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学情のニュース
*15:48JST 学情 Research Memo(8):経験者採用領域での成長を強化しながら、確実に利益成長を実現していく
■今後の見通し
2. 中長期の成長戦略
中期の成長戦略に関して学情<2301>は、当初予定の計画値をほぼ前倒しで達成したことや、マーケット環境が変化していることなどを受け、2026年10月期を最終年度とする新・中期経営計画を新たに公表した。慢性的な人手不足、学生の売り手市場、求職者のセカンドキャリア形成への意識の高まりなどを受け、キャリア採用(経験者採用)に対するニーズが高まるなか、「『20代のセカンドキャリア』を支援するプラットフォーマー」をありたい姿として再定義し、「Re就活」を中心とした経験者採用サービスに先行投資を重点的に実施することにより業績を拡大させる方針だ。具体的には、同社の競合優位性として「働き手を集める力」「人と組織をつなぐ力」「企業・組織を集める力」の3つを定義し、これらの競合優位性をさらに強化するため人的投資、広告宣伝投資、マーケティング投資、システム開発投資、新規事業開発投資を行っていく。投資原資に関しては、毎期の費用に加えて、営業キャッシュ・フロー及び手元資金を活用する方針であり、特に事業拡大/事業開発投資、事業継続投資に関しては今後3年間で計9,100百万円を投資枠として設けている。これらの成長投資により、経験者採用領域で年率30%の売上成長を実現し(2026年10月期の経験者採用サービス売上高は2023年10月期比119.0%増の7,660百万円を計画)、売上高に占める経験者採用サービスの売上構成比を2026年10月期に57.6%まで高める計画だ。経験者採用サービスを業績の柱としながら、2026年10月期に全社業績として売上高13,300百万円(旧計画は12,000百万円)、経常利益3,450百万円(同3,320百万円)の達成を目指す。2025年10月期までに先行投資を重点的に実施したうえで成長加速の土台を整え、2026年10月期からは売上・利益ともに成長が加速することを見込んでいる。また、資本コストを意識した経営も徹底し、ROEに関しては資本コストを上回る水準を維持しながら2026年10月期に15.0%まで高める方針を掲げている。
3. 競合優位ごとの成長戦略と投資方針
(1) 働き手を集める力
「Re就活」並びに「Re就活エージェント」などのRe就活シリーズの利用求職者数をさらに拡大することにより、同社の成長基盤をより強固にしていく。具体的には広告宣伝投資により取引企業数を継続的に拡大し、各メディアの掲載求人件数をさらに増加させていくことに加えて、システム開発投資を行い、20代が使いやすい、20代に支持されるUI・UXにアップグレードすることにより、20代から支持される情報メディアとしての立ち位置を強化していく。また、主要ターゲットであるZ世代、ミレニアル世代の仕事観や転職活動における課題を敏感に捉えながら新規サービスを開発・投入することにより、転職活動の新たなスタイルを能動的に発信していくことにも注力する。
(2) 企業・組織を集める力
利用求職者数の拡大を図ると同時に、「Re就活」「Re就活エージェント」など、Re就活シリーズの利用企業数を更に拡大させていく。具体的には、広告出稿時のAI・データ活用をさらに強化し、利用求職者数のさらなる拡大を図ると同時に、マーケティング投資によってカスタマーサクセスの充実を推進し、導入企業の採用成功をより強力に支援していく。また、生成AIなどの最新テクノロジーを活用したシステムを開発することにより、採用活動のDXに貢献していく構えだ。
(3) 人と組織をつなぐ力
働き手と企業の双方の利用を増やすとともに、社会のトレンドを捉えたサービス提供や、最新テクノロジーを活用したサービスの提供を通して「価値あるマッチング」の実現をさらに促進していく。具体的には、システム開発投資を継続して実施することにより、基幹Webメディアのアップグレードに取り組み、利用者ごとに最適化された情報接触体験の提供を推し進めていく。同時に、生成AIなどの最新テクノロジーを活用することにより、タイパ(タイムパフォーマンス)の良い新たな転職・採用活動体験の提供に注力していく。また、ジョブ型雇用が拡大するなかで、新規事業開発投資を積極化し、「Re就活」ブランドを生かしながら、採用需要の増加が見込まれる領域で業界や職種に特化した新規サービスを開発していく方針だ。
