魅力高まるREIT、不動産市況回復で先高期待

著者:冨田康夫
投稿:2014/07/08 18:37

大都市圏では時価の回復鮮明に

国税庁が1日発表した2014年分の路線価(1月1日時点)は、全国平均では小幅マイナスとなったものの、東京や名古屋など大都市圏で2ケタ前後の上昇を示すなど地価の回復が鮮明となった。東京都、神奈川県、大阪府はいずれも6年ぶりにプラスに転じたこともあって、中長期的な不動産市況の改善がいよいよ現実感を伴ってきた。その原動力は不動産投資信託(REIT)で、これが地価上昇の牽引役となっているとの見方が強い。

 REIT市場の値動きを表す東証REIT指数は6月20日に1617・07の年初来高値をつけてからは瀬踏みを続けているが、最近の同市場への継続的な資金流入を見る限り、ここは踊り場に過ぎず、一段の上値追いが濃厚とみられている。

 顧みればREIT指数は07年5月に2612の高値まで買われたが、その後は急落歩調となり、リーマン・ショック後の08年10月には704まで売り込まれた経緯がある。そこから、6年近い年月を経て昨年3月に1700まで回復。短期間に急速に上げた反動でその後調整に入ったものの、今年5月以降、長期もち合いを再び上に抜けてきた。

 2020年の東京五輪開催なども考慮して、首都圏に投資するREITは中期的に2000の大台復帰は無理のないシナリオとなる。ここはぜひ積極的な投資を考えてみたい。魅力は何といっても分配金(配当)利回りの高さだ。別表は利回りが3%を大きく上回り、なおかつ値上がりが有望とみられる6銘柄を抜粋した。

◆注目したい高利回りREIT6銘柄

銘柄<コード>        投資口価格(円)  分配金利回り(%)

産業ファンド<3249>     91万7000    3.52
大和ハウスリート<3263>   44万1000    3.53
GLP<3281>        11万2900    3.80
野村不動産マスター<3285>  12万1000    3.96
オリックス不動産<8954>   14万1800    3.49
ケネディクスオフィス<8972> 55万8000    3.51

※投資口価格は7月4日現在
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想