隠れた通貨ペアの発掘

著者:比嘉洋
投稿:2014/11/19 20:13

ドル/円の裏に隠れて・・・

NZドル円の推移 全値戻しの97円台後半が視野に
昨日、安倍首相より衆議院の解散・消費増税の1年半先送り(再延期は無い)が発表されました。市場の反応は円売り・株買いとなっており、本日、ドル/円は117円台前半へ、年初来の高値更新となっています。今回の消費増税先送りについては格付け機関フィッチが「日本国債の信用に関して重大な事態の進展だ」として格付けを年内に見直すと表明。こういった材料も円売りの要因と思われますので、ドル円は年内にも120円を付けるとの見通しに変化はありません。

さて、以前に当欄で「10月末買い・翌年4月末売り」の半年投資について触れました。現在までの状況を確認してみますと、全ての通貨ペアでうまくいっております。その中で、勢いが感じられる通貨ペアはと言うと、“NZドル/円”です。当局からの通貨高牽制発言もあり、一番出遅れていた通貨ペアでしたが、その遅れを取り戻すかの如く、上昇ピッチを速めています。因みに10月末の終値が87.56円、直近までの高値が93.19円となっておりますので、その上昇幅は5.63円、率に直すと6.4%です。

チャートを確認しても日足のみならず週足でも買いトレンド、テクニカル的には2007年7月の97.78円が視野に入っています。どうしても現在の市場はドル買い・円売りに目が行きがち。こういった隠れた魅力を秘めた通貨ペアでのポジション構築がのちに花を咲かすことになるのではないでしょうか。「人の行く裏に道あり」蓋し名言です。
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想