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シミックホールディングスのニュース

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シミックホールディングス、上期営業利益は前期比29.9%増 DBJと資本業務提携へ

投稿:2018/05/10 08:59

事業セグメントとグループ各社

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望月渉氏:おはようございます。それでは私より、決算の概要についてご説明いたします。

まず、2018年3月末現在において、各事業セグメントの業務内容とそれに対応するグループ会社は、この表のとおりとなっています。持株会社でありますシミックホールディングスと、連結子会社が23社、うち海外の連結子会社が13社ございます。そして持分法適用関連会社が2社で、合計26社でシミックグループを構成しています。

当期の主な取組み

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当上期の主な取組みでございます。当社グループは、変革期にある医療・医薬品産業において、持続的な成長を実現するための取組みとして、「Project Phoenix」を進めています。

2016年下期の4月から2018年上期の3月までのこの期間、「Project Phoenix 2.0」を推進していき、アジャイル経営システムの構築、それから当社グループの強みでありますPVC(Pharmaceutical Value Creator)ソリューションの受託強化とともに、グループで保有するすべてのバリューチェーンと製造販売業等の許認可を組み合わせた、IPM(Innovative Pharma Model)ソリューションの提供を開始しています。

また、4月にはグループ経営組織を4つのユニットに再編し、新たなマネジメント体制のもと、グローバル化を推進するとともに、「Project Phoenix 3.0」をスタートし、Healthcare Revolutionへの取組みに挑戦してまいります。

CRO事業におきましては、医療データベースを活用したPMS(製造販売後調査)や臨床研究支援の強化を図るとともに、核酸医薬品の分析サービスの強化、ヒトiPS細胞由来血小板製剤の実用化を目指す技術コンソーシアムへの参画など、先端領域への取り組みを進めています。

CDMO事業におきましては、更なる成長に向けて(2018年)3月に日本政策投資銀行さまと資本業務提携契約を締結するとともに、10月の本格稼動に向けまして、高薬理活性製剤に対応した足利工場の新注射剤棟の立ち上げに注力しています。

CSO事業におきましては、PVCモデルを活用した大型新規案件を獲得しております。

ヘルスケア事業におきましては、AI音声認識技術を活用した治験支援システムをNECさまと共同開発するなど、SMO(治験施設支援機関)業務の効率化を促進しています。

IPM事業におきましては、オーファンパシフィックにおいて高血圧治療薬「ラジレス®錠150mg」の販売を開始いたしました。

先端領域(バイオ・再生医療等)の強化

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先端医療への取組みにつきましては、開発に関わるコンサルティング、シミックファーマサイエンスや米国CMIC,Inc.での実験・分析ラボサービス、足利工場の新棟での抗がん剤を始めとする高薬理活性製剤の生産など、各事業領域で取組みを行っています。

連結損益計算書(要約)

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続きまして、損益の概要でございます。

当上期の売上高は336億4,000万円と、前年同期に比べまして18億9,700万円、6パーセントの成長となっています。

営業利益は24億7,100万円と、前年同期に比べまして5億6,900万円、29.9パーセントの増加となっています。

経常利益は22億2,500万円と、前年同期に比べまして3億3,700万円、17.9パーセントの増加となっています。

親会社に帰属する四半期純利益は、CDMO事業の連結納税離脱の影響によって法人税合計額が増加したことから、前年同期を4,400万円下回り、4億8,900万円となっています。

営業外損益・特別損益・税金の内訳

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次に、営業外損益・特別損益・税金の内訳でございます。

当上期は、営業外収益では受取利息等を3,900万円計上する一方、営業外費用として為替差損・支払利息・持分法投資損失等を2億8,500万円計上しています。特別利益の計上はなく、特別損失としてCDMO事業にかかる人事制度移行損失2億5,200万円に、固定資産の除却損等を含め、2億8,700万円を計上しています。