4. 成長投資
各種成長投資の具体的な内容や方針は、以下のとおりである。
(1) 人的投資
2026年10月期に500人体制を構築する。(2023年10月末の従業員数は334人)人員拡大による売上成長と併せて、「人的創造性」の向上による売上成長を強化し、人員拡大ペースを上回る売上成長を実現する。自社メディア(Re就活・転職博)を活用した経験者採用を強化し、専門人材にとって魅力的な人事制度など採用競争力を高める制度設計に着手する。また、コミュニケーションを最大化するオフィス設計の他、人員拡大フェーズに適した拠点整備を実施する。
(2) 広告宣伝投資
広告宣伝投資を通じて、求職者・企業双方から「20代の転職ならRe就活」という認知を獲得し、最大化することを目指す。求職者・企業双方の認知を高め、利用求職者・利用企業の拡大により、2026年10月期に「Re就活」シリーズの会員数を2023年10月期比40%増の280万人まで増員することを目標にしている。また、「Re就活」シリーズの会員数を増やすことにより、「Re就活エージェント」など関連サービスの利用者数も拡大するプラスの波及効果を積極的に狙っていく。
(3) マーケティング投資
営業活動におけるデータ活用をより強化し、顧客の採用成功をより強力に支援していく。これにより、利用企業の拡大と既存顧客の継続率向上を図り、業績の拡大に結びつけていく考えだ。また、マーケティング・営業プロセスの分業・連携の強化によって専門性をさらに深化させ、インバウンドでのビジネス機会創出を最大化していく。
(4) システム開発投資
基幹Webメディアのプロダクト開発体制を強化しながら継続的にアップグレードと新規サービスの提供を行っていくことにより、20代求職者・企業から支持される情報メディアとしての立ち位置をより強固にしていく。タイパや生産性への関心が高まるなか、求職者と企業の出会いを効率化することで、働き手・企業が相互理解を深めるなど、より重要なプロセスに時間をさける環境の整備にも注力していく。
(5) 新規事業開発投資
採用需要の増加が見込まれる業界・職種に特化したサービスの開発・展開に注力する。具体的には、インキュベーション室を中心に「Re就活」ブランドを生かした新規事業開発をコーディネートしていくほか、M&Aを含めた最適な新規事業開発方法を探求していく。
5. ESG及びSDGsへの取り組み
同社ではCSR活動を長期的視野から総合的に推進するため、近年社会的関心が高まっているESGに配慮した活動を行っている。2030年に向けた国際社会共通の目標である「持続可能な開発目標」(SDGs)を意識した社会課題の解決にも取り組んでいる。主な取り組みとしては、サステナブルな社会の実現のためのUIJターン就職・移住促進事業の実施や、社会貢献のための各自治体と提携した就職氷河期世代の就職支援等がある。
2023年10月期においても、ESG対応を加速させた。ESGのE(環境)に関しては、CDPの質問書に回答している。また、ペーパーレス化を推進するため、電子契約システムや、クラウドワークフローシステムを導入し、見積書や契約書、稟議書、有給休暇申請などの各種書類の電子化を実施した。これにより、年間12万枚の書類が電子化され、杉の木約44本分、約614.4kgのCO2削減につながったという。また、「転職博」などのイベントにおいて来場者に配布する冊子のデジタル化を実施しペーパーレス化を推進した。ESGのS(社会)に関しては、全社選抜型経営人材育成プログラムなどの希望するキャリアの実現を支援する各種制度をさらに充実させたほか、「Re就活WOMAN」の運営などによりダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進した。ESGのG(ガバナンス)に関しては、ステークホルダーから信頼される企業であり続けるために、コンプライアンスに関する教育を徹底するなど、引き続き内部管理体制の整備に取り組んだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<SO>
