歯科用機器・材料、口腔ケア意識の高まりで市場拡大

口腔ケア関連銘柄に注目集まる

６月４日は「虫歯予防デー」。厚生労働省は、毎年６月４～１０日までの一週間を「歯と口の健康週間」とし、歯の衛生に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防処置の徹底を図り、併せてその早期発見、早期治療を励行することを呼びかけている。歯周病が糖尿病をはじめ、腎症・網膜症・神経症といった重大な合併症を引き起こすことが広く知られたことに加え、治療時の痛み軽減などの技術やインプラントによる根本治療の普及などにより、口腔ケア意識の高まりは顕著だ。

医療器具メーカーのマニー＜7730＞は今年３月１８日、ドイツの歯科治療器具メーカーのシュッツ・デンタルとＧＤＦの両社を買収すると発表。５月中にシュッツ・グループから両社の全株式を取得する。マニーは歯を削る器具に強みを持つのに対し、シュッツ・デンタルなどは削った後の詰め物が主力で、開発や販売で相乗効果が見込めると判断した。

ナカニシ＜7716＞は、長年培ってきた高速回転技術を活用して歯科用機器で世界トップクラスのシェアを占める。北米、欧州、アジアなど海外展開を積極化しており、海外売上高比率は８０％近くに達する。松風＜7979.T＞は、歯科用材料・器具大手。人工歯に強く研削材で高シェアを占め、歯科用ＣＡＤ／ＣＡＭ関連新製品の好調推移も予想される。１６年３月期連結業績は、前期比１９．５％増収、同２２．３％営業増益と大幅増収益を予想。日本アイ・エス・ケイ＜7986＞は、昨年４月に旧キング工業から社名変更した。歯科用機器では、診察台から訪問診療用ユニットまでトータルでの品ぞろえに特長がある。

◆主な歯科用機器・材料関連銘柄
　銘柄＜コード＞　　　　　営業増益率　　　　　株価　　　　　ＰＥＲ
ナカニシ＜7716＞　　　　　▼６．７　　　　４４８０　　　　２２．６
マニー＜7730＞　　　　　　１０．８　　　　７８７０　　　　３１．５
松風＜7979＞　　　　　　　２２．３　　　　１２６５　　　　３３．１
日本アイエスケイ＜7986＞　▼０．２　　　　　１２８　　　　１７．４
※株価は２８日終値（単位：％、円、倍）