中国リスク意識、生産拠点としてベトナムに関心

著者:冨田康夫
投稿:2014/10/23 21:30

相次ぐ日本企業のベトナム進出

日本企業のベトナム進出、あるいは現地での事業拡大についてのニュースが相次いでいる。先ごろ帝国データバンクが発表した「海外進出に関する企業の意識調査」の結果によると、企業が「今後の生産拠点として最も重視する国」のトップにベトナムがなった。調査は9月16日~30日に実施されたもの。

 ベトナムが生産拠点として最も関心が高かった理由には、コストの低さに加え、労働者の年齢が若く、技能のレベルが高いことが上げられている。日中関係が悪化したことも影響しているようで、ベトナムを重視する企業は全体の10.9%を占め、2位の中国6.9%、3位のタイ4.8%などを大きく引き離している。業種別には家具類小売、繊維・繊維製品・服飾品製造、繊維・繊維製品・服飾品卸売、郵便、電気通信、情報サービスの割合が高かった。

 一方、「販売先として最も重視する国」については、中国が12.2%でトップ、次いで米国4.2%、タイ4.0%の順でベトナムは3.6%で4位だった。ただ、中国を含めた周辺国や米国向け生産・輸出拠点として、チャイナ・リスクへのヘッジも意識されているようだ。

◆ベトナム関連銘柄

銘柄(コード) 取り組み内容

味の素<2802>    傘下のベトナム味の素社が風味調味料Aji-ngon(アジゴン)を現地で製造販売
日本ペイント<4612> 現地子会社日本ペイントビンフックの自動車向け塗料新工場が月産500トン規模で稼働
ブラザー<6448>   プリンターやファクシミリ、デジタル複合機などを現地生産
富士通<6702>    傘下の富士通ベトナムが現地進出日系企業のICT環境をサポート
イオン<8267>    現地2号店として郊外型ショッピングモール「イオンモール・ビンズオンキャナリー」を来月1日にオープン
三谷産<8285>    ベトナム富士通コンピューター・プロダクツと車載用複合ユニット製品の生産会社を設立
川崎船<9107>    クールジャパン機構、日本ロジテムと合弁会社を設立、ホーチミン市郊外で冷凍冷蔵倉庫建設へ
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想