FRBが利上げを急がない理由
先週3日の米雇用統計においてある意味ショッキングな結果数値が出たこともあり、改めてローレンス・サマーズ氏の「長期停滞論」が取り沙汰される中、市場の思惑は概ね「6月利上げ」はナシ、「9月利上げ」も微妙・・・といった空気感に。
ただし、括目すべきは、利上げ自体が白紙撤回になった訳ではなく、あくまで利上げ開始時期の思惑や予想が揺れ動いているだけという事実関係。
そもそも利上げ開始時期の後ズレ作戦は“ビハインド・ザ・カーブ”というFRBお得意の戦略で、言うなれば株価の大幅下落は避けつつ緩やかな上昇を保ちたい、同時に急激な金利上昇も避けつつ低位安定を継続したいという金融政策の座標軸が如実に表れていると捉えることも可能。
そもそもイエレンFRB議長は、2012年11月(当時はFRB副議長)の論文において、「2016年央まで事実上のゼロ金利を継続すると、金融政策の効果が大きい」との見解を示しており、本音では利上げを急ぐべきではないと考えているはず。
また、2013年11月のイングリッシュFRB金融政策局長(当時)が、「2015年第2四半期に一度利上げしても、その後事実上のゼロ金利政策を2017年頃まで継続すると最適な金利コントロールとなる」との論文も。
これらを総合すると、FRBは時間軸を巧みに利用しつつ(後ズレ政策=ビハインド・ザ・カーブ)、“バブルの温存”を「主」と捉え、その過程でのドル高は止むを得ない「従」と捉えていると想定するのが一般的。
4月3日の雇用統計のネガティブ数値自体は、「天候」「原油安」「港湾スト」の影響が原因と見なされており、一時下押ししたドル/円相場については、それら材料を消化しつつ、概ね日足・ボリンジャーバンドの±2σ(≒118.60~121.50円)をベースとする動きが当面継続しそうです。
ただし、括目すべきは、利上げ自体が白紙撤回になった訳ではなく、あくまで利上げ開始時期の思惑や予想が揺れ動いているだけという事実関係。
そもそも利上げ開始時期の後ズレ作戦は“ビハインド・ザ・カーブ”というFRBお得意の戦略で、言うなれば株価の大幅下落は避けつつ緩やかな上昇を保ちたい、同時に急激な金利上昇も避けつつ低位安定を継続したいという金融政策の座標軸が如実に表れていると捉えることも可能。
そもそもイエレンFRB議長は、2012年11月(当時はFRB副議長)の論文において、「2016年央まで事実上のゼロ金利を継続すると、金融政策の効果が大きい」との見解を示しており、本音では利上げを急ぐべきではないと考えているはず。
また、2013年11月のイングリッシュFRB金融政策局長(当時)が、「2015年第2四半期に一度利上げしても、その後事実上のゼロ金利政策を2017年頃まで継続すると最適な金利コントロールとなる」との論文も。
これらを総合すると、FRBは時間軸を巧みに利用しつつ(後ズレ政策=ビハインド・ザ・カーブ)、“バブルの温存”を「主」と捉え、その過程でのドル高は止むを得ない「従」と捉えていると想定するのが一般的。
4月3日の雇用統計のネガティブ数値自体は、「天候」「原油安」「港湾スト」の影響が原因と見なされており、一時下押ししたドル/円相場については、それら材料を消化しつつ、概ね日足・ボリンジャーバンドの±2σ(≒118.60~121.50円)をベースとする動きが当面継続しそうです。