また、(2018年)6月に、先ほど申しました当社完全子会社のシミックCMOが合弁会社となるため、当社の連結納税グループから離脱することから、これに伴う繰延税金資産の取り崩しの影響等により、法人税等調整額が増加し、法人税等合計として14億5,000万円を計上しております。

セグメント別売上高および営業利益

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次に、セグメント別の売上高および営業利益でございます。

当上期はCDMO事業・CSO事業・ヘルスケア事業は前年同期に対し減益となっていますが、CRO事業の増益により、全体業績をカバーしております。

受注高・受注残高

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続きまして、受注高・受注残高でございます。

CRO事業の受注につきましては、引き続き堅調に推移しています。

CSO事業につきましても、足元は厳しい状況が続きましたが、現在は回復基調にあります。

一方で、ヘルスケア事業については、やや受注が厳しい状態にあるということでございます。

なお、CDMO事業につきましては、顧客からは年間ベースの発注計画等の提示を受けておりますが、確定注文分のみをこの受注高・受注残高に計上しているということでございます。

連結売上高および営業利益の推移

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続きまして、連結売上高および営業利益の3期間(2016年上期~2018年上期)の推移でございます。

当上期につきましても、増収となっています。営業利益についても増益となり、営業利益率は7.3パーセントとなっています。

医薬品開発支援( CRO )事業

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セグメント別で見てまいります。まずは、CRO(医薬品開発支援)事業でございます。

当上期は、臨床業務におきましては、堅調な引合いに応じた人材の確保に努めるとともに、本年(2018年)10月に連結子会社であるシミックとシミックPMSの経営統合する方針を決定し、データベースを活用した製造販売後調査(PMS)および臨床研究支援業務の強化、臨床試験からPMS(市販後)まで一貫して対応可能な体制整備を進めています。

非臨床業務におきましては、日米でのシームレスな医薬品開発ニーズに対応するため、シミックファーマサイエンスおよび米国CMIC,Inc.の連携を強化して、核酸医薬や再生医療など、次世代医薬品の創薬支援に取り組んでいます。

売上高および営業利益につきましては、新規受注および既存案件が堅調に進捗したことなどにより、前年同期を上回りました。当上期の売上高は185億5,300万円、営業利益は39億2,900万円、営業利益率は21.2パーセントとなっています。

医薬品製剤開発・製造支援( CDMO )事業

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続きまして、CDMO(医薬品製剤開発・製造支援)事業でございます。

当上期は、製剤化検討から治験薬製造、商用生産まで、医薬品製造に関わる総合的なサービスの強化に取り組んでおり、とくに今年(2018年)10月の本格稼動に向けて、高薬理活性製剤に対応した足利工場の新注射剤棟の立ち上げに注力をしています。

また、3月には日本政策投資銀行(DBJ)さまとCDMO事業に関する資本業務提携契約を締結し、既存事業を基盤とする成長に加えまして、DBJさまの資金・人材・国内外企業とのネットワーク等を活用することにより、より幅広い戦略を推進して事業拡大を図ってまいります。

売上高につきましては、新規受託案件の受託生産が進捗したことにより前年同期を上回りましたが、米国CMIC CMO USA(CCU)における既存案件の生産量の一時的な減少および足利工場の新注射剤棟の商用生産開始に向けた立ち上げ費用の発生等により、営業損失を計上しています。

CDMO事業の売上高は67億8,600万円、営業損失として5億2,500万円の計上となっています。

医薬品営業支援( CSO )事業

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続きまして、CSO(医薬品営業支援)事業です。

当上期は、シミック・アッシュフィールドにおいて、MR派遣業務の受注力強化と既存案件の着実な進行に取り組んでいます。また、MR派遣に加えまして、メディカルサイエンスリエゾン(エビデンス構築や高度な医学・科学情報提供を行う職種)やリモートチャネル等を組み合わせた、総合的なコマーシャルソリューションの提供を図っています。

売上高につきましては、新規に受託した大型案件が堅調に進捗したことにより、前年同期を上回っていますが、営業利益につきましては、大型案件の受注に伴う先行的な採用費用の発生等により、前年同期を下回りました。

