「上方の窓埋めで、強い達成感」

著者:黒岩泰
投稿:2015/07/23 20:52

「短期的には下方の窓を埋めやすい」

 本日の日経平均は92.28円高の20683.95円で取引を終了した。買い一巡後はもみ合い相場となり、方向感の乏しい展開。具体的な買い材料が乏しく、小幅な値動きにとどまった。

 日経平均の日足チャートでは、十字足が出現した。上方の窓(20667.84円-20710.34円)の大半を埋める形。目標達成感が漂っており、これ以上の上昇は難しくなっている。基本的には弱気相場であり、戻り売りを浴びやすい状況。短期的には下方の2つの窓を埋めやすく、最大で2段目の窓下限(20120.15円)までの下落もあるだろう。

 ただ、本日は過去最高の訪日外国人数を受けてインバウンド関連が賑わったほか、日本電産(6594)の好決算を受けてハイテクの一角が堅調。資源や海運、機械株の一部は軟調に推移したものの、総じて堅調な値動きだった。海外発の不安材料が後退し、投資家は企業業績に目を向けやすくなっている。個別の値動きの良い銘柄を狙い撃ちする動きが強まっており、値を飛ばす銘柄も出てきている。投資家は銘柄選択によって明暗が別れる状態となっており、より“旬”なものを選ぶようにしたい。
 “旬な銘柄”といっても、自分の相場観で勝手に選んではいけない。「こっちの方が上がりそうだから、こっちに乗り換えよう」という独自の相場観は極めて危険ということだ。なぜならば、「上がりそう」と思っているのは、皆そう思っているのであり、自分だけではないからだ。だから、「上がりそうな銘柄」は、えてしてピークであることが多い。むしろ、乗り換えようとした古い銘柄の方が、逆に上昇したりする。だから、銘柄入れ替えは、古い銘柄が弱気チャートに転換することが条件。まだ生きている銘柄を売ってまで、自分の相場観にしたがって銘柄を乗り換える必要はないのだ。あくまでも機械的に判断し、恣意性を入れないようにするのが重要である。(黒岩の眼より)
黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想