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日経平均株価のニュース
【兜町スクランブル】イラン軍事衝突で株急落、今後1カ月間で想定されるシナリオは?
米国とイスラエルがイランの体制転換に乗り出し、イランは中東諸国への報復攻撃とホルムズ海峡封鎖に踏み切った。トランプ大統領は軍事作戦の長期化を示唆している。米軍が同海峡で船舶護衛を検討していると伝わり、原油相場の急上昇にはいったん歯止めが掛かったものの、投資家心理は委縮したままだ。今後1カ月間ではどのようなシナリオが描けるのか。不確実性の高い局面ではあるが掘り下げてみる。
●韓国でサーキットブレーカー発動
日経平均株価はイランを巡る軍事衝突後の3営業日で4604円の大幅な下落となり、2月8日の衆院選で自民党が圧勝したことを受けた上昇分を帳消しにした。アジア市場ではメモリー市況高を追い風に急ピッチな上昇を続けていた韓国総合株価指数(KOSPI)がパニック的な下げとなり、一時的に取引を中断するサーキットブレーカーが発動。4日のKOSPIは12%安と急落して引けた。なお、イスラエルのテルアビブ125種指数は直近では上昇が顕著となっており、過去最高値を更新している。
日本株は韓国株と同様に昨年秋以降に騰勢を強めていたこともあって、リスク回避目的の売りによる影響が一段と強く出やすい状況にあった。その日本と韓国は、ともに原油の輸入依存度が高い国としても知られている。
原油輸送の要衝であるホルムズ海峡はかねてから、機雷の敷設による封鎖リスクが指摘されていた。メディア報道を見る限り、機雷の敷設にはまだ至っていないもようではあるが、仮に敷設された際には、原油相場に一段の上昇圧力を掛ける可能性がある。中国にとってもホルムズ海峡は頭痛の種となっている。石油備蓄が100日程度と日本よりも短い中国において、イラン産原油の供給が途絶え、中国国内の原油価格が上昇すれば、経済を悪化させるリスク要因となる。
●注目される米中会談
米軍ではイランによる報復攻撃で殉職者が出た。トランプ政権が11月の中間選挙に向けて選挙戦を優位に進めるには、犠牲者の拡大と戦闘の長期化は避けたいところである。軍事作戦の期間は当初「4~5週間」であったことが明るみとなっている。この間にイランに親米政権を樹立できるかが至上命題となるとみられる。
そのトランプ米大統領は3月末に訪中する予定と伝わっている。米中首脳会談は、4~5週間としていた当初の作戦期間内に開かれる公算が大きい。米国は中国と友好関係にあったベネズエラに続き、同じく中国の友好国でもあるイランの体制転覆を仕掛けた。対イラン作戦を早期に収束させたい米国と、国内経済の悪化を避けたい中国の首脳同士がどのような「手打ち」をするのか。前哨戦として3月半ばにベッセント米財務長官と中国の何立峰副首相がパリで協議をする予定だと報じられている。ボーイング<BA>の航空機購入や米国産大豆の購入、台湾問題が議題に上る可能性があるようだ。原油輸出国の米国はホルムズ海峡の情勢安定化をネタに、中国との交渉を優位に進めようとするに違いない。
トランプ大統領はイランでの軍事作戦について、ミサイル能力の破壊と海軍のせん滅、核兵器保有を阻止すること、イラン国外のテロ組織への武器・資金の提供や指揮をできないようにすること、の4つの目標があると表明している。ハメネイ師の殺害から後継者選出の会議への空爆など、イスラエルと米国は高い情報分析力を持ってイランへの攻勢を強めている。イランからの攻撃を受けた中東諸国も、経済活動を踏まえれば事態の悪化は防ぎたいというのが本音のところだろう。早期に幕引きを図りたいというのが米国側の立場であるだけに、「突如としてトランプ大統領が『4つの目標は達成した』と言ってイラン問題から手を引き、マーケットの不安心理が一気に解消に向かう可能性も意識しなければならない」(銀行系運用会社ストラテジスト)との声が出ている。
半面、イスラエルのネタニヤフ政権が強硬的な姿勢をすぐに和らげることは、自国内での政権支持の回復という動機に照らせば見込み薄であり、イスラエルに引っ張られる形で米国がイランでの軍事行動に長期間、参画し続けるシナリオも横たわっている。いずれにせよ中東情勢が流動的な状況下では、原油相場の動向が株式市場を左右する大きなファクターとなる局面が続くこととなるだろう。「原油相場の急上昇が回避できれば、高市政権の経済政策による効果に再び市場の関心が向かうようになり、建設や不動産といった内需系セクターから徐々に物色されることになるだろう」(中堅証券ストラテジスト)との見方がある。(碧)
