9月日銀短観、自動車・建設セクターは狙い目に!?

著者:冨田康夫
投稿:2014/10/10 18:38

各業種別の業況に大きな違い

 日銀は1日、9月全国企業短期経済観測調査(短観)を発表した。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、大企業製造業がプラス13と6月調査から1ポイント改善した。市場予想(プラス10)を上回り、安心感が広がった。

 ただ、中堅・中小企業のDIは6月時点との比較で悪化し、企業規模などで業況感に格差が生じている。

 日銀短観で発表される各業種別の業況判断DIは投資の際の判断材料として有効だ。

 直近の円安進行もあり自動車のDIは6月の13が足もとでは20に伸びた。トヨタ自動車<7203>日産自動車<7201>などの事業環境が良好なことが分かる。同様に建設は6月の33が足もとでは36と事業環境は一段と好転している。公共投資の増加などで建設業は好調であり、大成建設<1801>鹿島<1812>などの株価は一段の上昇も期待できそうだ。

 一方、DIが悪化している業種も少なくない。円安が逆風となる紙パルプは3がマイナス4と低迷。また、不動産業は32が22に悪化している。王子ホールディングス<3861>三井不動産<8801>などには当面逆風が吹く可能性もありそうだ。

◆大企業・業況判断(DI)の注目セクター

         6月調査    9月調査
業種・区分     最近   最近  先行き

・製造業       12    13   13
 紙・パルプ      3    -4   -7
 鉄鋼        21    16   16
 非鉄金属       6    27   27
 生産用機械     19    19   21
 電機機械      16    17   14
 造船・重機      0     3    7
 自動車       13    20   15

・非製造業      19    13   14
 建設        33    36   28
 不動産       32    22   16
 小売り        1    -1   11
 通信        36    14   5
 情報サービス    23    17   20
 宿泊・飲食サービス 14     8   10

出所:日本銀行
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想