買い戻し優勢で続伸、日銀短観の内容を注視

著者:冨田康夫
投稿:2015/10/01 02:13

明日の株式相場見通し

 10月1日の東京株式市場は、寄り付き前に発表される日銀短観9月調査の内容に左右される展開となりそうだ。ただ、きょうの急反発の勢いが持続するとの見方もあり、日経平均株価は続伸歩調となりそうだ。

 日銀短観9月調査は、製造業を中心に停滞色の強い内容が確認されるとの見方は根強いものの、市場関係者からは「短観の内容が予想を下回れば、金融緩和への期待思惑が高まるという面もある」との見方も出ている。
 市場には、売られ過ぎた銘柄の買い戻しの動きがしばらくは続くとの見方が根強く、積極的な売りは手控えられている。

 30日の東京株式市場は終始買い優勢の推移。主力株を中心に広範囲に買い戻しが進み、日経平均株価は一時500円を超える上昇をみせ、終値は、前日比457円31銭高の1万7388円15銭と急反発した。前日の米国株市場で9月の消費者信頼感指数が事前予測を大幅に上回りNYダウ平均株価が反発したことで、リスクオフの流れに歯止めがかかった。

 日程面では、日銀短観9月調査、9月の大手百貨店5社売上高、9月の新車販売台数、スポーツ庁発足に注目。
海外では、米9月のISM製造業景況指数、中国9月の製造業PMI指数、米9月の新車販売、中国国慶節(~7日まで休場)が焦点になる。

ボラティリティの高さを機関投資家も警戒

 市場で話題となっているのは、8月下旬以降1カ月以上にわたって続いている“極めてボラティリティ(価格の変動性)が高い状態にある日経平均株価の動き”だ。市場関係者からは「最近の東京株式市場は、世界で最も乱高下している市場の一つといえる。このところ1日で400~500円程度の高安のは当たり前の感覚となってきた」との声が聞かれる。

 このボラティリティの高さへの警戒感から、個人投資家離れは依然から指摘されていたが、ここにきて国内外の機関投資家による日本株売却の動きが目立っているという。

 中堅証券の投資情報部では「中東やアジアの政府系ファンドでは、その運用状態が国家財政に直接影響するだけに、ポジション管理を厳しくしているところも多く、乱高下を嫌って日本株の組み入れ比率を低下させる動きもあるようだ」としている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想