出所:MINKABU PRESS
●韓国でサーキットブレーカー発動
日経平均株価はイランを巡る軍事衝突後の3営業日で4604円の大幅な下落となり、2月8日の衆院選で自民党が圧勝したことを受けた上昇分を帳消しにした。アジア市場ではメモリー市況高を追い風に急ピッチな上昇を続けていた韓国総合株価指数(KOSPI)がパニック的な下げとなり、一時的に取引を中断するサーキットブレーカーが発動。4日のKOSPIは12%安と急落して引けた。なお、イスラエルのテルアビブ125種指数は直近では上昇が顕著となっており、過去最高値を更新している。
日本株は韓国株と同様に昨年秋以降に騰勢を強めていたこともあって、リスク回避目的の売りによる影響が一段と強く出やすい状況にあった。その日本と韓国は、ともに原油の輸入依存度が高い国としても知られている。
原油輸送の要衝であるホルムズ海峡はかねてから、機雷の敷設による封鎖リスクが指摘されていた。メディア報道を見る限り、機雷の敷設にはまだ至っていないもようではあるが、仮に敷設された際には、原油相場に一段の上昇圧力を掛ける可能性がある。中国にとってもホルムズ海峡は頭痛の種となっている。石油備蓄が100日程度と日本よりも短い中国において、イラン産原油の供給が途絶え、中国国内の原油価格が上昇すれば、経済を悪化させるリスク要因となる。
●注目される米中会談
米軍ではイランによる報復攻撃で殉職者が出た。トランプ政権が11月の中間選挙に向けて選挙戦を優位に進めるには、犠牲者の拡大と戦闘の長期化は避けたいところである。軍事作戦の期間は当初「4~5週間」であったことが明るみとなっている。この間にイランに親米政権を樹立できるかが至上命題となるとみられる。
そのトランプ米大統領は3月末に訪中する予定と伝わっている。米中首脳会談は、4~5週間としていた当初の作戦期間内に開かれる公算が大きい。米国は中国と友好関係にあったベネズエラに続き、同じく中国の友好国でもあるイランの体制転覆を仕掛けた。対イラン作戦を早期に収束させたい米国と、国内経済の悪化を避けたい中国の首脳同士がどのような「手打ち」をするのか。前哨戦として3月半ばにベッセント米財務長官と中国の何立峰副首相がパリで協議をする予定だと報じられている。ボーイング<BA>の航空機購入や米国産大豆の購入、台湾問題が議題に上る可能性があるようだ。原油輸出国の米国はホルムズ海峡の情勢安定化をネタに、中国との交渉を優位に進めようとするに違いない。
トランプ大統領はイランでの軍事作戦について、ミサイル能力の破壊と海軍のせん滅、核兵器保有を阻止すること、イラン国外のテロ組織への武器・資金の提供や指揮をできないようにすること、の4つの目標があると表明している。ハメネイ師の殺害から後継者選出の会議への空爆など、イスラエルと米国は高い情報分析力を持ってイランへの攻勢を強めている。イランからの攻撃を受けた中東諸国も、経済活動を踏まえれば事態の悪化は防ぎたいというのが本音のところだろう。早期に幕引きを図りたいというのが米国側の立場であるだけに、「突如としてトランプ大統領が『4つの目標は達成した』と言ってイラン問題から手を引き、マーケットの不安心理が一気に解消に向かう可能性も意識しなければならない」(銀行系運用会社ストラテジスト)との声が出ている。
半面、イスラエルのネタニヤフ政権が強硬的な姿勢をすぐに和らげることは、自国内での政権支持の回復という動機に照らせば見込み薄であり、イスラエルに引っ張られる形で米国がイランでの軍事行動に長期間、参画し続けるシナリオも横たわっている。いずれにせよ中東情勢が流動的な状況下では、原油相場の動向が株式市場を左右する大きなファクターとなる局面が続くこととなるだろう。「原油相場の急上昇が回避できれば、高市政権の経済政策による効果に再び市場の関心が向かうようになり、建設や不動産といった内需系セクターから徐々に物色されることになるだろう」(中堅証券ストラテジスト)との見方がある。(碧)
出所:MINKABU PRESS
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