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ジェイテックのニュース
■中期経営計画
1. 前提条件
ジェイテック<2479>は、2022年3月期から2024年3月期までを対象とした3カ年の中期経営計画を策定している。基本目標を「ONE TEAM ~いまこそ、1つに~」として、1)持続的な成長に向けた収益基盤の強化、2)財務基盤のより一層の強化と安定した株主還元、3)投資の拡大による成長の促進と多角的な収益源の獲得の3つを方針として掲げている。これら3つの方針の下、具体的な戦略の実行を通じて、技術職知財リース事業の事業基盤をより強固なものとし、企業価値の向上と株主価値の向上を実現することを目指している。
また、これに連動して同社は中期経営計画の前提条件となる情報として、1)同社単体の派遣単価、2)同社単体のテクノロジスト数(技術職知財リース事業)、3)ジェイテックアドバンストテクノロジ単体のテクノロジスト数(一般派遣及びエンジニア派遣事業)、4)稼働率(月平均)、5)稼働時間を開示している。まず、足元でも継続しているコロナ禍のような予測不可能な事態の発生や取引先側の要因などに左右される面が強い稼働率及び稼働時間については、精緻な予想が困難なため、概ね妥当だと推量される暫定数値が採用されている。
そのうえで、2022年度から2023年度の売上高増加の要因としては主に「前年度非稼働及び増員テクノロジスト稼働」と「請負・受託案件等の増加」の2点が想定されており、前者は約7億円、後者は約3億円の積み上げとなると会社側は想定している。さらに、2023年度から2024年度の売上高の増加については「増員テクノロジスト稼働」がメインファクターであり、約5億円の寄与を見込む。なお、派遣単価の伸び率が非常に緩やかなものになっているが、これは特段同社人材の優位性や取引先との力関係におけるネガティブな何かを示唆するというわけでは一切ない。あくまで「2024年4月よりテクノロジスト700名体制を確立する」という中期目標の達成に向けて、新卒及び経験の浅い技術者がハイペースで増加してくることを勘案し、正しく控え目な伸び率を想定していることによる。
2. 成長戦略
前提条件を把握したうえで、中期経営計画の数値を具体的に見ていく。最終年度となる2024年3月期の業績計画は、売上高が4,380百万円、営業利益が188百万円、経常利益が169百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が99百万円となっている。2021年3月期実績ベースでは売上高が58%増、親会社株主に帰属する当期純利益は148%増となる見込み。
テクノロジストの増員及び人材レベルの一段の向上に係る各種投資(オフィス増床、教育体制の改善、カリキュラムの改善・刷新等)を2022年3月期まで続ける計画であるため、利益面では苦戦しているように映る。しかし、2023年3月期以降はそういった設備投資フェーズから投資回収フェーズに移行していくため、業績が引き上がっていくことになる。なお、新規採用したテクロノジストの稼働開始の遅れ等が影響し、2021年10月29日付で2022年3月期予想を下方修正しているものの、2022年3月までに想定水準の稼働に戻る見込みのため、中期経営計画目標値も据え置かれている。
基本的にテクノロジストの採用の成否が重要なファクターとなるため、人材採用まわりの状況を改めて俯瞰すると、コロナ禍で一時的に各社保守的な動きとなったことで、同社にとっては追い風となった。一方で、足元では再び採用を活発化させる企業が増加していることもあり、獲得競争が厳しくなっているのが現状だ。ただ、同社は技術ファーストの理念を貫徹する企業ということもあり、人手不足や獲得競争が激化するなかにあっても、高い採用基準を緩めず、時代に左右されることなく、高付加価値のサービス品質を提供することを信条としている。
同社では、人材採用の方式をさらに広げることで、こうした状況に対応していく方針としている。従来よりも学生とリアルに対面できるような人材採用サービスの活用や、社員の紹介を糸口としたリファラル採用等に力を入れていく。加えて、技術職の地位向上と業界最高収入を実現するという理念の具体化を図っていくためにも、賃金体系の改革も検討しているようであり、弊社では、今後さらにテクノロジストがやりがいを持って働くことができる基盤を整えていくものと期待している。
なお、会社側の派遣単価の想定伸び率は緩やかだが、同業他社を含め足元で把握できる限り、派遣単価の伸びは各社順調な印象が強い。そういった意味では、従前よりも効率的な教育体制が築かれ、テクノロジストの採用も問題なく進むか否かが中期経営計画の達成のカギを握ることになるため、今後の動向を注視したいと弊社では考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<ST>
