掉尾の一振に期待感、売買代金の回復が焦点に

著者:冨田康夫
投稿:2014/12/26 20:16

来週の株式相場見通し

 来週の東京株式市場は、年末年始の休みを前にした2日間。既に外国人投資家や国内機関投資家の一部が休暇入りしていることもあり、売買代金がどの程度回復するかが鍵を握る。クリスマスの祝日に伴う海外株式市場休場の影響などで25、26日の東証1部の売買代金は1兆3000億円台と低下した。

 市場参加者からは「残り2営業日となったが、売買代金がある程度回復してくれば、来年相場への期待感などが支援材料となり、終値ベースでの年初来高値1万7935円(12月8日)や取引時間中高値の1万8030円(同)を上回り、文字通り掉尾の一振を飾る可能性もある」との見方が出ていた。来週の日経平均株価の想定レンジは1万7600~1万8100円とする。

 ただ、今週後半の物色対象が建設、不動産といった内需株や、株価が比較的低位にある中小型株の底上げに傾いていることから、日経平均株価への寄与の面ではやや期待薄の面は否めない。

26日の動意株

 ビーロット<3452>=一時ストップ高。
午前10時に東京都千代田区の販売用不動産を売却すると発表した。延床面積約588平方メートル、地積約132平方メートルの収益ビルで、売却価格は守秘義務に基づき非開示としたが、13年12月期売上高の10%以上に相当する額としている。併せて2件の販売用不動産の取得と資金の借り入れも発表している。

 イグニス<3689>=後場一段高。
同社はきょう、子会社のスタジオキングが提供する新感覚スマホRPG「ぼくとドラゴン」の配信が決定したと発表。期待感が高まっているようだ。iOS版およびアンドロイド版のリリースは、1月下旬から2月上旬を予定。配信に先立ち、きょうから事前登録キャンペーンを開始している。

 アールテック・ウエノ<4573>=4日ぶりに反発。
同社は25日取引終了後に、上野製薬(大阪市)から賃借している兵庫県三田市テクノパーク4番の土地を巡る訴訟について和解が成立したと発表。三田工場で引き続きレスキュラ点眼薬などを製造できることとなり、買い安心感につながっているようだ。

 アオキスーパー<9977>=ストップ高。
同社は、25日の取引終了後に第3四半期累計(2月21日~11月20日)単独決算を発表しており、売上高739億8700万円(前年同期比4.2%増)、営業利益21億6500万円(同4.0倍)、純利益12億2800万円(同3.9倍)と大幅増益となったことが好感されている。期中4店舗をリニューアルオープンしたほか、競合店対策のためた四半期に一度の大感謝祭・週に一度の日曜朝市および95円(本体価格)均一などの企画を継続実施したことが寄与。前期は新規出店に伴う先行費用が膨らんだが、その反動もあって大幅増益となった。

 イムラ封筒<3955>=急反騰。
25日の取引終了後に、従来2円を予定していた15年1月期の期末一括配当について、3円(前期2円)に引き上げると発表しており、これを好感した買いが入っている。業績動向や今後の財務状況などを総合的に勘案した結果だという。

 大光<3160>=ストップ高。
25日の取引終了後、15年5月期の連結業績見通しについて、売上高を516億円から535億円(前期比10.6%増)へ、営業利益を同3億円から6億1000万円(同2.6倍)へ、純利益を同1億8500万円から4億1500万円(同3.2倍)へ上方修正したことが好感されている。外商事業における提案型営業の強化による新規開拓や既存取引の深耕拡大、小売り事業であるアミカ事業における新規店舗の開業や品ぞろえの充実による既存店売り上げの好調、水産品事業における国内外への販路拡大などが奏功している。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想