沖縄海域に大規模鉱床、レアメタルなど鉱物資源採掘に期待

著者:冨田康夫
投稿:2014/08/22 14:06

「戦略的イノベーション創造プログラム」の調査一環で発見

 沖縄海域に大規模な熱水鉱床が存在することが明らかになった。熱水鉱床とは、海底から噴出する熱水に含まれる金属成分が沈殿してできたもの。銅や鉛、亜鉛、金、銀のほか、産出量が少ないレアメタルを含む可能性があるとして注目されている。

 海洋研究開発機構は7月9~26日にかけて、大型探査船「ちきゅう」を使って沖縄から北西約150キロ沖合の伊平屋北海丘を調査。東西に2キロ以上、南北に3キロ程度の大きさの鉱床を確認した。なお、正確な資源量などは現時点で、明らかになっていない。

 今回の調査は、政府が最先端基礎研究を支援する「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)の一環として行われたもの。今年度のSIP予算枠310億円のうち、次世代海洋資源調査技術研究には一番多くの予算(60億円)が割り当てられており、関連企業への関心が高まっている。

 日本海洋掘削<1606>は国内唯一の海洋掘削専門企業。直近では6月に、国際石油開発帝石<1605>石油資源開発<1662>とともに、石油天然ガス・金属鉱物資源機構からメタンハイドレート海洋産出試験を受託するなど実績は豊富だ。

 また、浮体式の海洋エネルギー生産設備大手の三井海洋開発<6269>や、ボーリングマシン大手の鉱研工業<6297>、海洋調査機器を手掛ける日油技研工業の親会社である日油<4403>などにも注目したい。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想