CSO事業の売上高は34億8,600万円、営業利益は1億5,300万円、営業利益率は4.4パーセントとなっています。

ヘルスケア事業

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続きまして、ヘルスケア事業です。

当上期は、サイトサポート・インスティテュートにおいて、新規受注の獲得とメディカルコンシェルジュサービス等の新サービスの拡充に取り組んでいます。また、NECさまと共同で、AI音声認識技術を活用した治験支援システムを開発するなど、SMO業務の効率化と品質向上を推進しています。

売上高および営業利益につきまして、SMO業務は前年同期には大型プロジェクトの売上が寄与して好調でしたが、当上期は同様のプロジェクトがなかったことから、前年同期を下回っています。

ヘルスケア事業の売上高は36億700万円、営業利益は4億6,500万円、営業利益率は12.9パーセントとなっています。

Innovative Pharma Model( IPM )事業

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次に、IPM(Innovative Pharma Model)事業でございます。

当事業は、当社グループが保有する製造販売業等の許認可(知的財産)と、バリューチェーンを組み合わせた新たなビジネスソリューションを、製薬企業さまへ提供する事業であります。

主に、オーファンドラッグや長期収載品の開発および販売に関わる業務を行っています。オーファンドラッグ事業においては、オーファンパシフィックが、自社開発品を含むオーファンドラッグ等の販売をしています。

また、IPMプラットフォーム提供を通じた海外製薬企業の日本市場進出支援などに取り組むとともに、(2018年)3月からノバルティスファーマより承継した高血圧治療薬「ラジレス®錠150mg」の販売を開始するなど、IPM事業の基盤強化に取り組んでいます。

診断薬事業におきましては、当社グループが腎疾患の診断を目的として開発した腎疾患バイオマーカー「L-FABP」の販路拡大およびプロモーションの強化を引き続き進めています。

売上高および営業利益につきましては、オーファンドラッグ等の販売増加等により、前年同期を上回り、営業損失は減少しています。営業黒字化に向けて、引き続き新しいビジネスソリューション提供による事業規模拡大に取り組んでいます。

IPM事業の売上高は14億2,000万円と増加し、営業損失は1億1,100万円と減少しています。

IPMソリューションを提供することにより、IPM事業だけではなく、CRO事業をはじめとする他の事業における受託につながっているという効果もございます。IPMセグメントの利益には現れていませんが、そうした効果も出ているということを、ご理解いただければと思います。

連結貸借対照表(資産の部)

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続きまして、バランスシートでございます。

当上期末の総資産は、CDMO事業に対する設備投資等による固定資産の増加などによりまして、前年同期に比べて37億6,900万円増加し、693億7,500万円となっております。

なお、当上期の設備投資は30億1,900万円、減価償却費は15億1,100万円、のれん償却額は1億7,700万円となっています。

連結貸借対照表(負債の部・純資産の部)

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負債につきましては、短期借入金の増加等により、29億8,400万円増加して449億8,200万円、純資産は有価証券評価差額金の増加等によりまして、7億8,400万円増加して243億9,300万円となりました。

キャッシュ・フロー

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次に、キャッシュ・フローでございます。

当上期の営業活動によるキャッシュ・フローは、主に四半期純利益及び減価償却費に対して、法人税の支払い等のネットで、19億8,600万円の収入となっています。

投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産の取得により、42億6,600万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に短期借入金の増加により、28億5,300万円の収入となりました。

以上の結果、2018年3月末の現金及び現金同等物の期末残高は、54億8,100万円となっております。

2018年9月期 通期見通し

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最後に、通期の見通しでございます。

2018年9月期の通期見通しは、期初からの変更はございません。売上高は705億円、営業利益は43億円、経常利益は39億3,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は17億円、1株当たりの当期純利益は90円89銭という見通しでございます。

決算の概要については、以上でございます。

CDMO事業 日本政策投資銀行(DBJ)と資本業務提携

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中村和男氏(以下、中村):中村でございます。今期の取り組みにつきまして、ご報告申し上げます。

