日本株は割安、日経平均23500円までの上昇余地も

投稿:2015/06/26 12:55

日本株は割安、日経平均23500円までの上昇余地も

先週はギリシャ金融支援協議について新提案が示され、合意に一歩近づいたと期待感が膨らみ日経平均はITバブル頃の高値を回復しました。しかしながら24日-25日に行われた協議では合意には至らず、30日にはIMFへの返済期日が到来することから懸念が再燃。市場はリスクオンの巻き返しが起こり、株安債券高となり、日本株も24日をピークに調整しています。

一方、6月23日のFRB理事発言から9月利上げ開始が濃厚となっています。そして、12月に追加利上げを行い、0.25%ずつ2回、年末は0.5%とするというのが市場のコンセンサスとなっています。過去の経験則では、米利上げ>米国株安>日本株安、といった外国人投資家の投資パターンが見られました。

しかし、アベノミクスによる企業業績の拡大、日銀による年3兆円のETF購入、GPIFを初めとした年金勢の買いという好材料は不変のままです。

そして、中期的には外国人投資家にとって割安な日本株が買われるという流れが予測できます。

そもそも、日本株は国際比較で過小評価されている傾向があります。日本株(TOPIX)のROEは8.8%、PBRは1.4倍の水準ですが、これに対して米国株(S&P500)はROEが15.1%、PBRが2.8倍、ドイツ(DAX)がROE10.8%でPBRが1.8倍ということを考えると日本株が割安であることがわかります。

確かにROEの観点から見れば、日本企業は欧米企業に比べてまだまだですが、ここのところの日本株のROEの上昇具合を考えれば、中期的には、日本株はもう少し再評価されても良いのではないでしょうか。

単純な計算ですが、日本のROEは米国の0.58倍ですので、米国のPBR2.8倍の0.58倍=PBR1.64倍程度まで、日経平均が買い進まれれば、日本株は中期的に17%ほどの上昇余地があることになります。日経平均で言えば、50日移動平均線(2万0137円)をベースに考えれば、2万3500円程度でしょうか。

以上のことを考えると、ギリシャ懸念で揺れている今は、再びチャンスとなりつつあると捉えることも出来ると思います。今年の日経平均は50日移動平均線でサポートされていますので(6月26日現在20137円前後)、仮に来週、さらにギリシャ問題が懸念され、50日移動平均線まで調整するようなことがあれば、優良株を購入するチャンス到来と思います。
小池麻千子
グローバルリンクアドバイザーズ 株式アナリスト
配信元: 達人の予想