」の拡大(2022年10月末時点で15棟)や、フィリピン大手ホテル「Red Planet」チェーンの子会社化などは、スポンサーとのリレーションの強化を具現化したものと言える。結果として、2022年10月末現在の客室数は7,890室(予定含む)に上り、2024年3月期末の目標である客室数6,396室を大幅に前倒しで達成した。
■Key Points
・世界ブランド「Best Western(R) Hotels & Resorts」、独自ブランド「KOKO HOTELS」等を展開するホテルオペレーター。スターアジアグループとして成長加速
・2023年3月期第2四半期は、既存ホテルの稼働率改善や運営ホテル数の増加が寄与し、大幅増収・営業黒字化を達成
・2021年3月期予想は未定とするも、足元の客室稼働率及び客単価は順調であることから黒字化の可能性大
・フィリピン大手ホテル「Red Planet」チェーンを子会社化予定。成長戦略に掲げる目標客室数を前倒しで達成
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<SI>
ポラリス・ホールディングス<3010>は、世界ブランド「Best Wester(R) Hotels & Resorts」の国内展開権利を持ち、「バリュー・ザ・ホテル」「KOKO HOTELS(ココホテルズ)」を含め31棟、5,682室(2022年10月末現在)のホテルを運営するホテルオペレーター(運営委託会社)である。創業は1912年と古く、製糸業で業界大手の一角を占めていたが、繊維不況を契機に不動産業に参入、2008年に(株)フィーノホテルズを子会社化したことで「ベストウェスタンホテル」のエリア開発会社となり、ホテル事業の足掛かりを築いた。リーマンショックで不動産市況が悪化してからは事業主体をホテル事業にシフトし、2011年3月期にはホテル事業が不動産事業の売上高を逆転、2023年3月期第2四半期のホテル運営事業の売上高構成比は94.6%を占める。2018年10月以降、独立系の投資運用グループであるスターアジアグループと資本業務提携し、新たなマネジメント体制の下、成長を加速している。なお、2021年5月に価値開発株式会社からポラリス・ホールディングス株式会社へ社名変更した。
1. 2023年3月期第2四半期の業績概要
2023年3月期第2四半期の売上高は3,114百万円(前年同期比77.6%増)、営業利益31百万円(前年同期は728百万円の損失)となり、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を大きく受けた前年同期から大幅に回復し、営業黒字を達成した。売上高については、国内宿泊需要が改善するなか、既存ホテルの稼働率改善や運営ホテル数及び客室数の増加、新規開業ホテルの開業準備金収入計上などにより、大幅な増収となった。また、2023年3月期第2四半期会計期間(以下、当四半期)は既存ホテルの業績改善に加え、新規ホテルの開業及び開業準備金収入の計上が寄与し、コロナ禍直前の2020年3月期の第3四半期実績を上回る水準となった。営業損益については、フィー収入型の運営委託契約による運営ホテルの拡大とともに、ローコストオペレーションを徹底したことにより、黒字転換を達成した。第2四半期単独では各利益で黒字化となり、業績回復が鮮明になってきた。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期については、コロナ禍が同社の事業活動に与える影響について、現時点で合理的に予測することが困難な状況にあるため、業績予想の開示を見送った。既述のとおり第2四半期単独では、売上高はコロナ禍前の水準、各利益は黒字化し、業績の回復は顕著となっている。足元の第3四半期は国内旅行需要が高まっており、既存ホテルの稼働率の向上とともに客単価も改善傾向にある。訪日外国人客については、円安進行を背景にアジアや欧米からの顧客が増え、訪日外国人客比率は15%前後まで上昇している。費用面では、ITを活用したオペレーションの効率化が進んでいる。2023年3月期に受託した「KOKO HOTELS」の客室の多くは200室以上と大きく、稼働率が上がればスケールメリットも享受できる。弊社では、下期はさらに業績が回復し、通期での黒字化の可能性が高いと見ている。
3. 成長戦略
同社は、2020年8月に「成長戦略プラン」、2021年1月に「ホテル運営方針」を発表し、「ROE(自己資本利益率)15%」や客室数6,396室(2024年3月期末)を主な目標に掲げている。中核事業であるホテルオペレーションについては、「競争力ならびに利益率の高いホテル運営プラットフォームの構築」をテーマに、コスト削減や賃料支払い負担比率の引き下げによる損益分岐点の引き下げ、スポンサーとのリレーションの強化などを実践に移してきた。その成果は既に顕在化しつつある。「運営委託/変動賃料型」の客室数は、2020年3月末の292室から2022年10月末に2,880室まで増加し、損益分岐売上を下げることに貢献している。また、「KOKO HOTELS」の拡大(2022年10月末時点で15棟)や、フィリピン大手ホテル「Red Planet」チェーンの子会社化などは、スポンサーとのリレーションの強化を具現化したものと言える。結果として、2022年10月末現在の客室数は7,890室(予定含む)に上り、2024年3月期末の目標である客室数6,396室を大幅に前倒しで達成した。
■Key Points
・世界ブランド「Best Western(R) Hotels & Resorts」、独自ブランド「KOKO HOTELS」等を展開するホテルオペレーター。スターアジアグループとして成長加速
・2023年3月期第2四半期は、既存ホテルの稼働率改善や運営ホテル数の増加が寄与し、大幅増収・営業黒字化を達成
・2021年3月期予想は未定とするも、足元の客室稼働率及び客単価は順調であることから黒字化の可能性大
・フィリピン大手ホテル「Red Planet」チェーンを子会社化予定。成長戦略に掲げる目標客室数を前倒しで達成
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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