中小型株物色で続伸、円相場注視の地合い継続

著者:冨田康夫
投稿:2014/08/25 20:13

26日の株式相場見通し

 26日の東京株式市場は、外国為替市場での円相場の動向に左右される流れが続くことになりそうだ。極端な円高・ドル安方向への揺り戻しがない限りは、旺盛な買い意欲を背景に、日経平均株価は中小型の材料株を中心とした物色傾向のなか
で続伸となりそうだ。

 25日の東京株式市場は、外国為替市場で1ドル=104円台と円安・ドル高が進行していることから買い優勢のスタート。高値警戒感から前場はやや伸び悩んだものの、後場は株価指数先物主導で、この日の高値水準を維持した。日経平均株価終値は、前日比74円高の1万5613円と反発した。

 全般薄商いでの中小型株物色を象徴するように、東証2部指数が終値で4031.77ポイントと年初来高値を更新した。終値ベースで2007年8月7日以来、約7年ぶりの高値水準に回復したことになる。

25日の動意株

 モルフォ<3653>=ストップ高。
NTTドコモ<9437>との連携による画像エフェクト技術でビジネス領域を広げ、中国でのスマートフォン向けに同社の手ぶれ補正ソフトを採用する動きが相次いでいる。そのなか、中国での強力な営業網を持つサンダーソフトウェアテクノロジー社との業務提携を発表したことで思惑高に火が付いた。

 日本ラッド<4736>大幅続伸。
この日、全額出資子会社のアリーナ・エフエックスが世界ユーザー数50万人以上の次世代型システムトレード「ズールトレード」を国内で初めて導入すると発表したことを受け、買い気がさらに強まった。ズールトレードはズールトレード社が提供する外国為替証拠金取引(FX)のシステムトレードで、世界で70社以上のFX事業者が導入、累計で7000億ドル以上の取引実績がある。

 アイ・ピー・エス<4335>=ストップ高。
同社はきょう、中堅・中小企業向けSAPクラウドソリューションの提供でインターネットイニシアティブ<3774.T>と協業すると発表。これが材料視されているようだ。両社は今年1月にクラウド事業における戦略的協業体制を構築することで合意しており、今回の協業はその一環。具体的には、IIJのクラウドサービス「IIJ GIO(ジオ)サービス」の基盤上に、IPSの「EasyOne runs on SAP ERP」を搭載したクラウド型ソリューションを開発し、顧客に対してワンストップで提供する。

 盟和産業<7284>=ストップ高。
22日の取引終了後、東京証券取引所の承認を得て、9月12日付で東証2部から東証1部に指定されることになったと発表しており、これを好感した買いが入っている。同時に、15年3月期の第2四半期累計(4~9月)連結業績見通しについて、売上高を従来予想の97億円から100億円(前年同期比0.6%増)へ、営業利益を同2億2000万円から2億8000万円(同17.6%増)へ上方修正したこともプラスに評価されているようだ。

 ケイブ<3760>=急騰。
同社は22日、第17回新株予約権(行使価額修正条項付)の大量行使が18日から22日までの期間に行われたことを開示した。発行総数の13.5%に相当する60個の新株予約権が行使されたことになり、これに伴う交付株式数は3万株で行使後の新株予約権の数は153個となった。株式需給改善を評価するかたちで短期筋の買い攻勢を誘発している。

 アイサンテクノロジー<4667>=ストップ高。
9月7からの「ITS世界会議デトロイト2014」(11日まで)や10月7日からの「CEATEC JAPAN」(11日まで)を控えて自動運転車関連銘柄への関心が徐々に高まっており、この日も引き続き買い人気を集めている。18日には、同社が取り組むGPSと準天頂衛星による測位の実用性を検証する実験が、フォーイン社発刊の「FOURIN 世界自動車技術調査月報」2014年8月号に「準天頂衛星を利用した衛星測位、都市部のマルチパス対策如何で自動運転への技術貢献が可能に」として掲載されたことなどを発表しており、自動運転技術へ関心の高まりとともに、株価も上昇している。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想