春の引っ越しシーズン到来、新年度に向け需要加速

著者:冨田康夫
投稿:2015/03/23 18:35

国内の引っ越しの年間市場規模は4500~5000億円

 年度末の接近に伴って、4月からの新生活スタートに向けてのさまざまな需要が加速している。なかでも、入学、就職、転勤などに伴う引っ越しの需要は最盛期を迎えている。国内の引っ越しの年間市場規模は4500~5000億円とされており、業者間の競争は激しいものの市場自体は安定的な成長を続けている。

 サカイ引越センター<9039>は、14年3月期の売上高で日本通運<9062>の引越部門の売上高を上回り、業界トップに踊り出ている。地盤の近畿圏に加え、関東圏をはじめ、東北の青森や、中国地域の広島に支社を新設するなど、サービスエリアの拡大で、さらなる成長を目指している。

 日通は、今年1月20日から4月24日までの約3カ月間、引っ越し「今がおトクだ!キャンペーン」を実施している。このキャンペーンでは、期間中(ただし、3月20日から4月5日までを除く)の引越料金を割引価格で提供するもの。同社はキメの細かい全国ネットを背景に、長距離の引っ越しに強みを発揮している。

 「カンガルー便」の愛称で知られるセイノーホールディングス<9076>は、家族割引で「楽々タイプ」から「格安タイプ」まで、予算によりプランが選択できる「カンガルー引越便」を提供している。福山通運<9075>は、ワンルームや独身寮住まいの社会人、一人暮らしの学生などを対象とした、低料金の「青春引越便」で需要拡大を目指している。

◆主な引っ越し関連銘柄

 銘柄<コード>   今期営業利益率   株価     PER

サカイ引越<9039>   9.6    3905     9.8
日通<9062>     10.1     676    22.8
福山運<9075>    ▼6.4     653    20.3
セイノーHD<9076>  0.5    1416    23.4
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想