“仕切り直しの一戦”は少し時間がかかる…!?

著者:武市佳史
投稿:2015/06/09 11:02

◆ドルに調整、しかし底堅さも…

※ご注意:予想期間は6月10日と表示されていますが、本日(6月9日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


ドル高地合いの継続が見込まれる中、昨日はようやくドルに調整が入りました。

「オバマ米大統領はドル高は問題と発言した」との報道はすぐにホワイトハウスが否定しましたが、ドルの高値警戒感を再認識させた格好となりました。
これに欧州絡みの国債利回り上昇に伴ったユーロ買い戻しが加わり、NYタイムにはドル売りが後押しされました。
こうして125円の大台を割り込むとドル売りに弾みがつき、124円前半へと下値を拡大しました。
それでも日足・一目均衡表転換線(昨日は123.313円)付近では下げ止まる底堅さを見せ、その後は緩やかに値を戻しています。

◆ドル安・円高が加速する可能性は低い?

「米早期利上げへの思惑」が台頭する中で「高値警戒感⇒ドル売り」という構図は、裏を返せば「ドルを買い遅れている向きが多い」ことを示します。
このためドル売り・円高局面では「実需絡みのドル買いがすぐに入る」という可能性が高く、「ドル安・円高が加速する可能性は低い」と考えられます。

◆ただ「米雇用統計後の上昇分を吐き出した」格好ですので…

しかしながら昨日の下落で「125円台での底固めに失敗」し、「米雇用統計後の上昇分を吐き出した」格好となりますので、現在は「米小売売上高(11日)に向けた“仕切り直しの一戦”」という位置づけになります。
ただ昨日も記したように、米小売売上高は“期待は大きい”ものの“慎重にならざるを得ず”、本日は主だった米経済指標も不在になっています。

“下値余地は乏しく”“安値では買い拾いたい”ところではあるが、“上値追い回帰には少し時間がかかる”と見ておくべきか…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:125.685(6/8高値)
上値4:125.248(6/5~6/8の61.8%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値3:125.064(6/5~6/8の50%戻し、大台)
上値2:124.880(6/5~6/8の38.2%戻し)
上値1:124.655(日足・一目均衡表転換線)
前営業日終値:124.461
下値1:124.285(6/8安値)
下値2:123.936(ピボット1stサポート)
下値3:123.741(6/2-4安値)
下値4:123.601(5/29安値)
下値5:123.488(5/28安値、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:35 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想