まず、CDMO事業です。CDMO事業は、私どものPVCというビジネスモデルの中では、大変重要な位置を占めております。

そうした中で、このたび、日本政策投資銀行さまと資本業務提携をいたしました。目的は、設備投資資金の確保、それから、DBJの持つ人材・国内外企業のネットワーク等の活用です。この合弁事業を(2018年)6月よりスタートいたします。

事業責任者の松川をご紹介いたします。よろしくお願いします。

CDMO事業の成長ステージ

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松川誠氏:松川でございます。(2018年)6月以降、DBJとの合弁事業であるCDMOの事業にフォーカスしてまいります。

今後の戦略的な方向性について、少しご説明申し上げます。

まずは、既存の事業を粛々と基盤強化し、中期的には、オーガニックの成長を徹底的に強化します。

我々の強みはいくつかありますが、とくに3つございます。

1つは、我々は製剤開発を着実に実施できることです。それに加えて、前臨床を含むCRO事業を持っています。これは、川上のプロセスを取り込むことができるということです。

医薬品の開発において、製薬会社さまは、川上のプロセスをアウトソースできる、ソリューションプロバイダーを求めている傾向があります。

この事業は、間違いなく伸びていきます。今までの実戦経験があること、我々の強みはそこにあります。製剤開発ができて、前臨床の支援機能を持っています。すなわち、PVCビジネスモデルを活用してアーリーステージのサポートができるので、ここを徹底的に強化していきたいと思っています。

例で言いますと、治験薬のデザインをして、製造、治験、そして商用生産まで一気通貫で支援しますと、非常にプロフィッタブルなビジネスが描けるので、そういう部分を強化していきたいと考えております。

2つ目に、我々は特殊製剤の製造能力があります。足利工場での高薬理の注射剤の製造にはマーケットがあります。世界の市場から見ても市場性が高いので、この技術をしっかりと磨いて、確実に事業をしていきたいと考えています。

富山工場には高アルコール製剤の設備投資をしており、ここについても、強化していきたいと考えています。

そういった特殊製剤の能力は、非常に我々にとっては強みなので、これを磨いていいきます。

3つ目に、我々はUSに生産基盤を持っています。日本のCDMOは、USに生産基盤を持っているところはほぼありません。アメリカの市場は伸びていますので、設備投資をして事業成長を図っていきたいと思っています。

当然ながら、そういった強みを磨くだけではなく、我々の事業においては品質は必須なので、必要な設備投資、あるいは人材を強化していきたいと思っています。中長期的には、オーガニックの成長をしっかりとして地盤を固めます。

将来は、グローバルに展開するCDMOということで、非連続的な成長を目指します。ここは、DBJさんともよく相談し、マーケットの動きといったものも見ながら、我々の強みをしっかりと活かせて、さらなる事業基盤の成長が図れることがあれば、積極的な大型設備投資やアクイジションも含めて、視野を広げて事業基盤を広げていきたいと思っております。

簡単ではございますが、ポイントについて説明をさせていただきました。今後、ぜひよろしくお願いします。

Project Phoenix 2.0(2016年4月-2018年3月)

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中村:それでは、(2018年)3月に終了した、「Project Phoenix 2.0」の結果についてご説明申し上げます。「Project Phoenix 2.0」は、2016年の4月から今年の3月まで、2年間取り組んでまいりました。

最初に、アジャイル経営に向けた組織再編、人財教育についてです。環境変化の激しい中で、俊敏に対応できるアジャイル経営システムを確立いたしました。

それから、PVC機能を活用したソリューションの提供、そして、製薬企業のための製薬企業、Innovative Pharma Modelのプラットフォーム提供です。

アジャイル経営に向けた組織再編

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アジャイル経営に向けた組織再編としまして、CEO・COO体制を確立しました。このアジャイル経営では、私(CEO中村氏)が経営戦略の責任を担いまして、COOがグループの業務執行の責任を担う体制で進めております。

