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STIフードホールディングスのニュース
■要約
1. 魚など水産素材を原料に食品や食材の製造・販売を行う食品メーカー
STIフードホールディングス<2932>は、2020年9月に東京証券取引所2部に上場した、魚など水産素材を原料に食品や食材の製造を行っている食品メーカーである。主としてコンビニエンスストアチェーントップのセブン-イレブン向けに、焼魚などチルド惣菜やサーモンフレークなどおにぎり具材を販売している。同社が属する中食市場は、コンビニエンスストアや食品スーパーなどを主販路に成長を続けている。なかでも、同社が得意とする焼魚などをパックしたチルド惣菜は、単身者や小家族の簡便化ニーズを背景に伸長してきたが、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ禍)におけるニューノーマルの「巣ごもり需要」によって販売にさらに弾みがついた。同社は、こうした成長著しい商材を、量産とおいしさ・品質を追求した独自技術と生産体制によって消費者に届けている。
2. 技術力や一貫生産体制といった他社にまねできない特徴を持っている
同社の売上高はセブン-イレブン向けが82%と大部分を占めている(2020年12月期、以下同)。セブン-イレブン向け売上高の内訳はチルド惣菜が62%、おにぎり具材が16%、冷凍食品・常温食品・缶詰が4%となっている。同社は、その時々の相場のある水産資源を複数の商社・問屋から広く調達することにより、必要なサイズ、必要な数量を安定して調達できる仕組みを構築している。また、東北及び関東、東海、九州に製造拠点を有しており、工場ごとに異なる得意分野や商品群を組み合わせることにより、コンビニエンスストアが必要とする3温度帯(冷凍・チルド・常温)での食品や食材の開発や製造を行っている。特においしさに直結する独自の技術力と一貫生産体制に特徴があり、他社にまねできない差別化要因となっている。
3. 2020年12月期業績は大幅伸長、2021年12月期業績見通しは保守的な印象
2020年12月期業績は、売上高23,062百万円(前期比11.7%増)、営業利益1,310百万円(同146.7%増)と大幅な増収増益となった。業績好調の要因は、単身者や小家族の簡便化ニーズを背景とした従前からの伸びに加えて、コロナ禍による「巣ごもり需要」が更なる追い風となって定番の焼魚や新商品のカップサラダなどチルド惣菜の販売が好調に推移したこと、事業譲受後に収益が安定しなかった一部工場で生産管理体制の構築が進展したことなどにある。2021年12月期の業績見通しに関して、同社は売上高26,000百万円(同12.7%増)、営業利益1,570百万円(同19.8%増)と見込んでいる。コロナ禍の収束時期が依然見通せず、引き続き先行き不透明な経済環境が続くと予測されてはいるが、主力製品であるチルド惣菜の需要が急速に拡大していることから、同社の業績見通しは保守的と言わざるを得ない。
4. チルド惣菜の需要拡大を背景に生産能力と配送体制を強化、中長期成長に弾み
主力取引先のセブン-イレブン店頭で、チルド惣菜が引き続き非常に好調に推移している。これに対して、世の中の需要変化に合わせて常に業態を進化させてきたセブン-イレブンは、新レイアウトでチルド惣菜の売場を広げている。しかし、需要増加に生産能力が追いついていないことが同社にとって大きな課題となっており、同社は、上場資金をテコに関西圏の新工場など生産能力を増強する計画である。加えて、全国の生産体制の最適化も進める。これにより売上拡大と物流など効率化が見込まれることから、中期的な利益成長につながることが期待されている。加えて中長期的には、セブン-イレブンの世界展開に合わせたアジアや米国への進出、セブン-イレブン以外の小売との提携、IT技術を使った生産性の向上なども図っていく方針である。
■Key Points
・水産資源を原料に食品や食材を製造するメーカーで、技術や一貫生産に強み
・同社が得意とするチルド惣菜がセブン-イレブンで大きく販売を伸ばしている
・上場資金をテコに生産能力や拠点体制を強化しており、中長期成長が期待される
