ドル円の下落は買い場か

著者:川島寛貴
投稿:2015/10/14 20:09

小売売上高を注視!

10/15追記
米国小売売上高は(除自動車)は予想-0.1%のところ-0.3%となり、ドル円は下落しました。
その後下げ幅をほぼ埋めたものの、米国株の下落と年内利上げ後退観測がさらに後退し、米10年債利回りの2%割れ。買いが続かず119円を割り込み先日の雇用統計後の安値付近である118.60円まで下落しました。

終値も118円台という状況でしたが、朝方から118.50円に巨大な買いオーダーが観測されたり、年金資金が株式市場に入ってきているという噂などから119円を回復する展開となっています。

予想は完全に外れてしまいましたが、ここから昨日の安値を割りにいくよりも小売後の高値(119.50円)を越えていく確率の方が高いとみています。
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ドル円が相変わらずの動きですが、今週はジリ下がりとなっています。
本日は、119.50-120.50円の1円レンジを下へブレイクするような展開となっています。
これまでこうちゃくしていましたから、ここから動き始めると少なくとも2円以上は動くと考えている個人投資家の方も多いようです。

本日の米国小売売上高(コア)も事前予想は-0.1%となっており、さらにこの数字を下回るのではという思惑もあるようで、強い買いも入らないように見えます。
東京時間には実需や本邦長期資金の買いが観測されたようですが、欧州時間に入るとついに119.50円を割り込んでくる動きとなっています。
ここから下は、売り買いのオーダーが入り乱れているものの、大きな買いは118.50円までないようですから下値余地はそれなりにあるといって良いでしょう。

さらに本日一度も120円を回復できないとなると、9月7日以降1カ月ぶりとなります。そうなると、テクニカル的には一気に118円を割り込むような早い動きとなってもおかしくありません。

しかし、先日の雇用統計の全てが悪いという結果が出たにもかかわらず、ドル円は118.68円から120.54円まで2円の上昇となったのです。中国の指標がある程度悪いことは織り込み済みですから、多少小売りが悪いといえど大きく下落するようには思えません。

タイミングという点で見ると、明日の米国消費者物価指数を待っても良さそうですし、今日の中国の消費者物価指数を見て動いていてもおかしくありません。日足のボリンジャーバンドが開いてくると、システム取引も大きくポジションを取ってくるのではないかなどという懸念もあります。

しかし、結果的に小売売上高で下落したとしても、決定的な材料不足でだましに終わる可能性の方が高いのではないでしょうか。
つまり、ドル円はまだ逆張りが優勢。120円まで戻せずとも、強烈なショートカバーが起こり下ヒゲをつける展開になるとみています。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想