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ドーンのニュース
*14:21JST ドーン Research Memo(1):2023年5月期は8年連続の増収増益を達成
■要約
ドーン<2303>は、地理情報システム(GIS)を活用したシステムの開発・販売を行う企業である。中央省庁や地方自治体、電力会社などでの採用実績が多く、信頼性の要求されるシステムに定評がある。GISエンジンソフトのライセンス販売や受託開発を長年にわたり事業の柱としてきたが、近年は防災や防犯関連のクラウドサービスで業績を伸ばしている。主力の「NET119緊急通報システム」が全国の消防で採用され、人口カバー率は71.9%(2023年5月末時点)とデファクトスタンダードとなっている。次期の主力商品として、消防向けの映像通報システム「Live119」が拡大期に入っている。同様の映像通報技術を応用した映像通話システム「Live-X」、災害情報共有サービス「DMaCS」も好調に推移している。
1. 2023年5月期通期の業績概要
2023年5月期通期の売上高は1,368百万円(前期比12.0%増)、営業利益443百万円(同10.7%増)、経常利益451百万円(同11.6%増)、当期純利益321百万円(同13.2%増)と8年連続の増収増益を達成した。売上高は、期初の計画1,320百万円を3.7%上回った。各種クラウドサービス・アプリの契約数が積み上がり、ストック型の利用料収入が順調に増加するとともに、クラウドサービスの初期構築やオンプレミス環境でのシステム開発等に係る受託開発も順調に推移したことが増収の要因である。クラウドサービスは、主力の「NET119緊急通報システム」が消防管轄人口カバー率7割を超えトップシェアを堅持したほか、次期主力の映像通報システム「Live119」、災害情報共有サービス「DMaCS」、自治体や警察が防災・防犯情報を配信するスマートフォンアプリなどが好調に推移した。利益に関しては、営業利益で期初計画を1.9%上回った。売上高の増加が人件費等の売上原価・販売費及び一般管理費の増加を上回ったことがその要因である。
2. 2024年5月期の業績予想
2024年5月期の業績は、売上高で前期比6.7%増の1,460百万円、営業利益で同11.3%増の493百万円、経常利益で同10.0%増の496百万円、当期純利益で同6.9%増の343百万円と、9期連続の増収増益を予想する。2023 年5月期にクラウドサービスに関する初期構築及び利用料が当初の想定を上回って推移したことから、中期計画の売上数値(1,430百万円)から上方修正された。営業利益に関しては、足元の物価高及び賃金上昇の影響を勘案し、中期経営計画(以下、中計)目標値を据え置いた。弊社では、解約率が低い(1%未満)クラウド利用料を中心とした強固な事業モデルを構築している点や自治体の防災・防犯DX投資の増加が見込まれる点などから、業績予想の下振れリスクは低いと考えている。同社のこれまでの実績(8年連続増収増益)からすると、進行期も期初予想どおり、またはさらに上振れる可能性が高い。中長期的な観点では、しっかり開発人材を確保し、M&Aを含めた先行投資ができるかにも注目したい。
3. 株主還元策
同社は、安定的・継続的な株主還元を方針としている。2016年5月期以降は、好調な業績を背景に連続増配を続けてきた。2023年5月期の配当金は、前期比2.0円増の年16.0円、配当性向15.8%と、8年連続の増配を達成した。2024年5月期の配当金は、前期比1.0円増の17.0円、配当性向15.4%を予想する。例年、期初の業績予想はやや保守的であり、業績が順調に推移すれば、業績が上振れるためさらなる増配が期待できる。
■Key Points
・ 2023年5月期は8年連続の増収増益を達成。「NET119」「Live119」「DMaCS」などのクラウドサービスの利用料・受託開発が堅調に増加
・2024年5月期は9期連続の増収増益を予想。開発人材の確保とM&Aを含めた先行投資にも注目
・同社防災アプリがデジタル庁公開の「防災DXサービスカタログ」に掲載
・中計の4施策では、Gov-tech市場深耕と社会課題解決サービスの創出が進捗
・2023年5月期の配当金は年16.0円(前期比2.0円増配)。8期連続の増配を達成