2. 中長期の成長戦略
中期の成長戦略に関して学情<2301>は、当初予定の計画値をほぼ前倒しで達成したことや、マーケット環境が変化していることなどを受け、2026年10月期を最終年度とする新・中期経営計画を新たに公表した。慢性的な人手不足、学生の売り手市場、求職者のセカンドキャリア形成への意識の高まりなどを受け、キャリア採用(経験者採用)に対するニーズが高まるなか、「『20代のセカンドキャリア』を支援するプラットフォーマー」をありたい姿として再定義し、「Re就活」を中心とした経験者採用サービスに先行投資を重点的に実施することにより業績を拡大させる方針だ。具体的には、同社の競合優位性として「働き手を集める力」「人と組織をつなぐ力」「企業・組織を集める力」の3つを定義し、これらの競合優位性をさらに強化するため人的投資、広告宣伝投資、マーケティング投資、システム開発投資、新規事業開発投資を行っていく。投資原資に関しては、毎期の費用に加えて、営業キャッシュ・フロー及び手元資金を活用する方針であり、特に事業拡大/事業開発投資、事業継続投資に関しては今後3年間で計9,100百万円を投資枠として設けている。これらの成長投資により、経験者採用領域で年率30%の売上成長を実現し(2026年10月期の経験者採用サービス売上高は2023年10月期比119.0%増の7,660百万円を計画)、売上高に占める経験者採用サービスの売上構成比を2026年10月期に57.6%まで高める計画だ。経験者採用サービスを業績の柱としながら、2026年10月期に全社業績として売上高13,300百万円(旧計画は12,000百万円)、経常利益3,450百万円(同3,320百万円)の達成を目指す。2025年10月期までに先行投資を重点的に実施したうえで成長加速の土台を整え、2026年10月期からは売上・利益ともに成長が加速することを見込んでいる。また、資本コストを意識した経営も徹底し、ROEに関しては資本コストを上回る水準を維持しながら2026年10月期に15.0%まで高める方針を掲げている。
3. 競合優位ごとの成長戦略と投資方針
(1) 働き手を集める力
「Re就活」並びに「Re就活エージェント」などのRe就活シリーズの利用求職者数をさらに拡大することにより、同社の成長基盤をより強固にしていく。具体的には広告宣伝投資により取引企業数を継続的に拡大し、各メディアの掲載求人件数をさらに増加させていくことに加えて、システム開発投資を行い、20代が使いやすい、20代に支持されるUI・UXにアップグレードすることにより、20代から支持される情報メディアとしての立ち位置を強化していく。また、主要ターゲットであるZ世代、ミレニアル世代の仕事観や転職活動における課題を敏感に捉えながら新規サービスを開発・投入することにより、転職活動の新たなスタイルを能動的に発信していくことにも注力する。
(2) 企業・組織を集める力
利用求職者数の拡大を図ると同時に、「Re就活」「Re就活エージェント」など、Re就活シリーズの利用企業数を更に拡大させていく。具体的には、広告出稿時のAI・データ活用をさらに強化し、利用求職者数のさらなる拡大を図ると同時に、マーケティング投資によってカスタマーサクセスの充実を推進し、導入企業の採用成功をより強力に支援していく。また、生成AIなどの最新テクノロジーを活用したシステムを開発することにより、採用活動のDXに貢献していく構えだ。
(3) 人と組織をつなぐ力
働き手と企業の双方の利用を増やすとともに、社会のトレンドを捉えたサービス提供や、最新テクノロジーを活用したサービスの提供を通して「価値あるマッチング」の実現をさらに促進していく。具体的には、システム開発投資を継続して実施することにより、基幹Webメディアのアップグレードに取り組み、利用者ごとに最適化された情報接触体験の提供を推し進めていく。同時に、生成AIなどの最新テクノロジーを活用することにより、タイパ(タイムパフォーマンス)の良い新たな転職・採用活動体験の提供に注力していく。また、ジョブ型雇用が拡大するなかで、新規事業開発投資を積極化し、「Re就活」ブランドを生かしながら、採用需要の増加が見込まれる領域で業界や職種に特化した新規サービスを開発していく方針だ。
