＜話題の焦点＞＝健康診断で“ピンピンコロリ”目指す、医療費削減に貢献

　総務省が今年９月に発表した人口統計によると、６５歳以上の高齢者は３２９６万人で、総人口に占める割合は２５．９％と、ともに過去最高を記録。高齢化率は他の先進国と比べても群を抜いており、２０２５年に約３０％、６０年に約４０％に達すると予想される。

　急速な超高齢化で深刻なのは医療費の増大。厚生労働省の調査では、１３年度には３９兆３０００億円に拡大。国民１人当たり３０万８０００円で、７５歳以上はその３倍を超える９２万７０００円に達している。現在、男性の平均寿命は約８０歳、女性は約８６歳だが、健康寿命はそれぞれ約７１歳、約７４歳。つまり、男性は約９年、女性は約１２年、何らかの病気を抱えて生きるのが実態。この期間を縮めれば医療費は削減できる。理想は、人生の最後まで元気に生きる“ピンピンコロリ”というわけだ。健康寿命の延伸対策として注目なのが、健康診断の充実だ。これを支える臨床検査関連のビジネスが中長期で拡大をみせそうだ。

　個別銘柄では、みらかホールディングス<4544.T>に注目。同社の４～９月期の連結営業利益は、１４５億１５００万円（前年同期比１．５％増）と小幅増益ながら、過去最高益を更新。米国子会社を中心に海外展開にも注力。

　栄研化学<4549.T>は、臨床検査薬の大手で、シェア５割超を占める主力の便潜血検査は、厚労省の大腸がん検診推進策の追い風を受け好調。エイアンドティー<6722.T>は、主力の臨床検査機器システムが、検体検査装置の新規顧客獲得などで拡大。リゾートトラスト<4681.T>は、健康診断などの医療サービスを行う会員制健康倶楽部事業が好調な伸びをみせている。

◆主な健康診断関連銘柄

　銘柄<コード>　　　　　　期営業増益率　　　　株価　　　　　ＰＥＲ

みらかＨＤ<4544.T>　　　　　　３．３　　　　４７２０　　　　１７．４
栄研化学<4549.T>　　　　　　▼３．６　　　　１９５９　　　　１９．１
リゾートトラ<4681.T>　　　　　２．０　　　　２５７２　　　　２２．５
Ａ＆Ｔ<6722.T>　　　　　　　１７．１　　　　　８１９　　　　１０．２

※株価は１３日終値（単位：％、円、倍）


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）