“反動安の反動高”で上昇、売り方の動きにくい相場に
4日の株式相場見通し
明後日の東京株式市場は、きょう(2日)の大幅安の反動から買い優勢の展開が想定される。
2日の東京市場は
日経平均がほぼ400円幅の急落となり、ハイボラティリティ相場には目が慣れた市場関係者にとってもやや違和感のある下げとなった。
しかし、振り返れば前週末の10月30日に、日銀の決定会合で追加緩和見送りとなった後の
日経平均の上値追いも違和感のある強さではあった。年金系資金の買いが売り方の手仕舞いを促したという解説がなされているが、このタイミングでの2カ月ぶり1万9000円台回復には東証1部騰落レシオ137%という指標を抜きにしても、過熱警戒感を肌で感じた投資家が多かったのではないか。
その意味で郵政3社上場というビッグイベントを4日に控え、きょうの下げはむしろ健全な調整だったといえる。中国の景気減速や米国の年内利上げ思惑再燃は今の相場に大きな重荷とはいえない。日銀の緩和カードが残されたこともポジティブに機能する要素があり、前方には売り方が動きにくい相場が待っている。
2日の動意株
エス・エム・エス<2175>=急反発。
岩井コスモ証券が10月30日付で投資判断を新規に「A」とし、目標株価を2800円に設定したことが好材料視されている。創業以来、増収増益を継続中であることに加えて、高齢化社会が進む中で、中期的に年4割前後の営業増益を続ける可能性が高いと高評価。16年3月期についても、会社計画の営業利益27億200万円に対して30億円と上振れを見込んでいる。
レオン自動機<6272>=4連騰で新高値。
30日、16年3月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の233億円から244億円(前期比6.0%増)へ、営業利益を19億8000万円から27億6000万円(同25.3%増)へ上方修正した。また、従来、7円を予定していた期末配当を11円に引き上げるとあわせて発表しており、これも材料視された。
エフ・シー・シー<7296>=後場一段高。
30日、16年3月期通期の連結業績予想修正を発表。売上高を1650億円(前期比6.9%増)で据え置いた一方、営業利益は94億円から108億円(同23.5%増)に引き上げた。米国や中国で四輪車用クラッチの販売が堅調に推移していることが主な要因となっている。なお、想定為替レートは第2四半期までの1ドル=121円80銭から、第3および第4四半期は115円に変更している。
黒崎播磨<5352>=続伸。
同社は30日取引終了後、16年3月期の連結業績予想の修正を発表。営業利益を43億円から47億円(前期比22.3%増)へ、最終利益を27億円から29億円(同80.9%増)へ増額した。円安も味方に海外子会社の業績が好調に推移しているほか、合理化努力の進捗も寄与する。PERが7倍前後と低いうえ、PBRについては0.5倍と解散価値の半値に放置されている現状は好決算を契機に水準訂正余地が強く意識されるかたちとなった。
santec<6777>=大幅4日続伸。
10月30日に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算が、売上高16億3700万円(前年同期比28.0%増)、営業利益3800万円(前年同期2100万円の赤字)となり、従来予想の営業損益8000万円の赤字から一転して黒字転換で着地した。光部品関連が北米を中心に好調に推移したことに加えて、利益率の高い光測定器製品も円安を追い風に北米で伸びていることが寄与した。同時に、上限を20万株(発行済み株式数の1.67%)、または1億円とする自社株買いを発表しており、これも材料視された。取得期間は11月2日から来年10月31日まで。
アイビーシー<3920>=ストップ高。
前週末10月30日の取引終了後、11月30日を基準日として1対4株の株式分割を実施すると発表。同時に、集計中の15年9月期の単独業績について、売上高を従来予想の9億7500万円から9億7700万円(前の期比21.1%増)へ、営業利益を2億6600万円から3億1900万円(同47.7%増)へ上方修正したことも好材料視された。
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