◆要確認◆TOPIX100採用銘柄の「呼び値」変更で何が変わる?

著者:小野山功
投稿:2014/07/19 11:39

今週から一部銘柄が「10銭刻み」に!

■「TOPIX100」採用銘柄の呼び値が縮小します。

今週22日(火)より、「TOPIX100」に採用されている銘柄のうち、株価が5,000円以下の銘柄の呼び値(値幅)が0.5円に縮小されます。

たとえば、キヤノン〈7751〉の呼び値は7月18日(金)までは1円刻みでしたが、これが22日以降、0.5円に縮小されます。

要するに「3390.5円」のような、1円未満の値がつくことになります。これらの銘柄の最低単元は100株ですので、買い付ける代金に1円未満の端数が出ることはありませんが、呼び値が縮小されることで、板が読めなくなるという指摘が聞かれます。

現在、「TOPIX100」構成銘柄以外で、価格帯が3000円~5000円台の場合、呼び値は5円です。

TDK〈6762〉は日経平均株価にも採用される主力株ですが、同社はTOPIX100には採用されていません。TDKの株価は、22日以降も5円刻みで変わりません。

対して、同じく電子部品大手の京セラ〈6971〉の株価は、0.5円刻みになります。京セラとTDKの株価はともに4000円台後半ですので、呼び値に10倍もの差が出ることになります。

そのため、上下8本の板情報を見て、「売り板が少ないから上がりそう」とか、逆に「売り板が厚いから上値は重いな…」という感覚的に取引していた投資家にとっては、やっかいです。板情報がみられないことで、取引がやりにくくなるという不満が出るかもしれません。

また、「TOPIX100」構成銘柄のうち、1000円以下の呼び値は0.1円に変更されます。みずほFG〈8411〉の1円抜きで利ザヤを取っていたトレーダーにとっては、値幅が10分の一に縮小されるため、うま味がなくなってしまうことになるかもしれません。

ちなみに、今回の呼び値変更は、あくまで「TOPIX100」銘柄のみが対象です。主力銘柄でも、神戸綱〈5406〉や郵船〈9101〉の呼び値は1円のままですので、ご安心ください。

小野山 功
小野山功
株式会社SQIジャパン 金融コンサルタント
配信元: 達人の予想