買い姿勢持続で続伸、2万円意識した展開に

著者:冨田康夫
投稿:2015/11/19 22:16

明日の東京株式市場見通し

 20日の東京株式市場は、3連休の週末を前にして利益確定の売りが想定されるものの、目立った売り材料が見当たらないなかで、市場の旺盛な買い意欲は持続するものと予想され、買い先行で日経平均株価は4日続伸となりそうだ。3カ月ぶりとなる日経平均2万円台回復を意識した展開も想定される。

 10月以降、株価が順調な回復軌道をみせている背景には、外国人投資家による積極買いの復活がある。市場関係者からは「19日引け後に発表された11月第2週(9~13日)の投資部門別の売買動向で、海外投資家が3003億円の大幅な買越額で4週連続の買い越しとなるなど、日本企業の業績好調を見越した外国人買いが持続している」との見方が出ていた。

 19日の東京株式市場は、朝方から広範囲に買いを集め大幅高となり、日経平均株価終値は前日比210円63銭高の1万9859円81銭と3日続伸。一時、300円を超える上昇で2万円大台回復をうかがう場面もあったが、その後は伸び悩んだ。日銀の金融政策決定会合で「現状維持」が伝えられた後も下げ圧力は限定的となった。

19日の動意株

 ファーマフーズ<2929>=後場ストップ高。
同社はきょう、未成熟のバナナ(青バナナ)を発酵した食品である発酵青バナナ末「バナファイン」にインフルエンザウイルス感染症を予防する効果があることをヒトを対象とした試験で初めて確認したことを明らかにした。この成果は、同社およびフードケア(神奈川県相模原市)、ドール(東京都千代田区)、京都府立医科大学、わかくさ竜間リハビリテーション病院(大阪府大東市)の5機関による共同検証。11月22日から23日にかけて開催される「第63回日本ウイルス学会学術会」で発表する予定としている。

 トプコン<7732>=大幅反発。
きょう付の日本経済新聞で、「国土交通省は道路建設などの公共事業で、受注企業に小型無人機(ドローン)や自動制御のショベルカーなど、最先端技術の利用を義務付ける検討に入った」と報じられており、建設機械の自動制御に取り組む同社の活躍を期待する買い入っているようだ。IT活用に効率化で、費用の抑制や労働力不足に対応するのが狙いのようで、技術が確立されれば、海外へのシステム輸出の可能性もあることから、将来的な業績寄与への期待も高まっているようだ。

 ジグソー<3914>=後場一段高。
ECコンサルティングなどを手掛けるコマースニジュウイチ(コマース21、東京都港区)はきょう、ジグソーとシステムマネージメントサービス契約を結んだと発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。コマース21は、ジグソーの自動監視システム「Puzzle」を採用。インフラの課題であるシステムまわりの煩雑な障害対応に対して、自動化技術で対応負荷軽減や処理スピードの向上を図る。

 オンコセラピー・サイエンス<4564>=ストップ高。
同社はこの日、8時30分に同社が権利を有する新規医薬品候補低分子化合物(TOPK阻害剤)について、共同研究者のシカゴ大学中村祐輔教授らによる提案が、米国立がん研究所(NCI)のNanotechnology Characterization Laboratory(NCL)が提供するがん治療薬候補化合物特性評価及び安全性評価プログラム(「NCL characterization」プログラム)に採択されたことを発表した。この新規医薬品候補低分子化合物は、リポソーム製剤とした化合物の静脈内投与実験で、マウスに移植した人の腫瘍が完全に消失している。

 大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>=急反発。
18日に開催された上期決算説明会で、航空機向けスポンジチタンの在庫調整が15年内に終了し、16年の出荷数量が大幅に伸びるとの見通しが示されたことが好材料視されているようだ。これに伴い、主力の尼崎工場の稼働率も9月の66%から来年3月には93%まで引き上げる方針で、業績への貢献が期待されている。

 学究社<9769>=急反発。
同社は18日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、11月25日付で東証2部から東証1部市場に指定されることになったと発表しており、TOPIX連動ファンドなどによる買い需要発生を先取りする形で買いが入っているようだ。同社は小・中学生や高校生向けの学生塾「ena」を展開。16年3月期連結業績予想は売上高96億7900万円(前期比3.9%増)、経常利益14億1300万円(同5.5%増)、年間配当50円を見込んでいる。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想