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ヨコレイのニュース
*13:32JST ヨコレイ Research Memo(2):高いトレーサビリティで食の安全・安心を確保(1)
■会社概要
1. 会社概要
横浜冷凍<2874>は戦後間もない1948年に、横浜の地で創業した。「会社は社会の公器であり、利益は奉仕の尺度である」という経営理念に基づき、75年にわたって安全・安心な食品の安定供給に貢献してきた。創業以来、「冷蔵倉庫事業」と「食品販売事業」の2つを柱に事業を展開しており、横浜から始まった事業は日本全国、世界へと広がっている。冷蔵倉庫事業では国内に50拠点、タイに5拠点の冷蔵倉庫を構えている(2023年12月末時点)。冷蔵倉庫内の温度管理においては「熱」「水」「空気」「振動」「圧力」などの多岐にわたる要素を考慮し、それに対処していく必要がある。同社は75年にわたって冷蔵倉庫を運営するなかで様々な試行錯誤を行い、非常に繊細な温度管理技術とノウハウを獲得してきた。この冷蔵冷凍技術を武器に顧客の様々なニーズに対応している。食品販売事業においても事業活動はグローバルに展開されており、東南アジア、南米、北欧など世界各地から高品質の食品を直接調達し、国内外に販売している。また、国内においては主要漁港に事業所を展開、買参権を有し、自社にて凍結生産を行っており、早くから事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献することにも注力してきた。2030年に向けたグループの長期的方向性である「ヨコレイサステナビリティビジョン2030」の下でSDGsへの対応を加速していく構えだ。
また、創業75周年を迎えた同社は、次の100年へ向かって新たなスタートを切るためにコーポレートロゴを2024年1月にリニューアルした。従来のロゴをベースとし、ソリッドで力強い形でありながらも、エッジには丸みを持たせ、強さの中にある優しさや食品への気配り・安定を表現したほか、同社の進化と挑戦をイメージさせる色として、従来よりも濃い赤色をコーポレートカラーとして採用した。
2. 事業内容
「人」「もの」「地球」にやさしい食品流通のエキスパートとして同社は、冷蔵倉庫事業と食品販売事業を主たる業務とし、国内外への安全・安心な食品の安定供給に貢献している。多種多様な低温物流ニーズに高いレベルで応える冷蔵倉庫事業では、保管のみならず通関・配送など多岐にわたる物流プロセスにおいて、高品質なサービスの提供を行っている。食品販売事業においては、国内外の商品ニーズに的確に対応できるネットワークを生かした調達力を強みとしている。
(1) 冷蔵倉庫事業
同社は港湾、高速インター付近、産地、消費地など、食品供給の要所に冷蔵倉庫を保有している。そして、高度な冷蔵技術とノウハウを駆使し、農産物、水産物、畜産物などの原料や冷凍食品など、多様な食品を最適な温度とオペレーションで保管している。冷蔵冷凍倉庫の総収容能力は107万トンと100万トンを超えている(国内50拠点、海外5拠点。2023年9月期末実績)。収容能力は業界トップクラスであり、同社によると冷蔵倉庫専業としてはトップの収容能力があると言う。冷蔵倉庫に顧客が求める要件は多岐にわたるが、主に「商品の品質を損なわず、長期にわたり維持できる設備」「多種・多量の商品を保管できる収容能力」「顧客ニーズに合わせた最適な物流サービス」の3つを挙げることができる。こうしたニーズに応えながら、物流の要所に多くの冷蔵倉庫を保有することによって、収容能力を高めている。同社は新・中期経営計画の下で収容能力のさらなる拡大に取り組んでおり、新たに拠点を設置するため、2023年9月期末時点において、恵庭スマート物流センター(北海道)、夢洲第二物流センター(大阪)、箱崎物流センター(福岡)、ベンルック物流センター(ベトナム)、十勝第四物流センター(北海道)、岡山物流センター(岡山)を建設中である。今後も収容能力を順次拡大していく。
a) 商品の品質を損なわず、長期にわたり維持できる設備と技術
同社は顧客から預かった食品を高い品質を維持したまま保管している。これを可能にしているのが、独自の冷蔵冷凍技術と保管システムだ。同社は「自然対流冷却方式」という冷却方式を大手で唯一採用している。これは天井を冷やし、自然対流を起こすことで倉庫全体を冷やす方式のことで、食品の一部分に冷風が当たることで発生する冷却ムラや冷凍焼けを防止している。さらに湿度や温度の変化を一定に保つことができるため品質保持に最適で、水産品の保管において効果を発揮している。
また、同社社員が庫内オペレーションを行っている点も特長である。豊富な商品知識と冷凍ノウハウ・技術力を備えた自社社員が直接荷物管理を行うことで、顧客からの信頼を得ている。高品質を担保する貨物の取り扱い方法や配置などのノウハウは次世代の社員へと代々伝承している。2020年には、横浜みらいHRD(Human Resource Development)と横浜みらいサテライトという2つの人材育成施設が完成した。社員へのノウハウのさらなる伝承と社員オペレーションの高度化を目指す。
そのほか、低温式陽圧プラットフォーム、セミ超低温冷凍庫、多彩な温度帯のチルド庫、急速凍結庫をはじめとする高度な冷蔵冷凍技術を有しており、冷蔵、冷凍、低温、常温の4温度帯に対応することを可能にしている。また、庫内での迅速・正確な作業を可能にする電動式移動ラック(カーゴナビゲーションシステムと連動)、到着時間の事前予約が行えるトラック予約受付システムなどの保管システムも備え、倉庫内作業の効率化も実現している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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1. 会社概要
