ギリシャはデフォルト常習国? 注目すべきはECBの次なる一手!
大詰めを迎えるギリシャ債務問題。
7月5日(日)に予定されているギリシャ国民投票のゆくえに世界中の耳目が集まる中、“ギリシャ破綻=リーマンショックの再来”を関連付けるようなおどろおどろしい論調も見受けられますが、実際のところはどうなのでしょうか?
よくよく冷静に考えてみると、ギリシャのユーロ圏離脱(Grexit)や、債務不履行(デフォルト)は今に始まった懸念事項ではなく、言うなれば2009年10月のギリシャ政権交代が行われた5年以上前から喧々諤々となされてきており、いわば必然的結末といった感じが否めません。
振り返ってミクロの相場状況を眺めてみると、先月29日のマーケットにサプライズを与えたのは、対ギリシャ第2次金融支援の延長拒否が主因ではなく、チプラス・ギリシャ首相がよもやの国民投票実施(7月5日)という名の“丸投げ”“責任転嫁”をしたことがサプライズとなったと捉えるべき。
このヤケクソとも映る国民投票実施について、ギリシャ国民にとってはいい迷惑かも知れませんが、チプラス首相としてはトロイカ(EU、ECB、IMF)の譲歩を引き出すための瀬戸際戦術で、単なる時間稼ぎに過ぎないとの見方も。
そもそもですが、『国家は破綻する』(カーメン・ラインハート、ケネス・ロゴフ著)にもある通り、1800年以降200余年の歴史の中においてギリシャは債務不履行と債務条件変更を行った年数割合は50%を超え、つまりギリシャという国は2年に一度は破綻をしているいわば“デフォルト常習国”。また、ギリシャのGDP規模は2500億ユーロ(約34兆円)で、これは日本のGDPの約7%(神奈川県の県民所得[約32兆円]と同規模)に過ぎず、ユーロ圏GDP総額(9兆ユーロ)の僅か3%に過ぎない欧州の小国であるということを認識する必要があります。
ギリシャにとって最良の選択は、「ユーロ圏離脱→ドラクマ復活→EU残留」とも言われていますが、ギリシャのユーロ圏離脱で一番損害を被るのはドイツとも。いわば“いいとこ取り”をしていたドイツ経済に影響が及び、また芋づる式に南欧系国債(ポルトガル・スペイン・イタリア)への心理的影響が如実となった場合は、ECBとしては景気テコ入れを目的とするQE(量的金融緩和)に伴う国債買い入れが加速する可能性も取り沙汰されています。
これこそがユーロ売りの主因となると考え、よって「QE通貨に買いなし」の法則に従うべき。
7月2日時点でのユーロ/ドル・日足・一目均衡表では「レンジ相場」を示唆しているものの、①ローソク足の先行スパン2(俗にいう“雲”の下辺)下抜け+②遅行線のローソク足下抜け(=逆転)試算は、ギリシャ国民投票の結果が出揃う来週前半と一致するのは、単なる偶然なのか、それとも必然なのか・・・?5日の結果には目が離せません。
7月5日(日)に予定されているギリシャ国民投票のゆくえに世界中の耳目が集まる中、“ギリシャ破綻=リーマンショックの再来”を関連付けるようなおどろおどろしい論調も見受けられますが、実際のところはどうなのでしょうか?
よくよく冷静に考えてみると、ギリシャのユーロ圏離脱(Grexit)や、債務不履行(デフォルト)は今に始まった懸念事項ではなく、言うなれば2009年10月のギリシャ政権交代が行われた5年以上前から喧々諤々となされてきており、いわば必然的結末といった感じが否めません。
振り返ってミクロの相場状況を眺めてみると、先月29日のマーケットにサプライズを与えたのは、対ギリシャ第2次金融支援の延長拒否が主因ではなく、チプラス・ギリシャ首相がよもやの国民投票実施(7月5日)という名の“丸投げ”“責任転嫁”をしたことがサプライズとなったと捉えるべき。
このヤケクソとも映る国民投票実施について、ギリシャ国民にとってはいい迷惑かも知れませんが、チプラス首相としてはトロイカ(EU、ECB、IMF)の譲歩を引き出すための瀬戸際戦術で、単なる時間稼ぎに過ぎないとの見方も。
そもそもですが、『国家は破綻する』(カーメン・ラインハート、ケネス・ロゴフ著)にもある通り、1800年以降200余年の歴史の中においてギリシャは債務不履行と債務条件変更を行った年数割合は50%を超え、つまりギリシャという国は2年に一度は破綻をしているいわば“デフォルト常習国”。また、ギリシャのGDP規模は2500億ユーロ(約34兆円)で、これは日本のGDPの約7%(神奈川県の県民所得[約32兆円]と同規模)に過ぎず、ユーロ圏GDP総額(9兆ユーロ)の僅か3%に過ぎない欧州の小国であるということを認識する必要があります。
ギリシャにとって最良の選択は、「ユーロ圏離脱→ドラクマ復活→EU残留」とも言われていますが、ギリシャのユーロ圏離脱で一番損害を被るのはドイツとも。いわば“いいとこ取り”をしていたドイツ経済に影響が及び、また芋づる式に南欧系国債(ポルトガル・スペイン・イタリア)への心理的影響が如実となった場合は、ECBとしては景気テコ入れを目的とするQE(量的金融緩和)に伴う国債買い入れが加速する可能性も取り沙汰されています。
これこそがユーロ売りの主因となると考え、よって「QE通貨に買いなし」の法則に従うべき。
7月2日時点でのユーロ/ドル・日足・一目均衡表では「レンジ相場」を示唆しているものの、①ローソク足の先行スパン2(俗にいう“雲”の下辺)下抜け+②遅行線のローソク足下抜け(=逆転)試算は、ギリシャ国民投票の結果が出揃う来週前半と一致するのは、単なる偶然なのか、それとも必然なのか・・・?5日の結果には目が離せません。