決算後のリバウンドを狙う!

著者:堀篤
投稿:2015/11/09 19:47

ボラティリティが高まったときこそ、大きく勝てるチャンス!

9月決算の発表シーズンを迎え、株価が大きく動きやすくなっている。特に、今週は、決算短信の開示がピークになる。
そこで、決算発表をどのように狙うか、を少し考えてみたい。

決算時の株価の動きは、常に節目となり、投資タイミングになりやすい。好決算銘柄は、決算発表に先立って上昇し、業績が悪い銘柄は、発表までに下落してくる。そうした動きは、実際の決算発表によって、リセットされ、そこからまた、新しい相場が始まる。
投資家にとって、そこは大きな投資のタイミングだ。

特に今年は、好決算銘柄の材料出尽くしパターンが多い。出尽くし、あるいは多少の失望売りによって、大きく下がるケースが散見されるが、決算が悪くない銘柄の下落は、再度、上昇トレンドへの転換につながりやすい。


◆楽天(4755)

11月5日に発表された(4755)の第三四半期発表から見てみよう。

楽天の2015年12月期3Qの売上高は、5147億円、営業利益829億円、当期利益425億円だった。これは、対前年同期比でそれぞれ21.3%、13.5%、-0.4%。という数値だった。
この数値は決して悪くはないが、会社四季報の予想数値が、12月期通期の予想について、営業利益で、対前年比20%程度の増益を予想しているのと比べると、多少、物足りない印象はある。

この発表を受けて株価は、下落した。発表日である5日の終値が1613.5円だったのが、この数値発表翌日の6日には、1562円と、前日比51.5円(3.19%)下落したのだ。
この日、安値は1556.5円までつけたが、前回の安値は10月15日の1555円。微妙にこの水準はキープしたことになる。このままこの株価を下回らなければ、再度、上昇基調を取り戻す可能性がある。
逆に、もしそこを下回ると、9月29日の1452.5円が下値のメドとなる。
しかし、いずれにしても、ちょうど去年の今頃、1600円近辺で動いていた楽天が、この市場環境で、その時の株価以下で推移している状況は長く続かないだろう。


トレファク(3093)

次に、リサイクルショップを展開するトレジャーファクトリー(3093)は、1ヶ月ほど前の10月13日、第二四半期決算を発表した。

売上高は57億円、営業利益は4億32百万円、純利益2億70百万円で、対前年同期比で、それぞれ、16.3%、0.4%、10.8%の増益だった。
これも決して悪い数値ではないが、会社予想の営業利益が通期で、8.8%増益であることを考えると、多少、物足りない。
とはいえ、新規出店など、今後の展開を考えると、来年2月までに、数値が合ってくる可能性は十分にある。
しかし、10月12日に1630円で終わっていた株価は、13日に1414円、14日に1301円と下がり、ついに11月5日には1128円まで下落した。
業績以外に、何かを期待していた投資家がいたのかもしれないが、それにしても、3週間余りで30.8%の下落は、短期的な急落が過ぎる、といって良い動きだろう。
この銘柄は、多少、大きな売却圧力が見える気がするが、それも、時間の問題で解消するだろう。反発に転じれば早い可能性がある。1000円から1200円のゾーンで集められる株だと思われる。


◆ボラティリティが高い時を狙う

このような、「期待値が大きすぎた銘柄」は、一定の短期筋の投資家が投げる(売る)ことで、再度需給関係が整理され、再び、上昇基調に入る可能性が高い。

決算が良かったから、悪かったから、で瞬時にデイトレでとるのも良いが、利益の幅を取ろうと思えば、こういった短期筋の去った後を狙うのもまた、一つの手法だ。

決算発表にかけて株価が上昇してきた銘柄が、発表数値に物足らなさがあった場合、そこは一度、空売りのタイミングだと言える。そして、一定の下落を達成したら、次に買い戻すだけではなく、新たに買い建てる、という戦略を考えていけば、完璧だ。
よく、相場が荒れているときは手を出さない、という投資家がいるが、こういったボラティリティが高まったときこそ、大きく勝てるチャンスであり、そういったスキルをぜひ身につけていきたいものだ。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想