4. 成長投資
各種成長投資の具体的な内容や方針は、以下のとおりである。
(1) 人的投資
2026年10月期に500人体制を構築する。(2023年10月末の従業員数は334人)人員拡大による売上成長と併せて、「人的創造性」の向上による売上成長を強化し、人員拡大ペースを上回る売上成長を実現する。自社メディア(Re就活・転職博)を活用した経験者採用を強化し、専門人材にとって魅力的な人事制度など採用競争力を高める制度設計に着手する。また、コミュニケーションを最大化するオフィス設計の他、人員拡大フェーズに適した拠点整備を実施する。
(2) 広告宣伝投資
広告宣伝投資を通じて、求職者・企業双方から「20代の転職ならRe就活」という認知を獲得し、最大化することを目指す。求職者・企業双方の認知を高め、利用求職者・利用企業の拡大により、2026年10月期に「Re就活」シリーズの会員数を2023年10月期比40%増の280万人まで増員することを目標にしている。また、「Re就活」シリーズの会員数を増やすことにより、「Re就活エージェント」など関連サービスの利用者数も拡大するプラスの波及効果を積極的に狙っていく。
(3) マーケティング投資
営業活動におけるデータ活用をより強化し、顧客の採用成功をより強力に支援していく。これにより、利用企業の拡大と既存顧客の継続率向上を図り、業績の拡大に結びつけていく考えだ。また、マーケティング・営業プロセスの分業・連携の強化によって専門性をさらに深化させ、インバウンドでのビジネス機会創出を最大化していく。
(4) システム開発投資
基幹Webメディアのプロダクト開発体制を強化しながら継続的にアップグレードと新規サービスの提供を行っていくことにより、20代求職者・企業から支持される情報メディアとしての立ち位置をより強固にしていく。タイパや生産性への関心が高まるなか、求職者と企業の出会いを効率化することで、働き手・企業が相互理解を深めるなど、より重要なプロセスに時間をさける環境の整備にも注力していく。
(5) 新規事業開発投資
採用需要の増加が見込まれる業界・職種に特化したサービスの開発・展開に注力する。具体的には、インキュベーション室を中心に「Re就活」ブランドを生かした新規事業開発をコーディネートしていくほか、M&Aを含めた最適な新規事業開発方法を探求していく。
5. ESG及びSDGsへの取り組み
同社ではCSR活動を長期的視野から総合的に推進するため、近年社会的関心が高まっているESGに配慮した活動を行っている。2030年に向けた国際社会共通の目標である「持続可能な開発目標」(SDGs)を意識した社会課題の解決にも取り組んでいる。主な取り組みとしては、サステナブルな社会の実現のためのUIJターン就職・移住促進事業の実施や、社会貢献のための各自治体と提携した就職氷河期世代の就職支援等がある。
2023年10月期においても、ESG対応を加速させた。ESGのE(環境)に関しては、CDPの質問書に回答している。また、ペーパーレス化を推進するため、電子契約システムや、クラウドワークフローシステムを導入し、見積書や契約書、稟議書、有給休暇申請などの各種書類の電子化を実施した。これにより、年間12万枚の書類が電子化され、杉の木約44本分、約614.4kgのCO2削減につながったという。また、「転職博」などのイベントにおいて来場者に配布する冊子のデジタル化を実施しペーパーレス化を推進した。ESGのS(社会)に関しては、全社選抜型経営人材育成プログラムなどの希望するキャリアの実現を支援する各種制度をさらに充実させたほか、「Re就活WOMAN」の運営などによりダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進した。ESGのG(ガバナンス)に関しては、ステークホルダーから信頼される企業であり続けるために、コンプライアンスに関する教育を徹底するなど、引き続き内部管理体制の整備に取り組んだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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