材料難で軟調推移、買いエネルギー低下を懸念

著者:冨田康夫
投稿:2015/08/17 22:11

明日の東京株式市場見通し

 18日の東京株式市場は、一段と手掛かり材料に乏しい地合いが予想されるため、小口の売りで値を消す銘柄が目立つことになりそうだ。日経平均株価は反落を予想する。

 17日の東京株式市場は買い優勢で始まり、日経平均株価は上値の重い展開ながら後場後半に買い直され、終値は、前週末比100円81銭高の2万620円26銭と反発した。

 ただ、東証1部の売買代金は1兆9480億円と極端な薄商いにとどまった。活況の目安とされる2兆円大台を下回ったのは4月6日以来約4カ月半ぶり。中国景気への不安が払拭されないなかで、買いエネルギーの低下は見送りムードを助長することになる。

 市場関係者からは「お盆明け直後で復帰していない参加者も多く、薄商いとなった。また、日足チャートで、25日移動平均線(=2万546円)を5日移動平均線(=2万569円)が上から下に抜けるデッドクロスが目前となったことや、東証1部の騰落レシオ(25日平均)が、17日終値で120.97と120を超えて短期的な過熱感も増してきた」との声が出ていた。

9月中旬までIPOラッシュに

 一部で注目を集めているのが「9月中旬までのIPO(新規上場)ラッシュ」だ。きょう現在では、8月26日に東証2部に新規上場予定の土木管理総合試験所<6171>から9月17日に東証マザーズ市場に新規上場予定のブランジスタ<6176>まで11社が集中する。

 郵政3社の新規上場は、11月4日を軸に調整していることが報じられ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)、LINEの年内上場も有力視されている。新規上場は、市場からの資金吸い上げという需給面のマイナスの要素も指摘れるが、普段は株式市場にやや関心の薄い個人投資家の目を改めて向けさせ、活気づけるという点も見逃せない。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想