待機児童解消対策、女性の活躍・人口構造の保持に必須

著者:冨田康夫
投稿:2014/10/14 19:40

臨時国会の「二枚看板」

 現在開催されている臨時国会で政府が「二枚看板」として掲げているのは、地方創生と女性の活躍できる社会の実現。その女性の活躍を実現するために、最も必要とされるのが仕事(就業)と子育てを支援する保育施設の充実だ。

 政府は、「骨太の方針2014」で「50年後に1億人程度の安定した人口構造を保持すること」を掲げている。政府の推計で、現状のままだと50年後の人口は8674万人(13年比32%減)まで減少すると試算されているためだ。

 政府は17年までに、約40万人分の追加保育体制を整え、待機児童解消を目指す「待機児童解消加速プラン」を推進する。

具体的には、
(1)施設整備費用の積み増し
(2)潜在保育士の職場復帰促進
(3)保育士の処遇改善・資格取得支援
(4)認可外保育施設への支援
(5)事業所内保育施設への支援――を実施する。

 JPホールディングス<2749>は、全国に約200カ所の認可保育所や認証保育所、学童クラブなどを運営する子育て支援事業最大手で、首都圏を中心に地方にも事業を拡大。さらに、事業所内保育施設や、認可保育園などを運営するサクセスホールディングス<6065>も注目。

 このほか、異業種では東海染工<3577>子会社のトットメイトが保育園、託児所の受託・運営を行う。ピジョン<7956>は認可保育園や認証保育所、病院内の託児所などを運営。ニチイ学館<9792>は、企業内保育所に参入。保育士の派遣を手掛けるパソナグループ<2168>にも注目したい。

◆主な待機児童対策関連銘柄

銘柄(コード)   今期営業増益率  株価   PER

パソナ<2168>     10.6   555  34.1
JPHD<2749>    38.0   377  29.0
東海染工<3577>     6.5   117  10.0
サクセスHD<6065> ▼16.5  1449  17.6
ピジョン<7956>    11.9  6310  34.5
ニチイ学館<9792>   21.8   831  19.3
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想