首都圏私鉄大手が積極投資、訪日外国人増加を意識

著者:冨田康夫
投稿:2015/05/22 16:31

訪日外国人の増加を意識した積極投資加速

首都圏の私鉄大手が2015年度も高水準の設備投資計画を打ち出している。各社とも引き続きホームドアの設置など安全対策に資金の多くを投じるほか、今年度は訪日外国人の増加を意識した投資も目立っている。

東京急行電鉄<9005>は安全対策に237億円、サービス拡充に245億円の計482億円を投入する。これは14年度の期初に打ち出した総額432億円を11.6%上回る水準となる。今年度はサービス向上への取り組みを積極的に進めるとしており、利用客の多い渋谷駅構内の案内サイン増設や多言語化の推進、ステーションコンシェルジュの増員を図るとともに、駐輪場やバスへの乗り継ぎの利便性向上を打ち出した。

東武鉄道<9001>は今年度、前年度を上回る総額328億円を計画。現行に比べてより高性能なATC(自動列車制御装置)の導入などの安全対策に加え、訪日外国人向け無料Wi-Fiの整備を進めるとともに、東京スカイツリータウンなどグループ施設25カ所で多言語化対応を開始する。

西武ホールディングス<9024>傘下の西武鉄道は池袋駅のリニューアル工事を進めており、主要な施設は今年度中に完成する予定。1階コンコースにツーリストインフォメーションを設置するなど、インバウンド対応に力を入れている。

◆首都圏大手私鉄の15年度設備投資計画
銘柄(コード) 投資額
東武<9001>   328億円
相鉄HD<9003>  87億円
東急<9005>   482億円
京急<9006>   207億円
小田急<9007>  289億円
京王<9008>   215億円
京成<9009>   111億円
西武HD<9024> 194億円

出所:各社HP
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想