主役の座は円から米ドルへ

著者:比嘉洋
投稿:2014/11/05 17:59

米雇用統計の重要性が変化?

LMCIの推移
絶妙とも言えるタイミングでの「黒田バズーカ第2弾」が炸裂。為替市場もすっかり景色が変わってしまいました。現在の為替市場は、黒田バズーカにより円売りがメインとなっていますが、第1弾を振り返ってみると、その効果は概ね5営業日。そこから徐々に新たなレンジを形成することになるとともに、米ドルが主役の座にとって代わるのではないでしょうか。

さて、時代が変われどもその影響力を失っていなかった米雇用統計。FRBが新たな雇用指標、LMCIを打ち出したことで、注目度が今後は低下するかもしれません。因みに、LMCIとは、労働市場情勢指数と呼ばれるもので、失業率や企業の採用計画など19の指標を基に算出されるもので、労働市場全体の健全性を数値化したものです。FRBから毎月の雇用統計発表後、最初の営業日に発表されます。今回で言うと、11/10の発表です。

10/30に発表されたFOMC声明文、雇用の改善を示す内容となっていましたが、LMCIの動向をチェックしてみると、何を持って「改善?」と首をかしげたくなります。明確な変化は見られていませんよね。かえって市場は混乱するのではないかと感じてしまいます。

今後の展開については史上最高値を付けた米株の動向をにらみながら、利上げ時期を巡り一喜一憂する展開となるのでは?というのが私の見立てです。
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想