PVC機能を活用したソリューションビジネス

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PVC機能を活用したソリューションビジネスとしては、まず「ジャパンビジネスソリューション」という、日本に基盤がない製薬・バイオベンチャーの日本市場参入支援があります。

また、「異業種参入ビジネスソリューション」は、異業種からヘルスケア産業に入りたい、またはそういう計画をしている企業がございますので、その新規参入を支援しております。

「アカデミアソリューション」は、ご承知のように、海外ではアカデミアが3分の1の新薬を創出しておりますので、日本のアカデミアを支えるということで、アカデミア発の革新的医薬品の創出支援をしております。

「事業モデル転換ソリューション」は、製薬企業で事業モデルを転換している企業、例えば、オンコロジーに集中する、OTCを売却する、長期収載品を売却する、その他さまざまなヘルスケアビジネスに参入するといった企業に対して支援をしております。

「ワンストップソリューション」では、製薬企業のすべてのバリューチェーンを支援する体制を活かし、全体のプログラムをマネジメントして生産性を上げるビジネスソリューションを提供しております。

最近では、「ジャパンビジネスソリューション」「異業種参入ビジネスソリューション」の引き合いが増加しております。

IPMのプラットフォーム事業拡大

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IPMのプラットフォーム事業拡大は、この3月(2018年)から直接的レニン阻害剤「ラジレス®錠150mg」の販売を開始いたしました。この製品につきましては、大手のグローバル製薬企業が日本に拠点のない海外の製薬企業に品目を移管したことにより、日本での販売の担い手がいなくなったため、「ジャパンビジネスソリューション」と「イノベーティブファーマモデル」を組み合わせまして、私どもが販売開始したわけであります。

それから、従来からやっております、私どもの知財である腎疾患のバイオマーカー「L-FABP」の販路拡大・プロモーション強化です。

「L-FABP」につきましては、糖尿病から糖尿病腎症にいたる予後マーカーですが、まだグローバルな大規模試験の結果が出てないため、バイオマーカーとしてはまだ取り入れられておりません。その試験結果を私どもは待っている状態であり、予後的なバイオマーカーとしての位置の確立を図っております。

オーファンドラッグは、販売が増加しており、2018年で34億円の売上高を予想しております。

Project Phoenix 3.0

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次に、「Project Phoenix 3.0」です。この(2018年)4月から始動しております。なぜこれを考えているのか。これは、私どもは「Healthcare Revolution」と言っておりますけども、今まさにヘルスケアの分野では、レボリューションが起こりつつあります。

シミックが目指すもの(2005年の資料より)

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私どもは2005年、今から13年前にビジネスモデルを提案いたしました。

私どもは最初に、日本でCROを作りました。それが、1992年でございます。「開発業務が上手にこなせる集団」としてスタートいたしました。その後2005年に薬事法が改正され、製造承認から製造販売承認に移行することを契機に、CMO事業を開始いたしました。

ここで、CRO、CMO、CSOのバリューチェーンが揃ったわけであります。そのときに、今のビジネスモデルであります「Pharmaceutical Value Creator」すべてのバリューチェーンをサポートして、製薬企業の価値最大化に貢献するモデルを開始したわけですけども、そのときすでに、将来的には「Healthcare Value Creator」、新しい時代の医療がどうあるべきかを考えていました。

今ではソーシャルインパクトとも言っておりますけども、ソーシャルインパクトと、個人のヘルスケアがどうあるべきかという中で、「Healthcare Revolution」が起こるだろう。そのときには、「Healthcare Revolution」の中でのCRO、または製薬企業という捉え方をいたしまして、今回いよいよ「Healthcare Revolution」に対して手を打ったわけであります。

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じゃあ、なぜ「Healthcare Revolution」なのかと言いますと、長寿大国日本。これは、私が勝手に言っている「長寿大国『日本』のパラドクス」が、これでございます。

