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日経平均株価のニュース
明日の株式相場に向けて=「生成AI+半導体」から転変するマネー
きょう(18日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比971円安の4万126円と大幅続落。寄り後早々に下げ幅は1000円近くまで広がり、一気に4万円大台攻防の様相を呈した。その後は下げ渋ったものの、戻り足に転じることもなく後場終盤に売り直され、結局この日の安値圏で引けた。ここ最近の日経平均の時価予想PERは17~18倍台であり、今期企業業績の増額修正期待を考慮すればファンダメンタルズ比較で今が明らかに買われ過ぎということにはならない。しかし、株式需給面からの視点では、4万円大台は吹き曝しの高台に立つようなもので、横殴りの突風にしばしばバランスを崩す。きょうの急落もそのよくある光景の一つといえるが、やはり大勢トレンドの変化、つまり長期波動のベクトルが下に向くことに対する警戒感は常に漂っている。
前日の米国株市場で半導体セクターへの売りが噴出、堰を切ったような売り注文でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は6.8%安と20年3月のコロナショック以来の暴落となった。生成AIと先端半導体は表裏一体の最強テーマであったが、その歯車がゆっくりと逆回転を始めたイメージがある。それを示唆するのが、象徴株となっていたエヌビディア<NVDA>の変調だ。このエヌビディアの株価とSOX指数はトレンドが酷似しており、この日はエヌビディアも6.6%安で同指数と足並みを揃え大陰線を引いた。最近はどちらかといえばエヌビディア株の方が“より弱く”、これにSOX指数が同期していくような展開をみせていた。この日の急落はその延長線上のひとコマとなった。
米株市場においてエヌビディア株を持たざるリスクが極大化するなか、「機関投資家はひたすらロングポジションを貫くよりなかったが、一方で本能的には利益確定をしたいという欲求と綱引きの状態にあった」(中堅証券ストラテジスト)と指摘する。これは、ある意味利食いを肯定化する「売りの口実」を渇望している状況にも等しい。
そうしたなか、バイデン米政権が先端半導体の対中規制を強化する動きが報じられたほか、米大統領返り咲きが現実味を帯びているトランプ氏が、台湾防衛に批判的ともとれる発言をしたことでTSMC<TSM>の株価急落を招き、半導体関連株は売り一色に染まった。当然ながらエヌビディア株も利食い急ぎの動きが顕在化し、このリスクオフの大波がきょうの東京市場にも押し寄せた格好である。折からのドル売り・円買いの動きが加速し1ドル=155円台まで円高が進んだことも、マーケット心理を冷やした。
日経平均は寄り後早々に985円安まで売り込まれ、その後は下げ渋る展開となったが、戻り足に転じることもできず4万円トビ台前半を彷徨した。テクニカル的には3万9900円台にある上向きの25日移動平均線との上方カイ離解消が迫っており、いったん買い場となる可能性はある。ただ、日経平均への影響が大きい半導体主力銘柄の崩れ足の修復はそう簡単ではない。
もっとも、個人投資家にすればそれほど悲観する地合いではないともいえる。というのは、日経平均に目を奪われがちだが、集中的に売られている半導体関連を除けば内需株を中心に頑強な値動きを示しているものも少なくないからだ。この日も業種別には33業種中8業種が高く、食料品などのディフェンシブストックは、むしろ上昇する銘柄の方が目立っていた。個別株ベースでも全面安ではなく、値下がり銘柄数は全体の7割に届いていない。当面は半導体関連という危険地帯から退避してきた投資マネーが、新たな流入先を求める地合いが想定され、個別株物色という観点からはプラスに働くケースもある。ここはアンテナを高くして、全方位型で全体相場の影響を受けにくい材料株へのシフトを考えたい。テーマとしては最高値圏を走る金市況関連で松田産業<7456.T>や住友金属鉱山<5713.T>を継続マーク。また、新たなところでは急速に普及する無人レジ関連で業績好変化のサインポスト<3996.T>や、ここ動意が相次ぐバイオ関連セクターからは、再生医療分野の研究開発型バイオテックとして頭角を現すステムリム<4599.T>が思惑含みのチャートを形成している。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に6月の全国消費者物価指数(CPI)が発表される。また、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定される。海外ではマレーシアの4~6月期GDP速報値、6月の英小売売上高など。また、米国ではウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁の講演が予定され、その内容がマーケットの関心を集めそうだ。(銀)
