【買い】明治海運(9115) 700億円のホテルをわずか30億円で取得!?

著者:小野山功
投稿:2015/08/10 08:35

石油会社との長期契約で業績は安定

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*8月12日追記

人民元の通貨切り下げが嫌気され、本日のところは確定売りが優勢です。人民元は円に対して2日間で2.5%ほど下落していますが、1元=19.5円と3ヶ月前の水準に戻ったにすぎません。訪日中国人観光客の動向に影響を与えるほどではないと思います。
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■注目銘柄

┗明治海運(9115)

明治44年の創業の老舗、海運を主力にホテル開発に注力しています。

海運市況は、新造船の増加による世界的な供給過剰で市況が悪化していますが、同社は自動車メーカーや石油会社との長期契約の比率が高く、足元の市況悪化の影響は限定的です。

船舶燃料の「C重油」の価格が、原油安の影響で大幅に下落していることから、定期航路の採算性が改善傾向にあります。

7月31日(金)に発表された第1四半期業績は、連結営業利益が31%増の10.4億円、経常利益が43倍となる17.6億円と好調でした。

また、主力の海運事業のほか、拡大を続けるホテル部門が業績に寄与しています。

同社は2008年の洞爺湖サミットの会場になった「ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ」を、昨年6月にセコムから買収しました。

1993年に700億円もの巨費を投じて建設された道内屈指の高級リゾートホテルで、知名度の高さを生かし、訪日外国人の取り込みにも期待が集まります。

セコムから買収した金額については非開示ですが、15年3月中間期に固定資産取得として総額30億円を計上していますので、「ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ」の買収額は30億円を下回ったものと推察されます。

この他、スキー客が増加しているニセコ地区に「ニセコノーザンリゾート・アンヌプリ」と「稚内全日空ホテル」を保有。食材やアメニティーの一元購入など、合理化によるコスト削減効果が見込まれます。

株価は7月31日の決算発表以降、堅調な推移を見せています。2013年に付けた高値(619円)を更新したことから、上値の目途となる抵抗ラインは見当たりません。

予想PERは9.3倍と依然として割安感があり、業績面を評価した買いで上昇基調を強める展開が期待できそうです。

小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想

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