ミネラルウォーター、家庭用サーバー普及と炭酸・フレーバー添加で新展開

著者:冨田康夫
投稿:2014/08/05 22:21

宅配サービス、新商品等で需要拡大の可能性

 日本のミネラルウォーター市場は、東日本大震災以降、再び拡大期を迎えている。なかでも、従来はオフィス向けが大半だったウォーターサーバーとセットで供給される宅配水市場が家庭向けで大幅な拡大をみせている。一方、ペットボトル入りの個人向け市場では、炭酸ガス入りやレモン、オレンジ、リンゴといったフレーバーを添加した新製品の投入で新たな需要拡大の可能性が浮上してきた。

 個別銘柄では、ウォーターダイレクト<2588>に注目。同社は、「富士山天然水」を製造・販売するナチュラルミネラルウォーターの専業大手。熱中症対策製品としてナトリウム配合の水分補給をサポートする「経口補水液パウダータイプ」の販売増も業績をけん引する。

 コカ・コーラウエスト<2579>などコカ・グループは、2リットルボトル中心の「森の水だより」に加え、「い・ろ・は・す」での炭酸ガス入り、レモンフレーバー添加などバリュエーションの拡大で需要拡大を狙う。自動販売機を中心に展開するダイドードリンコ<2590>では、同社ミネラルウォーター「miu」シリーズをリニューアルし、「海洋深層水由来のミネラル」成分をアピール。サントリー食品インターナショナル<2587>は「南アルプスの天然水&朝摘みオレンジ」(有機果汁100%使用)などの新製品で拡販を狙う。伊藤園<2593>はフランス・ダノン社と提携し「エビアン」を販売に加え「磨かれて、澄みきった日本の水」にも注力している。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想