スピード調整も頑強推移、売りを吸収して値固め

著者:冨田康夫
投稿:2014/08/22 19:42

25日の株価見通し

 25日の日経平均は約2週間の上昇相場の後だけに、9月からの再度の上昇相場を前にしてスピード調整となりそうだ。ただ、一進一退ながらも頑強な地合いは継続する。外国為替市場で、1ドル=104円台が定着してくると、株価がじり高歩調となる可能性もある。

 きょうの東京株式市場は、前日の欧米株高を受け買い優勢で始まったものの、9日続伸への警戒感と週末控えが買いを手控えさせ、日経平均株価終値は、前日比47円安の1万5539円と10日ぶりに反落し、26年半ぶりの10日続伸はならなかった。日本時間今夜のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長のジャクソンホールでの講演を前に模様眺めムードが強まった。

22日の動意株

 KLab<3656>=東証1部売買代金トップで大幅高。
同社の「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」が好調で、スマートフォン向けユーザー数は400万人を突破、10代の女子中学生や女子高生にもファンが多く裾野はさらに拡大が加速する方向にあるという。個人投資家の短期売買が活発な国内ネット証券大手の話では、「前日は(店内の個人投資家の資金は)時価総額の大きいアイフルやソフトバンクの数量商いに向かっていたが、きょうは主力株の上値が重いとみて、同社株やコロプラ<3668.T>などに一斉にシフトしている」という。

 ドーン<2303>=一時ストップ高。
広島市で20日未明に発生した大規模土砂災害を受けて、災害や事故、気象情報や警報などの情報を、高速で大量に一斉配信できる「すぐメール」に注目度が高まっているようだ。自然災害ばかりでなく、子供への声掛けなど不審者情報などへも対応していることから、同サービスへの需要が高まるとの思惑が働いているようだ。

 テクマトリックス<3762>=後場一時、ストップ高。
同社はきょう、連結子会社の沖縄クロス・ヘッドが日本ヒューレット・パッカード(日本HP、東京都江東区)と業務提携したと発表。これが刺激材料となっているようだ。日本HPは東京本社内にある「HPソリューションセンター」のサテライトセンターとして、クラウドやリモートデスクトップ、災害対策、データセンター相互接続などの検証を行う「HP沖縄検証センター」を開設。沖縄クロス・ヘッドは、「HP沖縄検証センター」の管理・運営業務を手掛ける。

 日清食品ホールディングス<2897>=5日続伸。
1987年6月につけた6170円の上場来高値を27年ぶりに更新した。海外事業の成長性などを評価する買いが流入している。20日にインドネシアの合弁会社「PT NISSINMAS」の株式を取得し出資比率を98%に高めることを発表、同国での事業強化方針を示した。また、今月には中国でカップ麺「合味道(カップヌードル)」の販売増に対応するための生産子会社を設立することも発表している。

 イムラ封筒<3955>=ストップ高カイ気配。
21日取引終了後に集計中の今15年1月期の第2四半期(2~7月)業績を上方修正したことを受け買い気が強まった。連結業績について、前回の売上高115億7000万円を118億3000万円(前年同期比4.3%増)、営業利益2億9000万円を4億8000万円(同44.6%増)へ増額。売り上げが計画を上回り、コスト管理を徹底したことで、利益が予想を大きく上振れる。

 図研エルミック<4770>=4日ぶりに急反発。
同社は21日に、セキュリティ機器をIPネットワークで相互接続するための標準規格ONVIFに対応したネットワークIPカメラの映像をモニタリングできるビューワソフトをリリースしたと発表。これをきっかけに、400円近辺でのもみあい商状から上放れるかたちとなっている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想