日本の平均余命:底辺から頂点へ

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日本の平均余命はすばらしいことに、1960年前後ではこのようなかたちで、先進国に比べて、平均よりはたいへん低いものでありました。1960年前後では、平均余命が75、6歳。

そして(今では)これが世界の中で(それぞれの国で伸長して)平均余命を伸ばしていますけれども(その中でも)日本はこれを群を抜いて、平均余命を伸ばしまして、今や世界のトップクラスになったわけです。このことが、実は幸せであると同時に、巨額の財政赤字を生んでいます。

ご存じのように、今の健康保険制度(のもと)を決めたのがこの1960年前後となりますと、当然その中の計算・予測値が、だいぶ狂っているわけであります。

2000年時点のG7各国における2050年平均余命予想

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そして、さらに2000年時点でのG7各国における2050年平均余命の予測を見てみます。この薄いグリーン(各国の下段のグラフ)が政府予測でございます。専門誌の『Nature』(上段のグラフ)によりますと、日本は2050年に90歳を超えていくと。今では「100歳時代」と言っていますけれども、こういう予測数字が出ているわけです。

今でこそ財政赤字が大きな問題となっていますので、この社会システムの中での医療が、または介護が崩れることが予測されるわけであります。これが私の申しています長寿パラドクスの原点でございます。

平均寿命と健康寿命の差の拡大

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そして、さらに平均寿命と健康寿命の差について、ご説明します。

健康寿命において「不健康な期間」とは何かと言うと、他人のサポートを得ないとなかなか生活ができないということを、不健康と言っていますけれども、その健康寿命と(平均)寿命の差が、約10年ございます。これが、平均寿命がさらに伸びて、90歳代の時代になったとき、どうなるか? これは、社会的コストまたはいろんな問題のコストがかかってまいります。

ここに対して、どう対応するのか。当然この(平均寿命が延びた)結果として、製薬企業が大きなインパクトを受けます。従来ですと、薬が使用できたものが、「それは使わない方がいいよ」となったり、高額なオンコロジーの製品が、「かなりの高齢で使われていいのか?」という問題も、でるかと思います。

国民医療費・対GDP比率の推移

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これは国民医療費・対GDP比率の推移でございますけれども、このようなかたちで年々増加しています。

持続可能なヘルスケアシステムの実現に向けて

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それでは、これに対して私どもは何を考えているか。「持続可能なヘルスケアシステムの実現に向けて」のスライドです。

「持続可能なヘルスケアシステムの実現に向けたサービス提供」。ここでは、もちろん個人のPersonal Health Valueに対しても、手を打たなければいけないと同時に、社会システムの中でヘルスケアがどうあるべきかも、検討が必要です。

そして、今はいろんな問題が出ていますので、その中でソリューションがどうあるべきか。そして、そのような中で製薬企業がどうあるべきか。または、医療機器がどうあるべきか、介護がどうあるべきか、こういう問題かと思っています。

(それに対して)私どもは、1つはPersonal Health Valueへの貢献ということと、ソーシャルで見たときに、ヘルスケアシステムが継続的に実現できるかどうかを視点におきまして、今はそのビジネスを開始しています。

ヘルスケア分野のプレイヤーが拡大

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実際に、ヘルスケア分野のプレイヤーが拡大しています。病気においても、「病気から予防に」という問題。それから、老人の問題につきましては、「老人の最後の幸せとは、いったい何か」という問題。とくに、日本は健康長寿ではありますけれども、その中の(人生の)満足度から言いますと、世界中の57位という、とんでもない数字も出ています。

最終的には、「Healthcare Value」が何であるかも、私どもがこれから煮詰めていって、その中で新サービスまたは(それに対する)ソリューションになるような答えを、出していきたいと思っています。

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地域包括ケアシステム(の構築)でございます。今は、地域のヘルスケアが、国から各地方自治体の中にいろいろ移されています。とくに最近の傾向ですと、例えば「健康長寿、日本一の県である」とか「健康長寿、ここが(日本で)一番である」ということで、各自治体のトップが宣言していることもございます。しかし、その宣言の内容を見ますと、具体性がなかったり、または財源的な問題を解決できなかったりということが、たいへん多く見られています。