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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ドーン<2303>は、地理情報システム(GIS)を活用したシステムの開発・販売を行う企業である。中央省庁や地方自治体、電力会社などでの採用実績が多く、信頼性の要求されるシステムに定評がある。GISエンジンソフトのライセンス販売や受託開発を長年にわたり事業の柱としてきたが、近年は防災や防犯関連のクラウドサービスで業績を伸ばしている。主力の「NET119緊急通報システム」が全国の消防で採用され、人口カバー率は71.9%(2023年5月末時点)とデファクトスタンダードとなっている。次期の主力商品として、消防向けの映像通報システム「Live119」が拡大期に入っている。同様の映像通報技術を応用した映像通話システム「Live-X」、災害情報共有サービス「DMaCS」も好調に推移している。
1. 2023年5月期通期の業績概要
2023年5月期通期の売上高は1,368百万円(前期比12.0%増)、営業利益443百万円(同10.7%増)、経常利益451百万円(同11.6%増)、当期純利益321百万円(同13.2%増)と8年連続の増収増益を達成した。売上高は、期初の計画1,320百万円を3.7%上回った。各種クラウドサービス・アプリの契約数が積み上がり、ストック型の利用料収入が順調に増加するとともに、クラウドサービスの初期構築やオンプレミス環境でのシステム開発等に係る受託開発も順調に推移したことが増収の要因である。クラウドサービスは、主力の「NET119緊急通報システム」が消防管轄人口カバー率7割を超えトップシェアを堅持したほか、次期主力の映像通報システム「Live119」、災害情報共有サービス「DMaCS」、自治体や警察が防災・防犯情報を配信するスマートフォンアプリなどが好調に推移した。利益に関しては、営業利益で期初計画を1.9%上回った。売上高の増加が人件費等の売上原価・販売費及び一般管理費の増加を上回ったことがその要因である。
2. 2024年5月期の業績予想
2024年5月期の業績は、売上高で前期比6.7%増の1,460百万円、営業利益で同11.3%増の493百万円、経常利益で同10.0%増の496百万円、当期純利益で同6.9%増の343百万円と、9期連続の増収増益を予想する。2023 年5月期にクラウドサービスに関する初期構築及び利用料が当初の想定を上回って推移したことから、中期計画の売上数値(1,430百万円)から上方修正された。営業利益に関しては、足元の物価高及び賃金上昇の影響を勘案し、中期経営計画(以下、中計)目標値を据え置いた。弊社では、解約率が低い(1%未満)クラウド利用料を中心とした強固な事業モデルを構築している点や自治体の防災・防犯DX投資の増加が見込まれる点などから、業績予想の下振れリスクは低いと考えている。同社のこれまでの実績(8年連続増収増益)からすると、進行期も期初予想どおり、またはさらに上振れる可能性が高い。中長期的な観点では、しっかり開発人材を確保し、M&Aを含めた先行投資ができるかにも注目したい。
3. 株主還元策
同社は、安定的・継続的な株主還元を方針としている。2016年5月期以降は、好調な業績を背景に連続増配を続けてきた。2023年5月期の配当金は、前期比2.0円増の年16.0円、配当性向15.8%と、8年連続の増配を達成した。2024年5月期の配当金は、前期比1.0円増の17.0円、配当性向15.4%を予想する。例年、期初の業績予想はやや保守的であり、業績が順調に推移すれば、業績が上振れるためさらなる増配が期待できる。
■Key Points
・ 2023年5月期は8年連続の増収増益を達成。「NET119」「Live119」「DMaCS」などのクラウドサービスの利用料・受託開発が堅調に増加
・2024年5月期は9期連続の増収増益を予想。開発人材の確保とM&Aを含めた先行投資にも注目
・同社防災アプリがデジタル庁公開の「防災DXサービスカタログ」に掲載
・中計の4施策では、Gov-tech市場深耕と社会課題解決サービスの創出が進捗
・2023年5月期の配当金は年16.0円(前期比2.0円増配)。8期連続の増配を達成
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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