夏枯れから秋相場は波乱相場へ

著者:菊川弘之
投稿:2014/09/02 10:08

押し目買い基調先行

 ドル円は、8月に7月30日高値(20日間高値)を上抜き、タートル系のトレンドフォロー型システムの買いが入り、上げ加速となった後、4月高値を一旦抜けたものの、地政学リスクの高まりからNY金のレンジ下抜けに繋がらなかったこともあり、調整に入っていた。ただし、103円台への調整にとどまり、転換線水準で下支えられ、4月4日高値を明確に上抜いてきた。

 今週はレーバーデー明け後、週末の雇用統計を始め、ECB理事会、日銀金融政策決定会合などイベントが相次ぐ事で様子見を唱える向きもあるが、テクニカル面からは押し目買い基調が強まりそうな状況だ。イベント前に期待先行・テクニカル先行で動く可能性も出てきた。まずは、心理的節目105円、E=105.10円などが意識される流れとなるだろう。

 ただし、雇用統計が発表される週末~週初にかけて、変化が起こりやすいと言われる一目均衡表の雲のねじれが控えており、雇用統計を受けてトレンドが加速する場合があるのと同時に、反転するリスクも内包している。
 
 トレンド加速した場合は、年初来高値を更新する動きとなりそうだが、反落した場合も、そこそこの調整があり得るかもしれない。
 8月20日に20日間高値や60日間高値を上抜いて、トレンドフォロー系の買いから上げ加速となったが、現在102円台半ばにある10日間安値(トレンドフォロー系の手仕舞い水準)が、週末には103円台半ばに切り上がってくる時間帯に入る。同水準を割り込んでくると、下げ幅が一時的に大きくなる可能性がある。
 低ボラティティが継続する夏枯れ相場が継続していたが、秋相場ではボラティリティが高まる波乱相場となりそうだ。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想