ちょっと一杯大歓迎 今、「ちょい飲み」がブーム

大手チェーンも「ちょい飲み」参入

　東京のＪＲ五反田駅からほど近いところにある「吉野家」の西五反田１丁目店には、夕方になると「居酒屋」と書かれた赤ちょうちんが灯る。２階建ての店舗の１階部分は牛丼屋そのままに、２階部分だけが居酒屋になる。メニューも牛皿といった吉野家でお馴染みのものから、グループ会社の「京樽」から仕入れる「まぐろの刺し身」などさまざまだ。吉野家ホールディングス＜9861＞では、同店のような「吉呑み（よしのみ）」を今年より本格的に開始し、１０月１７日時点で１４店舗を展開する。

　最近、こうした「吉呑み」のような「ちょい飲み」が、若者のアルコール離れで苦戦する飲酒市場で注目を集めている。いち早くちょい飲みに対応した中華料理店チェーンでは、ハイデイ日高＜7611＞がちょい飲み需要の取り込みに成功し売り上げを伸ばしているのは周知の通りで、幸楽苑＜7554＞でも２４時間営業店舗の強化で深夜帯のちょい飲み需要取り込みに力を入れる。

　ファミリーレストランでもすかいらーく＜3197＞では、「バーミヤン」で２００９年から焼酎などのボトルキープを行っているほか、「ガスト」でも２杯目のビールを割り引くサービスを開始するなどして需要に対応する。今後業績を左右するキーワードとして「ちょい飲み」の重要性は増すと見られ、関連銘柄には注目しておきたい。

◆主なちょい飲み関連銘柄

銘柄（コード）　ちょい飲みへの対応

イートアンド＜2882＞　ラーメン店ながら夜はバル形態になる店舗を池袋にオープン
ホットランド＜3196＞　「築地銀だこハイボール酒場」でちょい飲み需要取り込みへ
すかいらーく＜3197＞　「ガスト」「バーミヤン」でちょい飲みメニューを強化
ハイデ日高＜7611＞　　ちょい飲みが売り上げを牽引、立ち飲み、焼き鳥業態も
吉野家ＨＤ＜9861＞　　新業態の「吉呑み」を都内を中心に１４店舗で展開
日本ＫＦＣ＜9873＞　　世界初のバー併設店舗を下北沢で展開
ミニストップ＜9946＞　店内でアルコールを飲める店舗を都心にオープン