横浜冷凍<2874>は戦後間もない1948年に、横浜の地で創業した。「会社は社会の公器であり、利益は奉仕の尺度である」という経営理念に基づき、75年にわたって安全・安心な食品の安定供給に貢献してきた。創業以来、「冷蔵倉庫事業」と「食品販売事業」の2つを柱に事業を展開しており、横浜から始まった事業は日本全国、世界へと広がっている。冷蔵倉庫事業では国内に50拠点、タイに5拠点の冷蔵倉庫を構えている(2023年12月末時点)。冷蔵倉庫内の温度管理においては「熱」「水」「空気」「振動」「圧力」などの多岐にわたる要素を考慮し、それに対処していく必要がある。同社は75年にわたって冷蔵倉庫を運営するなかで様々な試行錯誤を行い、非常に繊細な温度管理技術とノウハウを獲得してきた。この冷蔵冷凍技術を武器に顧客の様々なニーズに対応している。食品販売事業においても事業活動はグローバルに展開されており、東南アジア、南米、北欧など世界各地から高品質の食品を直接調達し、国内外に販売している。また、国内においては主要漁港に事業所を展開、買参権を有し、自社にて凍結生産を行っており、早くから事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献することにも注力してきた。2030年に向けたグループの長期的方向性である「ヨコレイサステナビリティビジョン2030」の下でSDGsへの対応を加速していく構えだ。
また、創業75周年を迎えた同社は、次の100年へ向かって新たなスタートを切るためにコーポレートロゴを2024年1月にリニューアルした。従来のロゴをベースとし、ソリッドで力強い形でありながらも、エッジには丸みを持たせ、強さの中にある優しさや食品への気配り・安定を表現したほか、同社の進化と挑戦をイメージさせる色として、従来よりも濃い赤色をコーポレートカラーとして採用した。
2. 事業内容
「人」「もの」「地球」にやさしい食品流通のエキスパートとして同社は、冷蔵倉庫事業と食品販売事業を主たる業務とし、国内外への安全・安心な食品の安定供給に貢献している。多種多様な低温物流ニーズに高いレベルで応える冷蔵倉庫事業では、保管のみならず通関・配送など多岐にわたる物流プロセスにおいて、高品質なサービスの提供を行っている。食品販売事業においては、国内外の商品ニーズに的確に対応できるネットワークを生かした調達力を強みとしている。
(1) 冷蔵倉庫事業
同社は港湾、高速インター付近、産地、消費地など、食品供給の要所に冷蔵倉庫を保有している。そして、高度な冷蔵技術とノウハウを駆使し、農産物、水産物、畜産物などの原料や冷凍食品など、多様な食品を最適な温度とオペレーションで保管している。冷蔵冷凍倉庫の総収容能力は107万トンと100万トンを超えている(国内50拠点、海外5拠点。2023年9月期末実績)。収容能力は業界トップクラスであり、同社によると冷蔵倉庫専業としてはトップの収容能力があると言う。冷蔵倉庫に顧客が求める要件は多岐にわたるが、主に「商品の品質を損なわず、長期にわたり維持できる設備」「多種・多量の商品を保管できる収容能力」「顧客ニーズに合わせた最適な物流サービス」の3つを挙げることができる。こうしたニーズに応えながら、物流の要所に多くの冷蔵倉庫を保有することによって、収容能力を高めている。同社は新・中期経営計画の下で収容能力のさらなる拡大に取り組んでおり、新たに拠点を設置するため、2023年9月期末時点において、恵庭スマート物流センター(北海道)、夢洲第二物流センター(大阪)、箱崎物流センター(福岡)、ベンルック物流センター(ベトナム)、十勝第四物流センター(北海道)、岡山物流センター(岡山)を建設中である。今後も収容能力を順次拡大していく。
a) 商品の品質を損なわず、長期にわたり維持できる設備と技術
同社は顧客から預かった食品を高い品質を維持したまま保管している。これを可能にしているのが、独自の冷蔵冷凍技術と保管システムだ。同社は「自然対流冷却方式」という冷却方式を大手で唯一採用している。これは天井を冷やし、自然対流を起こすことで倉庫全体を冷やす方式のことで、食品の一部分に冷風が当たることで発生する冷却ムラや冷凍焼けを防止している。さらに湿度や温度の変化を一定に保つことができるため品質保持に最適で、水産品の保管において効果を発揮している。
また、同社社員が庫内オペレーションを行っている点も特長である。豊富な商品知識と冷凍ノウハウ・技術力を備えた自社社員が直接荷物管理を行うことで、顧客からの信頼を得ている。高品質を担保する貨物の取り扱い方法や配置などのノウハウは次世代の社員へと代々伝承している。2020年には、横浜みらいHRD(Human Resource Development)と横浜みらいサテライトという2つの人材育成施設が完成した。社員へのノウハウのさらなる伝承と社員オペレーションの高度化を目指す。
そのほか、低温式陽圧プラットフォーム、セミ超低温冷凍庫、多彩な温度帯のチルド庫、急速凍結庫をはじめとする高度な冷蔵冷凍技術を有しており、冷蔵、冷凍、低温、常温の4温度帯に対応することを可能にしている。また、庫内での迅速・正確な作業を可能にする電動式移動ラック(カーゴナビゲーションシステムと連動)、到着時間の事前予約が行えるトラック予約受付システムなどの保管システムも備え、倉庫内作業の効率化も実現している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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