出所:MINKABU PRESS
前日の米国株市場で半導体セクターへの売りが噴出、堰を切ったような売り注文でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は6.8%安と20年3月のコロナショック以来の暴落となった。生成AIと先端半導体は表裏一体の最強テーマであったが、その歯車がゆっくりと逆回転を始めたイメージがある。それを示唆するのが、象徴株となっていたエヌビディア<NVDA>の変調だ。このエヌビディアの株価とSOX指数はトレンドが酷似しており、この日はエヌビディアも6.6%安で同指数と足並みを揃え大陰線を引いた。最近はどちらかといえばエヌビディア株の方が“より弱く”、これにSOX指数が同期していくような展開をみせていた。この日の急落はその延長線上のひとコマとなった。
米株市場においてエヌビディア株を持たざるリスクが極大化するなか、「機関投資家はひたすらロングポジションを貫くよりなかったが、一方で本能的には利益確定をしたいという欲求と綱引きの状態にあった」(中堅証券ストラテジスト)と指摘する。これは、ある意味利食いを肯定化する「売りの口実」を渇望している状況にも等しい。
そうしたなか、バイデン米政権が先端半導体の対中規制を強化する動きが報じられたほか、米大統領返り咲きが現実味を帯びているトランプ氏が、台湾防衛に批判的ともとれる発言をしたことでTSMC<TSM>の株価急落を招き、半導体関連株は売り一色に染まった。当然ながらエヌビディア株も利食い急ぎの動きが顕在化し、このリスクオフの大波がきょうの東京市場にも押し寄せた格好である。折からのドル売り・円買いの動きが加速し1ドル=155円台まで円高が進んだことも、マーケット心理を冷やした。
日経平均は寄り後早々に985円安まで売り込まれ、その後は下げ渋る展開となったが、戻り足に転じることもできず4万円トビ台前半を彷徨した。テクニカル的には3万9900円台にある上向きの25日移動平均線との上方カイ離解消が迫っており、いったん買い場となる可能性はある。ただ、日経平均への影響が大きい半導体主力銘柄の崩れ足の修復はそう簡単ではない。
もっとも、個人投資家にすればそれほど悲観する地合いではないともいえる。というのは、日経平均に目を奪われがちだが、集中的に売られている半導体関連を除けば内需株を中心に頑強な値動きを示しているものも少なくないからだ。この日も業種別には33業種中8業種が高く、食料品などのディフェンシブストックは、むしろ上昇する銘柄の方が目立っていた。個別株ベースでも全面安ではなく、値下がり銘柄数は全体の7割に届いていない。当面は半導体関連という危険地帯から退避してきた投資マネーが、新たな流入先を求める地合いが想定され、個別株物色という観点からはプラスに働くケースもある。ここはアンテナを高くして、全方位型で全体相場の影響を受けにくい材料株へのシフトを考えたい。テーマとしては最高値圏を走る金市況関連で松田産業<7456.T>や住友金属鉱山<5713.T>を継続マーク。また、新たなところでは急速に普及する無人レジ関連で業績好変化のサインポスト<3996.T>や、ここ動意が相次ぐバイオ関連セクターからは、再生医療分野の研究開発型バイオテックとして頭角を現すステムリム<4599.T>が思惑含みのチャートを形成している。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に6月の全国消費者物価指数(CPI)が発表される。また、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定される。海外ではマレーシアの4~6月期GDP速報値、6月の英小売売上高など。また、米国ではウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁の講演が予定され、その内容がマーケットの関心を集めそうだ。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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