地域限定品に脚光! 食品メーカーが活発化

著者:冨田康夫
投稿:2015/06/04 16:17

地域限定商品で消費者のニーズをつかめ

食品メーカーや飲料メーカー各社を中心に地域限定商品の品ぞろえを活発化させている。

食品や飲料の大手メーカーは、全国どこでも手に入れることができる定番商品が安定的な収益源になっている。しかし、その地域の嗜好に合わせた限定品を投入することで、全国では売れなくても、特定の地域で売れるヒット商品を開拓。限定品を駅や空港内のショップに置くことで、ほかの地域からの旅行者に対しておみやげ的な需要開拓も可能になる。これに加えて、特定地域で新商品を先行発売することにより、その商品の消費者の反応を分析し、その後、販売地域を広げる戦略をとっているメーカーも多い。

別表は、地域限定品に注力している主な企業。菓子メーカー大手では、江崎グリコ<2206.T>が定番商品「ポッキー」で北海道限定の「夕張メロン ポッキー」や甲信越限定の「信州巨峰 ポッキー」など地域限定品が人気を誇る。また、カルビー<2229>は「かっぱえびせん」で九州しょうゆ味、「ポテトチップス」では北海道バターしょうゆ味などを発売している。

ビールメーカーでは、キリンホールディングス<2503>は全国の9工場ごとに味の違いや個性を楽しめる地元生まれの「一番 搾り」を今年5月から投入。サッポロホールディングス<2501>も日本のビール発祥地である北海道で「サッポロクラシック」を、技術研究の中心地である静岡県で「静岡麦酒」などを展開している。

◆地域限定商品の関連銘柄
銘柄(コード)    コメント
グリコ<2206>    ご当地ポッキーを展開
日清食HD<2897>  カップ麺「どん兵衛」で地域限定品
カルビー<2229>   「かっぱえびせん」などで地域限定
キリンHD<2503>  全国9工場ごとに地域限定の「一番搾り」
サッポロHD<2501> 同社ゆかりの地で限定ビール
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想