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 魚など水産素材を原料に食品や食材の製造・販売を行う食品メーカー
STIフードホールディングス<2932>は、2020年9月に東京証券取引所2部に上場した、魚など水産素材を原料に食品や食材の製造を行っている食品メーカーである。主としてコンビニエンスストアチェーントップのセブン-イレブン向けに、焼魚などチルド惣菜やサーモンフレークなどおにぎり具材を販売している。同社が属する中食市場は、コンビニエンスストアや食品スーパーなどを主販路に成長を続けている。なかでも、同社が得意とする焼魚などをパックしたチルド惣菜は、単身者や小家族の簡便化ニーズを背景に伸長してきたが、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ禍)におけるニューノーマルの「巣ごもり需要」によって販売にさらに弾みがついた。同社は、こうした成長著しい商材を、量産とおいしさ・品質を追求した独自技術と生産体制によって消費者に届けている。
2. 技術力や一貫生産体制といった他社にまねできない特徴を持っている
同社の売上高はセブン-イレブン向けが82%と大部分を占めている(2020年12月期、以下同)。セブン-イレブン向け売上高の内訳はチルド惣菜が62%、おにぎり具材が16%、冷凍食品・常温食品・缶詰が4%となっている。同社は、その時々の相場のある水産資源を複数の商社・問屋から広く調達することにより、必要なサイズ、必要な数量を安定して調達できる仕組みを構築している。また、東北及び関東、東海、九州に製造拠点を有しており、工場ごとに異なる得意分野や商品群を組み合わせることにより、コンビニエンスストアが必要とする3温度帯(冷凍・チルド・常温)での食品や食材の開発や製造を行っている。特においしさに直結する独自の技術力と一貫生産体制に特徴があり、他社にまねできない差別化要因となっている。
3. 2020年12月期業績は大幅伸長、2021年12月期業績見通しは保守的な印象
2020年12月期業績は、売上高23,062百万円(前期比11.7%増)、営業利益1,310百万円(同146.7%増)と大幅な増収増益となった。業績好調の要因は、単身者や小家族の簡便化ニーズを背景とした従前からの伸びに加えて、コロナ禍による「巣ごもり需要」が更なる追い風となって定番の焼魚や新商品のカップサラダなどチルド惣菜の販売が好調に推移したこと、事業譲受後に収益が安定しなかった一部工場で生産管理体制の構築が進展したことなどにある。2021年12月期の業績見通しに関して、同社は売上高26,000百万円(同12.7%増)、営業利益1,570百万円(同19.8%増)と見込んでいる。コロナ禍の収束時期が依然見通せず、引き続き先行き不透明な経済環境が続くと予測されてはいるが、主力製品であるチルド惣菜の需要が急速に拡大していることから、同社の業績見通しは保守的と言わざるを得ない。
4. チルド惣菜の需要拡大を背景に生産能力と配送体制を強化、中長期成長に弾み
主力取引先のセブン-イレブン店頭で、チルド惣菜が引き続き非常に好調に推移している。これに対して、世の中の需要変化に合わせて常に業態を進化させてきたセブン-イレブンは、新レイアウトでチルド惣菜の売場を広げている。しかし、需要増加に生産能力が追いついていないことが同社にとって大きな課題となっており、同社は、上場資金をテコに関西圏の新工場など生産能力を増強する計画である。加えて、全国の生産体制の最適化も進める。これにより売上拡大と物流など効率化が見込まれることから、中期的な利益成長につながることが期待されている。加えて中長期的には、セブン-イレブンの世界展開に合わせたアジアや米国への進出、セブン-イレブン以外の小売との提携、IT技術を使った生産性の向上なども図っていく方針である。
■Key Points
・水産資源を原料に食品や食材を製造するメーカーで、技術や一貫生産に強み
・同社が得意とするチルド惣菜がセブン-イレブンで大きく販売を伸ばしている
・上場資金をテコに生産能力や拠点体制を強化しており、中長期成長が期待される
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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