ビフィズス菌の新効能に脚光、ダイエットやストレス解消も

著者:冨田康夫
投稿:2015/06/08 16:36

注目のビフィズス菌関連銘柄

古くから乳酸菌やビフィズス菌は、「腸内環境を整え、便通を改善する」、「免疫力を整える」働きが知られていた。ところがここに来て、新たな機能を持つ乳酸菌飲料やヨーグルトが続々と発売され好調な売り上げをみせている。

ビフィズス菌は、最近の研究で脂肪細胞の肥大化を抑え、内臓脂肪を低減させる働きがあることが判明。大腸で抗肥満ホルモンの分泌を促進する短鎖脂肪酸の働きによるものと考えられる。また、プリン体の吸収を阻害するPA-3乳酸菌。消化管内でプリン体に直接作用し、吸収されにくい形に代謝する働きと、プリン体を取り込んで自らの栄養源にしてしまう働きがあるという。

江崎グリコ<2206>の「高濃度ビフィズス菌飲料 Bifix1000」は、胃酸に弱いビフィズス菌を生きたまま腸まで届けることに成功し、おなかで増やす効果が特長。明治ホールデイングス<2269>の「ブルガリアヨーグルトLB81」は、乳酸菌入りヨーグルトに低分子コラーゲン、ヨーグルトと一緒にとることで吸収が高まるミルクセラミドを配合、角層の水分量など、肌状態が改善するという研究報告がある。また、プリン体吸収を抑え、血清尿酸値を低下させるPA-3乳酸菌配合の「プロビオヨーグルトPA-3ドリンクタイプ」もある。

ヤクルト本社<2267>は、機能性消化管障害を持つ患者の胃腸症状を軽減し、イライラ感やストレスの低減、活気の回復などで効果が確認されたB.ビフィダムY株配合の乳製品乳酸菌飲料を販売。森永乳業<2264.T>の「ビヒダスBB536」は、動物の腸内にすんでいるビフィズス菌ではなく、健康な乳児から発見されたビフィズス菌を採用している。

◆主なビフィズス菌関連銘柄
 銘柄<コード>  今期営業増益率     株価     PER
グリコ<2206>     5.3     5380    32.3
森永乳<2264>    51.3      436    21.5
ヤクルト<2267>   11.8     6760    40.6
明治HD<2269>    0.9   1万4030    24.7
※株価は4日終値(単位:%、円、倍)
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想