上場日から年末にかけてしっかりとした相場に

著者:川島寛貴
投稿:2015/11/03 21:42

新規のNISA口座が稼働

ついに日本郵政グループ3社、日本郵政<6178>かんぽ生命保険<7181>ゆうちょ銀行<7182>が上場します。

市場での調達資金は1兆4000億円以上となる見通しで、昨年1年間のIPOの額(約1兆円)を軽く上回ることになります。

当初は巨大すぎることや、日本郵政のビジネスモデルの先行き見通しから『公募価格割れ』の懸念もありましたが、ブックビルディングが開始されると、その不安は後退。2日で需要を上回る応募があったとの報道もあり、ある記事によると抽選漏れの投資マネーが軽く5倍以上控えているということになります。

この背景には、NISA口座の稼働があるようです。
NISA口座の約4割が投資が行われていない状態でしたが、証券会社の営業マンが日本郵政の長期投資へと稼働に動いたようで、市場に新規マネーが流入してきているようです。

例えば、トヨタ自動車 の新型種類株式の単独主幹事を務めた野村証券の口座開設が昨年の2倍のほどのペースで口座開設が行われているといいます。
NTTやNTTドコモなどの上場劇をご存知の方が、日本郵政グループへの投資を行うということも多そうです。

すでにグレーマーケットでは5~10%ほどで取引されており、公募価格割れは回避されたといって良いでしょう。
上記の理由から、配当利回りが3%ほどあることやNISA口座を利用した投資家も多いとなると長期で持つことが考えられます。そうなると、通常のIPOより多いと考えられ初値売りが少ないことと、抽選漏れの投資マネーが初日から流入してくれば4日はプラスで推移する可能性が高いでしょう。

PBRを見ても割安であるということや、12月末のTOPIXの組み入れの買いを狙った投資マネーも期待できます。

金曜日には米国雇用統計があることから、上場の盛り上がりに参加したい短期投資であれば金曜日に一部売却するのも手です。

世界経済を見てみると、12月のECBの追加緩和や米国の利上げの後退などから、年末に向けて株価は堅調に推移すると考えられます。ゆうちょ銀行などは、預金限度額の引き上げも検討されており、そういった報道が出るたびに株価が上昇するでしょう。

そういったことを考えると、中期では年末まで日本株全体と連動しながら堅調に上昇していくのではないでしょうか。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想