1. 前提条件
ジェイテック<2479>は、2022年3月期から2024年3月期までを対象とした3カ年の中期経営計画を策定している。基本目標を「ONE TEAM ~いまこそ、1つに~」として、1)持続的な成長に向けた収益基盤の強化、2)財務基盤のより一層の強化と安定した株主還元、3)投資の拡大による成長の促進と多角的な収益源の獲得の3つを方針として掲げている。これら3つの方針の下、具体的な戦略の実行を通じて、技術職知財リース事業の事業基盤をより強固なものとし、企業価値の向上と株主価値の向上を実現することを目指している。
また、これに連動して同社は中期経営計画の前提条件となる情報として、1)同社単体の派遣単価、2)同社単体のテクノロジスト数(技術職知財リース事業)、3)ジェイテックアドバンストテクノロジ単体のテクノロジスト数(一般派遣及びエンジニア派遣事業)、4)稼働率(月平均)、5)稼働時間を開示している。まず、足元でも継続しているコロナ禍のような予測不可能な事態の発生や取引先側の要因などに左右される面が強い稼働率及び稼働時間については、精緻な予想が困難なため、概ね妥当だと推量される暫定数値が採用されている。
そのうえで、2022年度から2023年度の売上高増加の要因としては主に「前年度非稼働及び増員テクノロジスト稼働」と「請負・受託案件等の増加」の2点が想定されており、前者は約7億円、後者は約3億円の積み上げとなると会社側は想定している。さらに、2023年度から2024年度の売上高の増加については「増員テクノロジスト稼働」がメインファクターであり、約5億円の寄与を見込む。なお、派遣単価の伸び率が非常に緩やかなものになっているが、これは特段同社人材の優位性や取引先との力関係におけるネガティブな何かを示唆するというわけでは一切ない。あくまで「2024年4月よりテクノロジスト700名体制を確立する」という中期目標の達成に向けて、新卒及び経験の浅い技術者がハイペースで増加してくることを勘案し、正しく控え目な伸び率を想定していることによる。
2. 成長戦略
前提条件を把握したうえで、中期経営計画の数値を具体的に見ていく。最終年度となる2024年3月期の業績計画は、売上高が4,380百万円、営業利益が188百万円、経常利益が169百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が99百万円となっている。2021年3月期実績ベースでは売上高が58%増、親会社株主に帰属する当期純利益は148%増となる見込み。
テクノロジストの増員及び人材レベルの一段の向上に係る各種投資(オフィス増床、教育体制の改善、カリキュラムの改善・刷新等)を2022年3月期まで続ける計画であるため、利益面では苦戦しているように映る。しかし、2023年3月期以降はそういった設備投資フェーズから投資回収フェーズに移行していくため、業績が引き上がっていくことになる。なお、新規採用したテクロノジストの稼働開始の遅れ等が影響し、2021年10月29日付で2022年3月期予想を下方修正しているものの、2022年3月までに想定水準の稼働に戻る見込みのため、中期経営計画目標値も据え置かれている。
基本的にテクノロジストの採用の成否が重要なファクターとなるため、人材採用まわりの状況を改めて俯瞰すると、コロナ禍で一時的に各社保守的な動きとなったことで、同社にとっては追い風となった。一方で、足元では再び採用を活発化させる企業が増加していることもあり、獲得競争が厳しくなっているのが現状だ。ただ、同社は技術ファーストの理念を貫徹する企業ということもあり、人手不足や獲得競争が激化するなかにあっても、高い採用基準を緩めず、時代に左右されることなく、高付加価値のサービス品質を提供することを信条としている。
同社では、人材採用の方式をさらに広げることで、こうした状況に対応していく方針としている。従来よりも学生とリアルに対面できるような人材採用サービスの活用や、社員の紹介を糸口としたリファラル採用等に力を入れていく。加えて、技術職の地位向上と業界最高収入を実現するという理念の具体化を図っていくためにも、賃金体系の改革も検討しているようであり、弊社では、今後さらにテクノロジストがやりがいを持って働くことができる基盤を整えていくものと期待している。
なお、会社側の派遣単価の想定伸び率は緩やかだが、同業他社を含め足元で把握できる限り、派遣単価の伸びは各社順調な印象が強い。そういった意味では、従前よりも効率的な教育体制が築かれ、テクノロジストの採用も問題なく進むか否かが中期経営計画の達成のカギを握ることになるため、今後の動向を注視したいと弊社では考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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