AIを活用した自動販売機のオペレーション最適化サービスを2024年10月から導入開始 「自動販売機のオペレーション業務効率化」と「設置先に応じた商品ラインアップの最適化」を実現

～自動販売機ビジネスのDXにより人手不足や廃棄ロス削減の解決に貢献～

　キリンビバレッジ株式会社（社長　吉村透留）は、当社グループ会社が管理する自動販売機に、ソフトバンク株式会社（代表取締役 社長執行役員 兼 CEO　宮川潤一、以下　ソフトバンク）が開発したAIを活用した自動販売機のオペレーション最適化サービス「Vendy（ベンディ）」を2024年10月より順次導入します。 　本サービスは、「自動販売機のオペレーション業務効率化」と「設置先に応じた商品ラインアップの最適化」を実現し、自動販売機業界の課題解決を図るもので、2025年9月までに、全国で約8万台の自動販売機に導入する予定です。


1．背景
　当社では、これまでもオンラインシステムを使用し、自動販売機の販売状況を遠隔から把握していましたが、自動販売機設置先ごとの商品ラインアップや補充数、巡回ルートなどの計画は、担当者が設置先のニーズや気温変化などを考慮し、経験に基づいて行っていました。これらの属人的な業務プロセスにより、担当者の経験によって判断にばらつきが生じ、設置先ごとの商品ラインアップのミスマッチのほか、品切れや廃棄ロスの発生、巡回ルートの効率化が課題となっていました。これらの課題を解決することができれば、売り上げ機会の損失低減および廃棄ロス削減だけでなく、労働時間短縮による人手不足の解消も期待できます。

２．「Vendy」の共同実証について
　当社では、自動販売機オペレーション業務の課題解決に向けて本サービスを導入するのにあたり、AIやビッグデータなどの最先端テクノロジーに知見が深いソフトバンクとともに、共同実証を行いました。共同実証に向けて、実現場で働く当社グループ会社の担当者へ、実際のオペレーションを踏まえて必要な機能のヒアリングをし、当社グループ会社が管理する自動販売機のオペレーション現場を実証場所として提供しました。本実証により、実現場での有効性やあらゆるオペレーションに対応する汎用性を確認するとともに、本サービスの機能向上や改善、自動販売機の新たなオペレーションモデルの構築に貢献しました。

3．「Vendy」の仕組みと導入効果について
　当社では「Vendy」に、当社のオンラインシステムで収集した自動販売機の販売データや巡回に伴うコスト情報などの各種データを学習させます。「Vendy」は、これらのデータをAIで分析し、売れ行きの良い商品アイテムを選定して、最適な商品ラインアップを提案します。また、効率的な訪問タイミングや巡回ルート、補充本数まで自動販売機オペレーションに関わる一連の計画を自動生成します。生成された計画は、パソコンの画面やスマートフォンの専用アプリで確認することができます。
　当社は、事前に実施した共同実証の結果を踏まえ、「Vendy」導入により、自動販売機オペレーションに関わる業務時間の約1割の削減と約5％の売上増を見込んでいます。また、売れ行きの良い商品アイテムの提案だけでなく、商品ブランド育成の観点も考慮した上での最適な商品ラインアップの提案が可能となっており、お客様ニーズの充足と商品ブランドの育成を両立させることが出来ます。「Vendy」導入により創出された時間は、自動販売機の新規設置先の開拓に充てることが出来、また、属人的な業務プロセス改善により、人材配置の柔軟性を高め、従業員の育成を促進することが可能となります。

4．今後について
　「Vendy」は、自動販売機業界における人手不足や廃棄ロスの課題解決にも貢献するため、当社グループ会社だけでなく、自動販売機オペレーション業務を行う企業においても有益なシステムであると考えています。当社は、業界に先駆けて「Vendy」の導入を決定することで、ソフトバンクとともに自動販売機オペレーションの業務効率化やサービス向上に取り組み、持続可能な自動販売機オペレーションの実現を目指していきます。

＜「Vendy」導入前後の業務のフロー＞


　キリングループは長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027（KV2027）」において、イノベーションを実現する組織能力の一つとして「価値創造を加速するICT」を掲げ、DXによる新たな価値創造に継続して挑戦しています。