週末控え戻り売りで一服、中期は上昇軌道復帰鮮明

著者:冨田康夫
投稿:2014/08/14 20:08

15日の株式相場見通し

 15日の東京株式は、週末を控えて利益確定の売りが予想され、日経平均株価は一服商状となりそうだ。前週末8日に、454円安と急落した日経平均株価だが、今週初からの4日続伸の上昇幅は合計536円に達し、急落前7日の終値を大きく超えて1万5300円台に乗せてきた。目先的には、戻り待ちの出やすい地合いといえる。

 ただ、中期的には上昇波動継続への信頼感が一段と高まっている。前日の75日・200日移動平均線のゴールデンクロス達成に続き、きょうは7月31日高値の1万5759円から8月8日安値1万4753円までの下げ幅の半値戻しとなる1万5256円をクリアしてきたことから、上昇軌道への復帰を強く印象づけている。今後は、目前に迫った25日移動平均線(1万5326円=14日)の突破が焦点となってきた。

 14日の東京株式市場は、前日の米国市場でNYダウ平均株価が2週間ぶりの高値水準に反発したのに加え、外国為替市場での円安・ドル高傾向も支援材料となり4日続伸となった。日経平均株価終値は、前日比100円高の1万5314円。

14日の動意株

 日本ファルコム<3723>=続急伸。
大人気ストーリーRPG「軌跡シリーズ」の生誕10周年記念作品「英雄伝説 閃の軌跡2」(PS3とPS Vita対応)の9月25日発売が接近していることから、これに対する期待が高まっている。前作の「英雄伝説 閃の軌跡」は6月24日にリリースした繁体字中国語版と韓国語版の初回出荷分が香港、台湾、韓国で早々に完売となる大ヒット。

 ケー・エフ・シー<3420>=ストップ高。
老朽化したトンネル覆工コンクリートを補修出来る覆工補強工法やトンネル掘削用資材などで豊富な実績を有していることから首都圏を中心とするインフラ整備に絡んで受注増期待が高まっている。また、2027年開業予定のリニア新幹線はトンネルが大部分を占めることから、これに絡む思惑的な買いも入っているようだ。

 アグロ カネショウ<4955>=後場上げ幅拡大。
午後1時50分に14年12月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の136億5200万円から132億4100万円(前期比0.8%減)、営業利益を同17億8200万円から17億200万円(同63.8%増)へ下方修正したが、純利益は同9億3900万円から13億3600万円(同1.5%減)へ上方修正したことが好感された。東京電力<9501.T>からの補償金の一部受け取りや、茨城工場建設にかかわる国庫補助金の受け取りがあったことなどが要因としている。

 比較.com<2477>=ストップ高。
13日の取引終了後に発表した連結本決算で、15年6月期は売上高6億2000万円(前期比2.5%増)、営業利益1億円(同2.5倍)、純利益7400万円(同31.7%減)と大幅営業増益を見込んでいることが好感されている。「手間いらず.NET」の機能充実と利便性の強化を図ることで、新規顧客の獲得を加速させるほか、1施設あたりの売上高を向上させる。

 ペプチドリーム<4587>=上昇加速。
株価は中段もち合いを上放れた8月4日以降、上昇率は55%弱に達している。西アフリカで猛威をふるうエボラ出血熱に絡みペプチドの有効性が取り沙汰されるなか、関連有力株としての思惑に加え、同社が12日発表した15年6月期の単独業績予想は、新薬候補物質の新たなライセンス収入の計上を見込み、純利益が前期比約2.5倍となる3億6700万円になる見通しを発表しており、業績面からも株価上昇を支援している。

 リアルコム<3856>=大幅高で4日続伸。
同社は13日、14年6月期の最終損益が2億3700万円の黒字(前の期実績は2億9300万円の赤字)になったと発表した。従来予想を2億円強下回るが、これは太陽光発電工事の遅れにともなう収益計上の遅れに伴うもので、その分は今15年6月期に反映されることになり、株価面ではむしろプラスに評価されたようだ。太陽光発電事業は拡大基調を強めており、業態転換による中期的な業績回復への期待が強まっている。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想