2018年4月25日 C3 設立

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そこに対しまして、私どもは今回、大きな集団ではございませんけれども、医薬品のマーケティングや、医薬品のみならず他の事業のマーケティングソリューションをするコンサルティング会社である「3ROCK」と組みました。

地域医療構想または地域包括ケアなどの、地域ごとのグランドデザインを策定しようということで、私どもはこのC3(合弁会社のシースリー株式会社)という会社を作りまして、今は地域と連携をしつつあります。

今の段階ですと、私どもは地域に行きまして、例えば地域の知事や市町村長、またはその責任者と「いったい、この地域のヘルスケアをどう考えますか?」「何が問題ですか?」とお話しします。

また、私は医師会にも行きまして、「何が問題ですか?」と(お話ししました)。(そこで得られた声として)ある地区につきましては「透析が多すぎる」と。「透析に入る率が、他の自治体に比べて、たいへん高い」。そして、「そこにたいへんお金がかかっている、そこを減らしたいんだ」という、そういうご要望もございます。

それから、また一方では、「健診の受診率が上がらない」と。ここについても、たいへん困っているということもございます。これらのことに対しまして、私どもはまず、そこの方のお話を聞きながら、「何が問題か」とお互いに確認します。

そして、そこに対するビッグデータなどがあれば、私どもとその行政担当者、または関連の方々と改めて見まして、「(問題を解決するためには、具体的に)じゃあどうするんだ」と。そして、ゴール設定をいたしまして、その中でコンソーシアムを組んで、ソリューションを図るという活動を開始しました。

従来は、製薬会社から見ますと「ヘルステクノロジーアセスメント」という言葉がありますけれども。医薬品を市場に導入したときに、その経済効果や医療効果がどうかという、そういう判定がありました。

それよりむしろ大きな意味で、「社会システムの中で、そこに対してのヘルスケアを、どのようにして持続可能なものにできるか」に対して、私どもは、今参入したわけであります。

コンソーシアムの仕組み

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このコンソーシアムは、行政、ヘルスケア関連企業、それから医療従事者、場合によっては患者・市民グループ、大学病院・医療機関というかたちで、各地区の特徴もあります。

私どもはその中に入りまして、どういう問題があるかをパイロットケースとして相談している段階でございます。

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「Healthcare Revolution」としてこれから起こるであろうことは、ダーウィンも言っていましたように、時代の変化の中で、私どもが変化へ対応するということです。そのように考えてビジネスを進めてまいりました。

この延長上として「Healthcare Revolution」という概念の中で、製薬企業を見てみる、「Revolution」という中でCROを見てみる、CDMOを見てみる、または、我々の事業を見てみると同時に、社会の中でどうやったらいいか、というお手伝いができればというのが、私の願いでもございます。

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「CMIC’S CREED」。これは、「Project Phoenix1.0」の段階で私どもが宣誓した決意でございます。

あらためて私どもの決意を言わせていただきますと、「一度しかない人生を、年齢や性別、人種に関わらず、誰もがその人らしくまっとうしていくために、ヘルスケア分野に革新をもたらすことを、シミックグループの志とする」。

「まばゆい成長力を開花させる幼年でも、人生を成熟させていく老年でも、今この瞬間を生きようとする願いは、どれも等しく尊い。そのすべてをひとつたりとも見過ごすことなく、正面から受けとめていきたい」。

「そのために私たちは、いついかなるときもより良い未来を求める挑戦者でいたい。そして、自己を変革し、新たな視点を獲得することで、自らのゆるぎない情熱を価値に変えて、人や社会に提供し続けていく」。

この(2018年)4月から、私どもはCROからPVC……もちろんそこはコアにいたしますけれども、さらに上位概念の中の「Healthcare Revolution」の中で、ビジネスを開始していこうと決意しました。

以上、ご報告申し上げました。

配信元: ログミーファイナンス
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