美容家電、小型化・低価格化で成長分野に

著者:冨田康夫
投稿:2014/07/28 15:50

15年の国内美容家電売上高は1732億円へ拡大との試算も

家電製品の成熟化懸念が進むなか、美容家電市場の拡大が続いている。美容家電は、ヘアドライヤー、保湿スチーマー、フェイスシェーバー、保湿美顔器、脱毛器、イオン発生器など美容目的の家電製品のこと。従来、美容機器は大型で高額なものが多く、エステサロンや美容室での使用に限られていた。ところが、技術の進歩や海外生産の進捗によって、軽量小型化、低価格化が進んだことと、大手家電メーカーの参入もあり、美容機器が“家電”として一般家庭に普及している。野村総合研究所によると、2012年度の国内美容家電の売上高は1430億円で、15年度には1732億円に拡大すると試算している。

 美顔器や痩身器具など家庭用や、健康機器メーカーを手掛けるヤーマン<6630>の15年4月期は、売上高145億100万円(前期比0.9%増)、営業利益6億5900万円(同76.8%増)と大幅増益を見込む。脱毛器の新商品が寄与する。海洋性コラーゲン主成分の化粧品の製造・販売を主力とするドクターシーラボ<4924.T>は、多機能超音波美顔器や、美顔ローラーも手掛ける。EMS(受託製造)に強みを持つ独立系電子部品商社の加賀電子<8154>は、電動洗顔ブラシなどで美容家電に参入。

 一方、パナソニック<6752>は、売れ筋商品のマイナスイオンヘアドライヤーをはじめ、温感エステローラー、電動歯ブラシなど豊富な品ぞろえで対応。日立製作所<6501>は、顔の保湿や毛穴の引き締めに効果を発揮する保湿サポート器に特長がある。

◆主な美容家電関連銘柄

銘柄<コード>   今期営業増益率     株価    PER

DR.シーラボ<4924> 10.7    3770   18.2
日立<6501>       5.1     806   16.3
ヤーマン<6630>    76.8    1342   18.8
パナソニック<6752>   1.6    1239   20.0
加賀電子<8154>     3.8    1335    8.9

※株価は28日終値(単位:%、円、倍)
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想