イベント通過で自律反発、ユーロ圏財務相会合に関心

著者:冨田康夫
投稿:2015/06/17 21:13

明日の東京株式市場見通し

 18日の東京株式市場は、日本時間18日未明に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けての外国為替市場や米株式市場の反応に大きく左右されそうだ。FOMC後の声明文やイエレン議長の発言で政策金利引き上げのタイミングについてどの程度示唆するかにかかっている。

 市場関係者からは「FOMCや、イエレン議長の発言については、かなりの部分を織り込んでいるようだ。よほど極端な内容にならなければ、“イベント通過”で為替も株価も穏健な推移が見込まれる」との見方が出ていた。日経平均株価は、きょうまでの3日続落の反動もあり自律反発となりそうだ。

 17日の東京株式市場は、朝方は欧米株高を受けて高く始まったものの、買い一巡後は手控えムードが強まり、マイナス圏での推移となった。日経平均株価終値は、前日比38円67銭安の2万219円27銭と3日続落した。

「着物の日」提言で“和装関連銘柄”にぎわう

 きょうの東京株式市場では、普段はあまり目立たない存在の“和装関連銘柄”がにぎわいをみせた。日本和装ホールディングス<2499>、着物卸しのウライ<2658>がともに一時ストップ高まで買われ年初来高値を更新したほか、呉服専門店チェーンのさが美<8201.T>も大幅上昇となった。

 国内外に着物の魅力を伝える方法を約半年間検討してきた経済産業省の会議「和装振興研究会」が16日、政府による「着物の日」の設置を提言したことを受け、関連銘柄に買いが集まった。16日にまとまった報告書では、官公庁など政府内で着物を着て執務を行う「着物の日」を設け、ゆくゆくは地方自治体や一般企業にも広げていくことが提案されており、和装・着物関連の需要促進につながる動きとして市場関係者の関心を集めた。

 このほかに、個別銘柄では、京都きもの友禅<7615>ツカモトコーポレーション<8025>ヤマノホールディングス<7571>堀田丸正<8105>などの関連銘柄にも買いが入った。

 市場関係者からは「日本食の世界的なブームのなか、日本の着物も訪日外国人旅行者から人気を集めていると聞いている。新たなインバウンド需要が期待できそうだ」との見方も出ていた。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想