先高期待やや薄らぎ続落、トヨタの決算発表を注視

著者:冨田康夫
投稿:2014/08/04 20:28

あす(5日)の株式相場見通し

明日の東京株式市場は、4~6月期決算の好業績銘柄を買い進む動きが継続するものの、きょうまでの3日続落で、市場の先高期待感がいったんやや薄らいだとの受け止めが広がっており、日経平均株価は続落となりそうだ。
 4日の東京株式市場は、前週末の欧米株安を受けて売り先行で始まったものの、日経平均株価はいったん前週末比プラス圏に浮上する場面も見られた。ただ、上値は重く後場は再び同マイナス圏に落ち込み、日経平均株価終値は、前週末比48円安の1万5474円と3日続落し、7月25日以来6営業日ぶりに1万5500円台を割り込んだ。
米7月の雇用統計は市場予測を下回った。これはFRBの利上げ時期を遅らせる材料としてむしろ好感されたが、地政学的リスクが重荷となった。東京市場ではきょうは為替も円高含みでリスク回避ムードが強かった。それでも、騰落レシオが前週末時点で97%台と100%台を下回り目先過熱感が解消されていることから、好決算銘柄を中心に押し目買いを呼び込んだ。先物主導のインデックス買いも寄与して前引けはプラスと底堅さを発揮した。ただ、引けにかけて再び売り圧力が強まり、1000を超える銘
柄が値を下げている。
 個別では、ソフトバンクが東証1部断トツの商いをこなしながらも株価は急落。トヨタ、NTTも冴えない。ダイジェットが大幅安、TOA、GMOも大きく値を下げた。一方、KLab、マーベラスが値を飛ばしたほか、宮越HDが大きく切り返しストップ高。テレ東HD、ハピネットも急伸。ロームが物色人気となり、トリドール、新電元も買われた。アルコニックスも高い。

 市場関係者は「前週末、きょうと日経平均株価は続落したものの、下落幅は想定していたよりも小幅にとどまっているとの印象は強い。したがって、3日続落にもかかわらず、中期的な全体相場は“底堅い”との見方をする参加者は依然として多い。ただ、来週のお盆休みにかけては、市場エネルギーが後退することもあり、一服状態やむなしの声もある」としている。

 日程面では、10年国債入札、トヨタ自動車<7203>の決算発表に注目。
海外では、米7月のISM非製造業景況感指数、インド準備銀行金融政策決定会合、インドネシア4~6月期のGDPが焦点となる。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想