円安基調追い風に続伸、外国人買い持続が焦点

著者:冨田康夫
投稿:2014/09/03 23:40

あす(4日)の株式相場見通し

明日の東京株式市場は、外国為替市場での円安・ドル高基調を背景に、引き続き買い優勢の地合いで、日経平均株価は続伸となりそうだ。
 3日の東京株式市場は、外国為替市場で1ドル105円台前半と、約8カ月ぶりの安値水準となったことを好感し、寄り付きから買い優勢。日経平均株価は、一時1万5800円台に乗せる場面もあった。
ただ、後場は買い疲れ感から上げ幅を縮小する展開となり、日経平均株価終値は、前日比59円高の1万5728円と3日続伸。東証1部の売買代金は2兆688億円と、8月8日以来約1カ月ぶりに、活況の目安とされる2兆円台に乗せた。
 市場関係者からは「3日の寄り付き前の外資系証券(6社ベース)の売買注文動向は、売りが1090万株に対して、買いが1510万株と、差し引き420万株の買い越しとなった。この買い越し幅は、6月4日の570万株以来約3カ月ぶりの高い水準。あす以降も、外国人の積極買いが続くかどうかがポイント」としていた。

 日程面では、黒田日銀総裁会見、8月の社名別新車販売台数に注目。海外では、NATO首脳会議、ECB理事会、英中央銀行金融政策委員会、米7月の貿易収支、米8月のISM非製造業景況感指数が焦点となる。

<動意株>=図書印、ラオックス、ケー・エフ・シーなど

図書印刷<7913>=急伸。
7月7日につけた547円高値を約2カ月ぶりに更新した。リクルートが10月にも東証1部へ上場すると観測されており、市場にはリクルート関連株として、同社株を見直す動きも出ている。同社は13年3月時点で90万株のリクルート株を保有しており、リクルート上場に伴う含み益拡大を期待する買いが流入しているようだ。

 ラオックス<8202>=後場一段高。
同社は2日に、大阪府泉佐野市のりんくうプレジャータウンシークル内に新規出店すると発表。訪日観光客による売り上げ増などが期待されているようだ。開店日は9月28日を予定。同社は、関西国際空港店や今年8月に開業したばかりの大阪道頓堀店など、大阪エリアのネットワーク強化に取り組んでおり、今回の出店もその一環となる。

 ケー・エフ・シー<3420>=4連騰、一時前日比700円高の3700円とストップ高まで買われ新値追い。
建設資材の販売、施工を展開。山岳トンネル掘削時に、坑口部や未固結地山などの脆弱な地山状況で適用される「Me工法」や老朽化したトンネル覆工コンクリートを補修出来る覆工補強工法などを手がけることから、首都圏を中心とするインフラ整備やトンネルが大部分を占めるリニア中央新幹線工事に絡んで受注増が期待されている。

 日本マニュファクチャリングサービス<2162>=一時ストップ高。
同社はきょう、子会社を通じて検査工程の自動化・省力化装置のカスタマイズ受託生産を本格的に開始すると発表。これが材料視されているようだ。子会社のTKRが製造業向けに、自動化・省力化コンサルを含め、予算に応じて自動化・省力化装置から検査ロボットまでを提案する。

 ルネサス エレクトロニクス<6723>=ストップ高。
同社は前日、東京港区芝公園のザ・プリンス パークタワー東京で新技術のデモ展示会を開催し、そこで同社が開発した自動車の次世代自動運転システムを公開。自動運転は自動車の安全システムの究極のかたちで業界内の注目度も高く反響を呼んだ。16年以降に順次実用化する方向にあり、これを手掛かり材料に買い人気が集中する格好となっている。

 アマガサ<3070>=ストップ高。
2日の取引終了後に発表した第2四半期累計(2~7月)連結決算が、売上高37億7000万円(前年同期比8.2%増)、営業利益1億9500万円(同24.6%増)、純利益1億500万円(同7.1%増)と、従来予想の売上高36億6000万円、営業利益1億3800万円、純利益6700万円を上回って着地したことが好感されている。スニーカーライクの商材や、サマーシューズのラインアップを強化したことが寄与した。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想