インフラファンド市場、東証の開設で脚光浴びる

著者:冨田康夫
投稿:2015/05/15 15:05

東証が「インフラファンド市場」を開設

東京証券取引所はこの4月末に「インフラファンド市場」を開設した。

 インフラファンドとは、投資家から集めた資金を太陽光発電所や空港、道路、港湾などの社会インフラに投資し、そこから得られた資金を投資家に分配するもの。

 投資家にとっては、上場不動産投資信託(REIT)と同様に小口の資金で安定した収益が期待できる社会インフラへの投資が可能となるメリットがある。

 今回東証が発表したインフラファンドの上場基準は、運用資産の総額に占めるインフラ資産などの額の比率が70%以上、上場時までに資産総額が50億円以上、同投資主数1000人以上など。

 すでに、タカラレーベン<8897>は、今年3月にインフラファンド市場への上場を目指すことを表明している。同社は、マンション分譲事業などとともに、メガソーラーによる発電事業を展開している。

 また、いちごグループホールディングス<2337>も太陽光発電施設に投資するファンドを、東証のインフラファンド市場に上場する方針。スパークス・グループ<8739>は、再生可能エネルギー発電事業関連で東京都の「官民連携再生可能エネルギーファンド」の運営事業者となっている。

 三菱商事<8058>など大手商社もインフラファンド関連事業に注力している。

◆インフラファンドの主な上場基準

 項目       基準の内容

運用資産などの総額に占めるインフラ資産などの額の比率
         70%以上になる見込みのあること
運用資産などの総額に占めるインフラ資産など、インフラ関連有価証券および流動資産などの合計額の比率
         上場時までに95%以上になる見込みのあること
純資産総額    上場時までに10億円以上
資産総額     上場時までに50億円以上
上場時投資口数  上場時までに4000口以上
大口投資主    上場投資口数の75%以下
投資主数     上場時までに1000人以上
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想