小野山功が見通す「今週の株価材料」~注目は「日銀買い」のタイミング!~
10月31日に日銀が追加金融緩和を決定して以降、初めてとなるETF(上場投信)の買い入れが、11月5日(水)に行われました。
5日の前場では、TOPIX(東証株価指数)終値が前日比0.3%安と、目安の1%を下回っているにも関わらず、日銀がETFを買い入れたことになります。
ETFの買い入れ基準は明らかにされていませんが、市場では「1%ルール」が有力です。TOPIXが前場で1%以上下落した場合に、日銀がETFを買い入れるとの観測があります。
しかし、5日はこの定説を覆して買い付けを行っています。日銀は先日の追加緩和で、ETFの買い入れ額を従来の3倍の「年3兆円」に引き上げ、来年からは今の3倍のペースになることから、「多少下がったら日銀が買う」という市場へのメッセージ性を狙ったものだったかもしれません。
5日に購入したETFは380億円です。東証1部の売買代金は通常 2兆円程度ですので、株価を直接押し上げるほどの規模ではありませんが、「日銀が買った」というアナウンス効果は絶大です。
さて、日銀がETFの買い入れを行う際、どのように注文を行うかご存知でしょうか?
あまり知られていませんが、日銀自らが直接注文を出すのではなく、委託先の信託会社が実務を行うことになります。
現在の委託先は、一般入札の結果、住友信託銀行(現:三井住友信託銀行)と決まっています。つまり、日銀買いは三井住友信託銀行が代行し、同行が証券会社に対して、発注するということになります。
証券会社は三井住友信託銀行から大量の買い注文が来れば、「日銀からの注文だ」とわかるため、自社でも株買いに走るわけです。
そして、日銀買いが期待できるのが、前場でTOPIXが前日比マイナスになった日。このルールは今のところ破られていません。来年からは今の3倍の規模に拡大するため、「前場で下がれば買い」という戦略が有効になるかもしれません。
小野山 功
5日の前場では、TOPIX(東証株価指数)終値が前日比0.3%安と、目安の1%を下回っているにも関わらず、日銀がETFを買い入れたことになります。
ETFの買い入れ基準は明らかにされていませんが、市場では「1%ルール」が有力です。TOPIXが前場で1%以上下落した場合に、日銀がETFを買い入れるとの観測があります。
しかし、5日はこの定説を覆して買い付けを行っています。日銀は先日の追加緩和で、ETFの買い入れ額を従来の3倍の「年3兆円」に引き上げ、来年からは今の3倍のペースになることから、「多少下がったら日銀が買う」という市場へのメッセージ性を狙ったものだったかもしれません。
5日に購入したETFは380億円です。東証1部の売買代金は通常 2兆円程度ですので、株価を直接押し上げるほどの規模ではありませんが、「日銀が買った」というアナウンス効果は絶大です。
さて、日銀がETFの買い入れを行う際、どのように注文を行うかご存知でしょうか?
あまり知られていませんが、日銀自らが直接注文を出すのではなく、委託先の信託会社が実務を行うことになります。
現在の委託先は、一般入札の結果、住友信託銀行(現:三井住友信託銀行)と決まっています。つまり、日銀買いは三井住友信託銀行が代行し、同行が証券会社に対して、発注するということになります。
証券会社は三井住友信託銀行から大量の買い注文が来れば、「日銀からの注文だ」とわかるため、自社でも株買いに走るわけです。
そして、日銀買いが期待できるのが、前場でTOPIXが前日比マイナスになった日。このルールは今のところ破られていません。来年からは今の3倍の規模に拡大するため、「前場で下がれば買い」という戦略が有効になるかもしれません。
小野山 功